旅に出て、人生のハンドルを握る
地域経営ゼミに、社会起業家の友廣裕一さんがいらっしゃった。
早稲田大学商学部を卒業後、日本中の地域でたくさんの事業を立ち上げ、携わっている。一般社団法人つむぎや 代表理事/リソース・コーディネーター。合同会社シーベジタブル共同代表、まちライブラリー理事、コミュニティナースカンパニー ディレクター、などなど。
「人との出会いによってのみ、人間は本質的に磨かれる」
そんな友廣さんの原点は、旅だったそうだ。
自分の人生のハンドルは、自分で握れ
大学時代は、時間があるはずなのに、自分の時間をうまく使えない感じだった。。。
メルカリの山田進太郎社長を生んだ学生団体「早稲田リンクス」の代表を務めてさまざまなプロジェクトを動かす傍ら、商学部では起業家を目指して友人たちとビジネスプランを作成する日々。しかし、やりたいことがビジネスにつながらず、起業しないまま卒業を迎えたことを後悔していたと言う。
そんなある日、日本全国を旅行することに決めた。状況が整ったら、と言っていては、いつまでもやりたいことができずに体力が衰えていく。いやむしろ、状況が整ってないからこその楽しみもあるではないか。
あえて、何も事前準備をせず、無計画に行くことに決めた。
スマホで検索するのをやめると、準備のための莫大な時間が浮いて、純粋に旅が楽しみになってきた。
いよいよ出発。
日本全国70以上の農山や漁村を訪ね歩いた。
そこで得たものは、人生のハンドルを握っている感覚、自己統御感。
旅したことを機に、「旅を通じて出会った地域の人々を幸せにするような仕事がしたい」と思うようになっていったそうだ。
自分にしかできないことがある
友廣さんのように地域活性化をライフワークにする人々は、どこか特定の地域に根を張るのが「当たり前」だったそうだ。さまざまな人にそうアドバイスされてきたので、それが正しいんだと思っていたという。
しかし、旅の中で出会ったおじさんに「根を下ろす場所を探しているんです」というと、こう言われた。
「特定の地域に籠もるなんて、君の柄じゃないだろう。
君にしかできないことがあるんじゃないか。
それが何かはわからないけどね」
「こいつといたら楽しそうだな」と思われる人
ヒッチハイクで車に乗せてもらう生活をしていて、気付いたことがあるという。
悲壮感を漂わせて「助けて」という人は助からない。
付き合うと面倒くさそうだからだ。
「こいつといたら楽しそうだな」と思われる人であれ。
それが、友廣さんのメッセージだった。