ゴジラ怪獣ここが好き アンギラス編
ゴジラ怪獣の好きなところを紹介するシリーズ。
今回紹介するのはアンギラス。
意外とスゴイ経歴と、それに見合わぬ不遇さを持つ怪獣です。
どうぞご覧ください。
知る人ぞ知る有名怪獣
アンギラスと聞いて、すんなりアンギラスの顔が浮かぶ人はどのくらいいるでしょうか。
たぶん、そういう人は世間では少数派ですよね。
偽物のアンギラスの画像を見せられても、きっと騙されるでしょう。
「偽物のアンギラスの画像」なんて、そんな需要のないものがそもそもあるわけないんですが。
というか、「アンギラス」という単語を日常で聞くことがまずないです。
しょっちゅうアンギラスの名を聞くような環境の人は、そもそもとっくにアンギラスのことを知っているわけで。
「アンギラスを知るものしかアンギラスを知らない」という、なんともややこしい状況なわけです。
「描かれた内容を知っていなければ読むことができない」という、仏教の曼荼羅とまったく同じですね。
同じですね。まったく。うん!
そんな曼荼羅怪獣アンギラス、実はゴジラ怪獣の偉大な古株です。
ゴジラ怪獣で顔が知れてるメンツといえば、ゴジラはもちろんとしてキングギドラ、モスラあたりでしょうか。
ラドンあたりで結構ギリギリかもしれないですね。海外進出したとはいえ、昭和の頃の画像だと厳しいかも。
きっと、近所の子供に昭和の頃のラドンとギャオスの写真を見せてもどっちがどっちかわからないでしょう。
というか、街中で児童に奇妙な生物の写真を見せてたら逮捕されるかもしれません。
ラドンとギャオスを知ってるか聞きたいだけなのに。
全部ラドンの知名度が今一つなのが原因です。
ちなみに、ギャオスというのはゴジラではなく、ガメラという怪獣の敵として登場するやつです。
ラドンと同じで鳥型の怪獣ですが、ゴリゴリに人を狙って食べる。
バイオハザードのゾンビみたいな感じですね。肌質も割と近いです。
対して、ラドンは虫を食べます。
別に罰ゲームとかではなく、主食です。もりもりいきます。
それくらい違いのある怪獣です。
さて、話を戻してアンギラス。
有名な彼らのような知名度は残念ながらないでしょう。
しかしこのアンギラス、実はモスラ・ラドン・キングギドラよりも先輩。
ゴジラシリーズ以外を含めても、モスラ・ラドンの単独主演映画よりも先にスクリーンデビューしているんですよ。
さらに、その後脈々と続く「怪獣対怪獣」というストーリー展開の元祖でもあります。
つまり、ゴジラと最初に戦った怪獣ということ。
結構すごいでしょ。
昭和の狂犬、目元をアレする
そんな、怪獣王ゴジラにタイマンを吹っ掛けたデビュー当時のアンギラス。
その頃の姿がこちらです。
(『ゴジラ(東宝特撮)チャンネル』 「ゴジラの逆襲」予告編より)
https://www.youtube.com/watch?v=hH7MA-KlUBo&list=PLwMvH0gVbL89eqS4ugFpSINRKkjQ1Vf3i&index=2
新人らしからぬオラついた顔ですね。
なにがしかの違法なものをキメたみたいな目つきも怖い。
その昔はカタギじゃない世界から役者への転身なんてのもよくあった話と聞きますし、この頃のアンギラスも、まあそういうことなんでしょう。皆までは言いません。
容姿にたがわず、そのファイトスタイルもまさに異端。
この後に続くゴジラシリーズでは、怪獣同士の戦いは適度に演出が効いた派手なものになっていきます。
しかしこの頃のアンギラス、どうもこの戦いがムービーショウだということをわかっていないふしがあるんですね。
対戦相手のゴジラの喉笛をひたすら噛み千切ろうとする、あまりに野性味が溢れすぎる攻撃を仕掛けるのです。
まあ、一方ゴジラのほうも初試合で勝手がわからなかったのか、お返しとばかりに喉に噛みつき、瀕死のアンギラスにダメ押しで熱線を吐きかけるというマジ切れぶりを発揮してるんですけどね。
