《週刊セットプレー》vol.07
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Ⅰ.甲府の1点目(甲府vs千葉)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーの配置
★守備側の視点
11人全員での守備をしています。
”ゾーンを中心としたゾーンマンマーク併用の守備”をしています。
マンマークをしているのは、⑨(vs➒)と⑩(vs➑)の2人だと思われます。
★攻撃側の狙い
キッカーが助走に入る時には、➓はかなりボールに寄っていて、ボール付近に3人いるというあまり見かけない配置でした。
結果的にCKは➌が蹴り、アウトスイングのボールが中に送られました。
マンマークを受けていた➒が合わせてシュートはできませんでしたが、オフサイドにならない位置まで⓫が戻っていてゴールを決めました。
・このCK(攻)について
➓が寄ったことに寄り、ボール付近では3対1の圧倒的に有利な状況を作れました。そのため、ショートコーナーを使って、中のDFを釣り出すのも有効だと思いました。
1⃣ボール付近(赤丸)でボールを安全に持つ
2⃣DFを釣り出す(おそらく③か⑤)
3⃣守備陣は全体的にボール方向へ重心がかかる
4⃣空くであろう大外(水色丸)に走り込み、クロスを待つ
このような攻撃方法もあると思いました。
Ⅱ.琉球の1点目(琉球vs長崎)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーの配置
★守備側の視点
11人全員での守備をしています。
8人(②~⑨)が壁に入り、壁の下のコースを1人(⑩)がふさいでいます。
また、ゴール前にも1人(⑪)を配置しています。
★攻撃側の狙い
横に並んだ8人の壁は相当大きかったと思います。
その分、中では3対1という有利なシチュエーションを作れているので、中へのパスを選択しています。
ボールが➏→➓の移動をしている間に、GKはシュートに備えるためにポジションを変えます。
その動きの逆方向へダイレクトでシュートを打つことにより、ゴールが決まりました。
・このFK(守)について
ペナルティエリア近辺のゴールが直接狙える位置からのFKを防ぐのはとても難しいと再認識しました。
その中で、具体的な改善策の一つとして、壁の人数を減らして中のフリーの選手を放置しないというのがあると思いました。
Ⅲ.いわきの2点目(讃岐vsいわき)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーの配置
★守備側の視点
10人がPA内に戻っての守備をしています。
”ゾーンを中心としたゾーンとマンマークの併用”をしています。
マンマークの守備は、➑(vs⑧)と➒(vs⑥)が行っています。
★攻撃側の狙い
ボール付近での2対1という状況を有効活用しています。
⑤から④へのショートパスで再開し、➓からのプレスを受けます。
⑤は④の後ろに走り込んで、④からのリターンパスをフリーで受けます。
パスを受けた⑤にプレスが行けるDFは、➓or➐or➌or➋です。
➓はどうしても後手での対応となるためかなり遅れます。
➐or➌or➋は初期位置からかなり距離があるため、遅れての対応になっています。
結果的に⑤はトラップしてから狙いすましたクロスを上げ、ゴールに繋がりました。
・このCK(守)について
ショートコーナーの可能性がある位置に相手選手がいる場合、1人が牽制していても簡単に無効化されてしまいます。
このシーンでは、⓫はボール付近に寄った位置にいるのが効果的だと思いました。
Ⅳ.相模原の1点目(今治vs相模原)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーの配置
★守備側の視点
10人の選手がPA内で守備をしています。
”マンマーク中心のゾーンマンマーク併用での守備”をしています。
ゾーンを守るのは2人(➋,➌)で、残りの選手はマンマークをしています。
★攻撃側の狙い
相手がマンマークでの守備を中心にすることを利用してゴールエリア付近に押し込み、ゴール前(上図水色丸内)にスペースを作っています。
そして作っていたスペースに大外から⑥が走り込みます。
⑥のマークをしている➒も追いますが、密集地帯を通る必要があり、簡単には追えない状況を作っています。
・このCK(攻)について
取り入れやすい攻め方だと思います。
フェイントをかけるなどでマンマークを外す方法もありますが、このように他選手を使ってマークをついてこさせない方法は大きく距離が取れるため、とても有効だと思いました。
おまけ
・AFC U23アジアカップ ウズベキスタン2022 グループD第3節
日本 x タジキスタン
ややファー寄りの位置で4人対4人の勝負となっています。
キッカーの助走に合わせて走り込む形をとっています。
➓は⑤に対して有利に走り込めています。
(結果的に倒されていますが…)
ややニア寄りにクロスが上がり、➐と➑は完全にマークが外れています。
結果的に➑→➐とパスを繋ぎ、ゴールが決まりました。
守備側の視点で見ると、
・PA内に戻る選手を増やす
・マンマークにはついていく
等の方法で防げる可能性が上がると思いました。
▪過去の記事はこちらから(vol.01~vol.06)
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