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《週刊 セットプレー》vol.02

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Ⅰ.清水の2点目(湘南vs清水)

★試合データ

J1 第11節
2022年5月3日(火)
湘南ベルマーレ vs 清水エスパルス
1 - 4
得点者:
32’ 中山 克広(清水)
36’ 鈴木 唯人(清水)
38’ 白崎 凌兵(清水)
50’ 大岩 一貴(湘南)
59’ 鈴木 義宜(清水)

★ゴール動画

★このセットプレーのポイント

白=清水,黒=湘南
※番号は背番号ではありません

・守備側の視点

11人全員が戻っての守備をしています。
3人(➋・➌・➍)がニアのゾーンを守っていて、残りの選手はマンマークで守備をしています。

④への警戒から、少しだけ➍が高い位置にいるように感じます。

・攻撃側の狙い

・アウトスイング
・ニアすらし
・中央あわせ

必勝パターンであるこの攻撃をしています。

⑪(原選手)がファーポスト付近からニアサイドのゾーン守備陣の中心エリア(水色の三角形)を狙って走り込んでいます。

GKの背中側を回って動くことで、自身のマークである➎とやや距離が出来るようにしています。

そして、ニアサイドでやや有利な状況を作って競り勝った⑪はゴール前中央にボールを送ります。

ニアサイドで競り合っている時に、守備陣はボールに注意が行くため、⑨(サンタナ選手)は➐と入れ替わって置き、ゴール前中央のスペースで良い状態を作り、ヘディングシュートをしています。

そのままゴールにはなりませんでしたが、2度のシュートから最後は⑩(鈴木選手)押し込んでゴールが決まりました。

Ⅱ.岡山の1点目(岡山vs水戸)

★試合データ

J2 第14節
2022年5月4日(水)
ファジアーノ岡山 vs 水戸ホーリーホック
2 - 1
得点者:
43’ チアゴ アウベス(岡山)
54’ ハン イグォン(岡山)
89’ 椿 直起(水戸)

★ゴール動画

★このセットプレーのポイント

黒=岡山,白=水戸
※番号は背番号ではありません

・守備側の視点

11人全員が戻って守備をしています。
壁は2人。
のこりの8人は2列を作っての完全なゾーン守備をしています。

キッカーの位置に2人(➌・➍)いるため、インスイングとアウトスイングの両方を警戒する必要があります。

・攻撃側の狙い

まず、キッカーの位置に2人(➌・➍)置き、的を絞らせないようにしています。

ゾーンで守る相手に対し、競り合いの強い➓(ヨルディ バイス選手)をファーに配置し、守備陣に気にさせます。
(→実際⑧はややファー寄りにポジション取りをしたように思います。)

キックのタイミングで➓はさらにファーに行き、⑧・⑨の2人をブロックしています。

マンマークではないことととこのブロックを受け、最もポジションの近かった⑨は⓫(チアゴアウベス選手)に付いていけず、⓫はフリーになることが出来ました。

また、ボールの軌道に最も近い⑩も➎がブロックしているため、カットされる可能性が低いままPKスポットまで送ることが出来ています。

結果的にPKスポットで⓫とボールが待ち合わせることが出来て、ゴールが決まりました。

考えられたプレーですが、
相手の守備方法を知っていること
各々の役割をしっかり果たすこと
「PKスポットで待ち合わせる」というキッカーとシューターの申し合わせ

これらの要素ですぐに導入できるセットプレーでした。

Ⅲ.インスイング・ニアサイドゴールエリア内で競り勝つ

今週のJリーグでこの攻撃パターンからのゴールが2つ生まれていたので、合わせての解説です。

インスイングで速いCKをニアサイドに蹴る
そのボールを少しでも触り、ゴール枠内に飛ばす

この2つの条件を満たせばほぼ確実にゴールは決まります。

★ゴール動画

・横浜F・マリノスvs名古屋グランパス

・北海道コンサドーレ札幌vs京都サンガF.C.

★インスイングの素晴らしいキックが出来る選手

マテウス選手(名古屋)・福森選手(札幌)どちらの選手もJリーグ屈指の素晴らしいキッカーだと思います。

質の高いキッカーがいないとこの攻撃はできません。

★ニアの最適なポジションを取る

中谷選手(名古屋)はゴール付近から一度下がり、ボールの軌道に合わせてのジャンプで守備陣に競り勝っています。

高嶺選手(札幌)はファー方向へ動き出すフェイントを入れてからニアに走ることで、自身のマークとの距離を作ることが出来ています


🔳今週のまとめ

CKで取り上げた2つは、ある意味で必勝パターンだと思っています。
特にⅠで取り上げた方は、汎用性が高く、ポイントさえ押さえればほぼノーリスクで狙っていける戦法です。その解説はまた別の機会に投稿する予定です。

FKの攻撃も、複雑な動きではないため、攻撃のアクセントとして狙っていけると思います。
このFKを一度見せられた後は、守備体系を変更せざるを得なくなるため、一度目で可能性のあるシュートを放つことが大事になります。

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