ちなみにアンギラスという怪獣には、全身に脳が分散しているため反応速度が速く俊敏であるという設定があります。
脳が分散しているということは、肝心の頭の中身のほうは結構スカスカなのでは・・・。
空気を読まないガチ攻撃の裏付けになるような設定ですね。
さて、そんなガチで相手を殺しにかかる狂犬っぷりが問題視されたのか、アンギラスはしばらくスクリーンから遠ざかります。
十数年後、「怪獣総進撃」で復帰した時の様子がこちらです。
(『ゴジラ(東宝特撮)チャンネル』 「怪獣総進撃」予告編より)
https://www.youtube.com/watch?v=T_qgNNecm38&list=PLwMvH0gVbL89eqS4ugFpSINRKkjQ1Vf3i&index=9
いや、目元イジッたでしょこれ。
目元というか、黒目が大きくなってチワワみたいになってます。カラコン入れたんですかね。
しばらく表舞台から遠のいていた女優さんが久しぶりに復帰したときの違和感に近いものを感じますね。
不遇怪獣アンギラス
それはともかく、ひとまず復帰したアンギラス。
そして、彼の不遇人生がここから始まります。
敵と戦えば額を割られ顎を裂かれ、業務中のケガが増えていきます。
かつての宿敵ゴジラからも、「ちょっと敵の様子見て来いよ」と使いっぱしりのような扱い。
昭和のうちはそれでもまだ、劇中で損な役回りになる「不遇キャラ」で済んでいたものの、平成に入るとわりと真面目に可哀そうな状況になってきます。
何度も出演案が出るものの、なかなか最後のGOが出ない。
ある時、他の怪獣とトリオを組んでゴジラと戦う案も出ましたが、これも見送り。
まあ、トリオのメンツがアンギラス・バラゴン・バランですからね。
グループの中で地味な人たちを集めてユニットを組むアイドルとかよくありますが、さすがにこのトリオは地味すぎる。
実際、「客入らないだろ」という至極真っ当な判断によりアンギラスとバランは離脱。
スター怪獣モスラとキングギドラ、残ったバラゴンでの出演となりました。
こうなると逆に、なんでバラゴンが残ったのかが謎ですけどね。
2000年代に入りやっと復帰がかなうものの、役柄は他二体の怪獣とともにギャグテイストでゴジラに倒されるという三枚目ポジション。
まあ、ファンとしてはこのシーン、アンギラス・ラドン・キングシーサーと昔ゴジラとタッグを組んだやつらが集まってるので、結構好きなんですが。昔の仲間とつるんでるような雰囲気ですし。
ですが、昭和のベテラン俳優が平成に入りオーディションに落ちまくった挙句、もらった役がギャグ担当だけと考えると。
なんだか寂しいような悲しいような。
近年のゴジラ映画の大作「ゴジラ キングオブモンスターズ」には、チラッと出ていたらしいです。白骨死体役で。ま、はっきりアンギラスとは明言されてないんですけどね。
それにしたって、国内制作の映画では死体役すら外されたのに、海外映画デビューが白骨死体とは・・。
なんとも言えない気持ちになりますな。
これからも待ってるぜ、アンギラス!
シリーズ初期のデビューから、不遇怪獣としてある意味他にはない個性を身に着けたアンギラス。
劇中で見せるゴジラとの友達みたいな距離感も良いんですが、個人的には最初のころの狂犬ぶりをまた発揮してほしいですね。
そもそも、後輩にあたるラドンもモスラも単独主演映画があるのに、アンギラスはそういうのが無いんですよね。
冠映画というか、タイトルに名前が入っている作品も無いですし。
ここはひとつ、銀幕デビューから苦節数十年の単独主演映画として、「暴龍 アンギラス」!
なんて、やってくれたら嬉しいなと思います。
まあ、お客は入らないでしょうけどねぇ・・・。
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