天上天下唯我独尊
先日分かった事
僕はどうやら
「鬱病」
という病の入り口
もしくは
既に入り込んでいたのかもしれない
もしくは
現在進行形である
躁鬱病から始まり死に至った母の
遺伝もあるのかもしれないが
それは僕には分からない
症状は
まず一つは睡眠障害だ
寝れているのか
寝れていないのかがよく分からない
日中に度々睡魔に襲われる
倦怠感や食欲不振
息苦しさや息切れ
ネガティブ・ザ・ワールド
をひたすら彷徨い
些細な事で涙が溢れてくる
そして虚しさだ
「一体何の意味があるのだろう?」
「この先に何があるのだろう?」
やりたい事があっても
「それをやってどうする?」
という虚しさが付きまとう
それは幾日も続く…
以前の記事を見てもらえば
きっとその虚しさが
少しは伝わるだろうと思う
因みに僕には
山暮らしを始める前から
やりたい事があった
それはこの敷地の手入れ
この広大な敷地に
僕の好きなように手を加え
心地のいい場所にしていく事だ
それは今でも変わらない
しかしここ最近になり
「それをやって一体何になる?」
という虚しさを
目標の裏側に発見してしまったのだ
それは僕を滅入らせ苦しめた
エネルギーを吸い取られるかのようだった
僕はもがいた
お寺の長老に示された
霧石渓谷という崖の上で瞑想をし
断食と瞑想の二日間
そして友人に
一度ここを離れリフレッシュした方がいい
とアドバイスを頂き
海の近くに住んでいる
巡礼の時にも二日間お接待して頂いた
二周り年上の方の家に行った
美味しい料理やお酒を
御馳走してくれて
奥さんと娘さんも僕の話しを
沢山聞いてくれた
彼は僕に言ってくれた
とにかくそのやりたい事というのを
やって見せてくれ
そんなイメージがある
というだけでも素晴らしい事だよ
それを進めようじゃないか
涙を堪えていたが
堪えきれなかった
その帰り道
「また迷惑をかけてしまったに違いない」と
自分を責めた
まさにネガティブ・ザ・ワールドである
何かと自分を
責めてしまうのだ
しかし少しだけ
前向きな気持ちが入ってきた
それはモカの存在
モカが僕を待ってる
僕の元気を待ってる
とにかく
最愛のモカが待つ山へ帰ろうと
……
家に着くと
モカが激しい声で僕に呼びかけ
僕の帰りを祝うかのように
ゴロゴロと右へ左へと転がっていた
そして
頻繁には出てこないが
イボガエルのケロリンも
顔を見せてくれた
コウモリが目の前を
行ったり来たりしていて
僕は
「ここは何て楽しい場所なんだ」
と感じていた
いつの間にか
幸せな気持ちになっていたんだ
翌朝になり
突如それは目に飛び込んできた
鬱病という言葉
この時初めてその事に気付き
調べてみたら
色々と当てはまっていた
すると
僕の胸の中にそれはやってきた
天と僕の中の核が
繋がった瞬間
もしくは元々あったが
気付いていなかったそれに
気付いた瞬間だ
善根宿ならぬ
善根山
「この敷地に手を加えて何になる?」
「この敷地に手を加えて…」
「ここに善根山という宿を創るのだ」
近頃の僕のように
苦しんでいる人が必ずいる
その苦しみを
少しでも癒せる宿を創りたい
宿泊料は一円からで
いくらでもいい
目的は癒しと楽しんでもらう事だ
勿論まだまだ時間はかかるが
目標の裏側にあった虚しさは
「善根山」
へと書き換えられた
そして
教えを説かずに自ら歩ませる
偉大なる教師の
「さぁ引き続き描きなさい」
という声なき声を
僕は受けとったのだった
……