【#37,湘南vs徳島】徳島のCKを分析!【セットプレー】【2021年】
コーナーキックの分析を書きます。
・試合データ
66分に決まった徳島のコーナーキックの分析を書きます。
・ゴール動画
ハイライト映像(ゴールシーンは4:09~)
・選手の立ち位置
・攻撃目線
GK以外の10人が上がっての攻撃。
配置:
ボール付近…2人(②,⑤)
ペナルティエリア内…7人(③,④,⑥~⑩)
後方から上がってくる…1人(⑪)
・守備目線
11人全員が戻っての守備。
ゴールエリア内のゾーンを2人が守り、残りはマンマークでの守備。
競り合いに強いウェリントン選手を中央の➌の位置に配置。
☆このCKのポイント☆
Ⅰ.助走前にDF陣形を乱す
おそらく、守備➏の選手は、もう少しゴール前で守備をしたかったと思います。
しかし、助走前に攻撃⑤の選手が中央からするするとボールに近付いていくことで➏の選手を釣り出します。
このことで、ニアサイドにスペースが出来ます。
このスペースが空くことがとても重要です。
Ⅱ.ニアに向かって走る5人(⑥~⑩)
PKスポット付近の5人は、Ⅰで記述したスペースの方向に走ります。
その動きは、対峙しているDFの前に入ろうとする動きです。
守備側の心理としては、”空いたスペースに入らせたくない””自分の前に入らせたくない”という気持ちが生まれ、よりタイトにマークをしようとします。
そして、それらの動きでボールが蹴られるタイミングでファーサイドに大きなスペースが出来ます。
Ⅲ.ファーのスペースへの上がりと正確なキック
Ⅰ・Ⅱの動きで空いたファーサイドのスペースに後方から⑪が上がってきます。
守備のために残っているとも思える選手なので、フリーで走り込むことが出来ます。
CKのキッカーは、上がって来た選手が合わせやすい質の高いストレートのキックを選択しています。
Ⅳ.確実に枠に入れるボレーと詰め
上がって来た⑪は、強く確実に枠内に入れる低いシュートでゴールを狙っています。
直接決まらなくても、”何か”を起こすためにも枠内に飛ばすことは最低条件だと思います。
ゴールを決めた④は、ボールが浮いている間はDFを抑え、プレッシャーをかけられないようにブロックしています。
シュートが打たれた後は、入れ替わっておき、詰められる状態を取っておくことで、弾いたボールに最も先に触り、ゴールを決めています。
Ⅴ.リスクマネジメント
GK以外の10人での攻撃は、わずかなズレからカウンターで絶体絶命のピンチを招く可能性もあります。
しかし、このCKでは、ボール付近の⑤とPA内の⑧,⑩は攻撃に関わりつつもボールが蹴られるタイミングでは後方に向かって走っているため、カウンターを受けたとしても3人は構えての守備が出来るため、問題はないと思います。
・まとめ
残留争いの大一番の試合。
0-0の時間が長く続く中、均衡を破ったのは考えられたセットプレーでした。
ゾーンとマンマークの併用の避けられない弱点が分かるとともに、その弱点を正確に狙ったコーナーキックでした。
以上です。