《週刊 セットプレー》vol.05-①
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今週は取り上げたいプレーが多かったため、①と②に分けています。
Ⅰ.鳥栖の4点目(鹿島vs鳥栖)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーのポイント
試合終了間際の96分のコーナーキック。
・守備側の視点
11人全員での守備。
ゾーンとマンマークを併用していて、中央をゾーンで固めていてややファーサイドは手薄な陣形。
・攻撃側の狙い
”GK周りで駆け引きをする⑪(田代)”
蹴られる前に⑪(田代)はGK付近を動き回り、マークを外そうと駆け引きしつつ、GKの注意を自分に向けています。
”狙いすまして直接狙った②(藤田)”
蹴られる瞬間の配置を見るとゴールへの道にDFがいません。
終了間際でも冷静に守備の綻びを見つけ、そこを突いた正確なキックが出来る選手がキッカーを務めていることでこのゴールは生まれました。
Ⅱ.湘南の1点目(川崎vs湘南)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーのポイント
・守備側の視点
11人が戻っての守備。
ゴールエリア内のニアサイドに2人(②,③)を置き、残りはマンマークでの守備。
⑩はニアサイド寄りの相手選手への牽制。
・攻撃側の狙い
ゴールエリア内の⓫はあまり移動をしない。
➐~➓の4人は自身のマークを連れてニア方向へ走っています。
唯一➏だけはファー方向に向かって動き出しています。
これらの動きで、ファーのスペースで➏vs⑨の1対1の状況を作っています。
➏は一度ファーに動きマークを押し込んでから、⑨をブロックしながらボールの軌道に入り、⑨を抑えながらのヘディングでゴールを決めています。
Ⅲ.山形の1点目(山形vs山口)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーのポイント
・守備側の視点
11人全員が戻っての守備をしていて、PA内では完全にゾーンで守っています。
ほぼゴールライン上のニアのスペースに2人(②,③)
ゴールエリア内の中央に4人の列(④~⑦)
ゴールエリアすぐ外に3人の列(⑧~⑩)
ボール付近の選手に対して1人(⑪)
ボール付近に選手を置くチームと置かないチームがあるため、⑪のポジションが必要となった分、中の配置が若干変わった可能性はあります。
・攻撃側の狙い
相手守備陣のゾーンの範囲外となっているファーサイドにボールを送っています。(オレンジ色丸)
ここに➏が走り込むことで、競り合うことなくヘディングが出来ています。
ファーでヘディングをする➏は、
・ニアにシュート
・ファーにシュート
・プラス方向で折り返し
・真横に折り返し
・マイナス方向に折り返し
などの選択肢があります。
相手がゾーンのため、中にいる選手はほぼノーマークで動けるため、ゴールに直結する”プラス方向で折り返し”を選択しています。
フリーでゴール前に動き出している⓫にパスを送り、ゴールが決まりました。
Ⅳ.新潟の2点目(水戸vs新潟)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーのポイント
・守備側の視点
11人全員が戻っての守備をしています。
ニアにストーン(➋,➌)を置き、残りはマンマークをしています。
密集しているため、➑・➓周辺は誰にマンマークなのかあまりよくわかりませんでした。
・攻撃側の狙い
相手が中央では基本的にマンマークをしていることを利用し、ニアサイド寄りの半分に全員が立っています。
キッカーの助走段階でも⑤以外の選手たちはステイかニア方向に動き出していて、ファーサイドのスペース(オレンジ丸内)を空けたままにしています。
そのスペースに唯一⑤だけが走り込み、合わせてゴールを決めています。
Ⅴ.大宮の1点目(大宮vs琉球)
★試合データ
★ゴール動画
★このセットプレーのポイント
・守備側の視点
11人全員が戻って守備をしています。
壁の2人を除き、8人がほぼ1列となってのゾーンで守備をしています。
・攻撃側の狙い
まず➍が助走に入った段階で、守備陣はDFラインを下げます。
蹴らずにボールを跨ぐことで、DFラインを止めようとする選手や再び上げようとする選手などが生まれ、最終ラインが乱れます。
守備側④は一度ラインを下げてから止まっています。
それに対し➐は➌のキックのタイミングに合わせて走り込み、④を追い越してニアのスペースにフリーで走り込んでいます。
そのスペースでうまく右足で合わせてゴールを決めています。
おまけ
・鳥取のPK攻撃(鳥取vs愛媛)
以前、ガイナーレ鳥取のPK守備の時のポジショニングについて取り上げました。
PKスポット真横にも選手を配置する陣形に対し、セットプレーに対する意気込みを感じました。
今回のPKでの攻撃でも同じように配置していて、絶対にPKを決めるための配置がされていると感じました。
また、キッカーの助走に合わせて走り込んでPA内に走っている選手もルールを守るよう心掛けながら走っていて、とても有効な作戦をしていると思いました。
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