都市経営プロフェッショナルスクール グループA オンラインゼミ#09
こんにちは、10月に入り涼しくなりましたね。
私は自転車通勤していますが、ようやく汗だくで職場に行かなくてよい季節となり快適です。
今年はプロスクを受講していることもあって、時間の流れがいつも以上に早く感じますが、定例MTGや日々の課題によるアウトプットを始めたことで、「5月はまだこんなこと言っていたなー」とか、思考変遷の過程が今までよりも細かく見えるようになったと思います。まだまだ、アウトプットの絶対量は少ないですが、この「筋トレ」続けていきたいと思います。
さて、火曜はグループAの定例MTGでした。
今回は、秋の合宿に向けたグループ課題についてのディスカッション。
その課題は、沖縄県西原町を舞台にした、公民連携事業の立案です。
チームビルディングの効果
先週のMTGで、エリアや都市経営課題の分析、事業案についての個人ワークをすることを決め、今週は各自が宿題の発表です。
まず、それぞれが自由に分析をしてきたのですが、コーチから「同じテーマをそれぞれ勝手に取り組んだのに視点が被らない」とのフィードバックがありました。それぞれ、得意分野からの視点で分析しているのがGoodだと。
たしかに、我がグループはフワッと分担を決めるところがあるのですが、回を重ねるごとに、それぞれの個性に対する認識が自他ともに深まってきて、チーム内でのポジションが見えてきました。夏の間、個人のプロジェクトをお互いに壁打ちするなかで、その人の関心毎や、思考のスタイル、得意なことが分かってきた成果だと思います。
また、アイディアを出す際には、枠に囚われない発散的思考も大切なのですが、課題を見据えたうえで、取捨選択する思考も大切です。
今回のミーティングなかで、メンバーの一人から
「今回の課題をもう一度冷静に考えてみよう」
「この議論を続けると、方向を間違うんじゃないの?」、などの声が上がり
ここがきっかけとなり、今回の議論が深まったと思います。
このように要所で課題に立ち返って、議論の方向性を整えてくれる役割がチーム内から出てくるのが凄いと思いました。建設的な批判があるのと無いのでは、議論の発展スピードが全然違います。これは独学では得られない学びですね。
公と民の時間軸
今回の課題設定では、「社業の復活」と「地域の活性化」が目標として設定されていますが、主体となる民間事業者が赤字では事業が継続しません。
何度もインプットしてきた視点ですが、やはりアウトプットの場になると、地域の課題や、立地の特異性に目が行きがちになります。
今回のケースでは、慢性的な交通渋滞が問題となっている沖縄県で、商業、観光をプロモートしていくためにも、道路インフラの整備が課題となります。そうすると、どうしても道路整備につながるような、行政の方針や動きに目が行きがちになってしまいます。
しかし、ディスカッションの著中で「時間軸の違い」という議論が出てきました。バイパスを通すなど大規模な道路事業の場合、用地取得の合意形成などもあり、10年、20年と、計画から完成まで大変長い時間がかかります。
一方で、民間事業者の時間軸はもっと短い。
日々、人件費、家賃、金利が発生するなかで、会社を回し続けないといけない。競合もあり、商機があると思ったら、すぐにアクションを起こしたい。そうすると、先の見えない行政計画に自分の事業をベットするのはリスクが大きい。いつになるか分からないものを「待っていられない」という話になります。
また、話し合いのなかで「スケールの違い」という視点も上がりました。
道路インフラにつながる事業というと、県や市が絡む大規模な事業に目が行きますが、いち民間事業者が所有する100坪の建物からできることを考えなくてはいけません。
どのようなストーリーで地域課題へ展開するのか?
社業の復活が、どう地域の再生につながるのか?
なぜこの事業に取り組むのかという「大きなゴール」を見据えて、「小さくスタート」する。このスケールの違いをしっかり認識して、どのように事業展開するかという事も、事業経験あるコーチやメンバーの意見なくしては、気づけなかった視点だと思います。
プロスクのグループワークは公民連携の縮図
行政組織だけで話していると、おそらく官民の「時間軸の違い」、「スケールの違い」という議論は、なかなか出てこないと思います。
我々のチームは公務員も民間もいる、公民混在のチームです。さらに建築、教育、都市開発、マーケティング、金融など、それなりに分野の横断もあります。そうした仲間で、建設的な批判が率直にできる経験は初めてです。
今日のようなディスカッションを重ねていった先に、僕らはどこまでいけるんだろう?と考えると、なんだかワクワクしますね。