人材覚醒経済
日本型雇用システムの限界
曖昧な職務範囲、不明瞭な勤続地、不透明な残業時間。日本型雇用システムは米国のメンバーシップ制と異なり不確定要素が強い。この3つの要素と引き換えに、終身雇用制があるといっても過言ではない。
これが日本の暗黙な形式としてはびこっているのだ。
その問題として、本書では以下の代案を示している。「ジョブ型正社員」だ。この代案により、3つの不安要素は改善され、ひいては出生率の改善にもなるとしている。
ジョブ型のメリット
・勤続地が決まっている。
・明確な労働時間
・明確な職務範囲
ジョブ型のデメリット
・賃金が低い。
・スキルがなければ淘汰される。
長時間労働はなぜ起こっているのか
「非自発的労働」と「自発的労働」「マネージャーは早く帰れ!」
長時間の労働は2種類あります。非自発的労働と自発的労働です。非自発的労働は、組織の上司が残業しており、帰りづらい環境を作り出しているなど。本人の意思に反している労働のこと。
自発的労働とは、スキルアップのために自ら長時間労働を選んでいること。日本では非自発的労働が大半をしめていると思います。無駄な会議。やらなくてもよい残業等。
「マネージャは早く帰れ」とは、非自発的労働の環境を作っていることを自覚してチームの生産性を高めろ!という意味が含まれています。自らのチームを鳥瞰的にみることで、非自発的労働を防げるのです。
性格スキルを伸ばそうぜ
性格スキルとはすなわち、非認知能力のことである。
認知能力とは、目に見えるスキルのこと。パワーポイントが上手、書類をはやく作成できるなど。一方で非認知能力とは、やり切る力、優しさなどレジュメでは測れない能力のことだ。
これは著者は性格スキルと簡潔に読んでいる。性格スキルを伸ばすことで受けれるメリットは、どこの組織にいっても仕事ができる人になれるという点だ。
企業特殊スキルではなく、一般的な素質、つまりは土台をつくることであとはどうにでもなるのだ。
人材覚醒経済を通して
人材が覚醒する。覚醒するの本来の意味は「はっと気づき我にかえる」という意味だそうです。「多様な働き方改革」によってミクロの問題、マクロの問題を解決することができる。
ミクロの問題とは、終身雇用制度が実質なくなっているVUCAの時代において「個」の力をつける必要がある。どこでもだれとでも働ける環境を自分自身でつくらなければならない。
マクロの問題は、雇用の量的拡大、雇用の質的拡大。労働の移動。これらを多様な働き方改革によって変えいていけるとロードマップを引いている本書です。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?