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【世界遺産探訪】エルサレムの旧市街とその城壁群 〜 三大宗教が交差する聖地の魅力
エルサレムーーその名前を聞いただけで、世界中の人々の心に響く特別な響きを持つ都市です。
紀元前3000年頃から人類史にその名を刻み続け、ユダヤ教、キリスト教、イスラム教の三大宗教の聖地として知られるこの場所は、歴史、宗教、文化が複雑に絡み合い、訪れる者を圧倒する独特の雰囲気を持っています。
本記事では、この特別な都市エルサレムの歴史的背景から現代の姿まで、観光者にとっての魅力を掘り下げて紹介します。
概要
登録名 : エルサレムの旧市街とその城壁群
登録国 : なし(推薦国 ヨルダン・ハシェミット王国)
登録分類 : 文化遺産
登録年 : 1981年 / 1982年危機遺産登録
登録基準 : (2)(3)(4)
世界遺産登録基準
(2)建築や技術、記念碑、計画都市、景観設計において。ある期間または世界の文化圏内での重要な価値観の交流を示すもの。
(3)現存する、あるいは消滅した文化的伝統または文明の存在に関する独特な証拠を伝えるもの。
(4)人類の歴史上において代表的な段階を示す、建築様式、建築技術または科学技術の総合体、もしくは景観の顕著な見本。
エルサレムの場所は、イスラエル国内にあります。
複雑な歴史、宗教が絡み合い「イスラエルの中の都市」といった位置付けにはなりません。
そのため、世界遺産登録するために必要な「保有国の推薦」ができず、隣のヨルダンの申請遺産となっています。
つまり、遺産保有国は実在しないエルサレムとなっているのです。
エルサレムの歴史
エルサレムの歴史は5000年のわたって続いています。
紀元前1000年頃イスラエルのダビデ王によって征服されたエルサレムは、ユダヤ教の中心として栄えました。
ダビデ王はミケランジェロ作の「ダビデ像」で有名です。
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その後、ソロモン王が第一神殿を建設し、エルサレムはユダヤ教徒にとって聖なる場所となりました。
しかし、紀元前586年、バビロン王ネブカドネザルがエルサレムを破壊し、ユダヤ人たちはバビロンへ連行されることになります。
(バビロン捕囚)
その後、ペルシャ帝国のキュロス大王によって解放されたユダヤ人たちは、紀元前516年第二神殿を再建。
しかし、紀元前70年にはローマ帝国によって再び破壊され、エルサレムの象徴的な遺構である嘆きの壁(西壁)が残るのみとなりました。
エルサレムはまた、キリスト教徒にとっても重要な地です。
イエス・キリストが磔にされたゴルゴダの丘がある聖墳墓教会は、キリスト教徒にとって巡礼の地として知られています。
また、イスラム教徒にとっても重要な地であり、預言者ムハンマドが天に昇ったとされる岩のドームは、メッカ、メディナに次ぐイスラム教 第三の聖地です。
この歴史の話を本気で書くと長くなるうえ、難しくなるので今回は簡単にまとめました。
宗教、歴史については、機会があれば別記事で書きます。
世界遺産観光スポット : エルサレムを訪れるなら外せない場所
● 嘆きの壁(西壁)
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嘆きの壁は、ユダヤ教徒にとって最も神聖な場所のひとつです。
この壁はかつての第二神殿の西側の壁であり、ローマ帝国による破壊を免れた部分が現在も残っています。
訪れるユダヤ教徒や観光客は、この壁に向かって祈りを捧げ、願いを書いた紙片を壁の隙間に挟む習慣があります。
壁に手を触れ、祈る人々の姿は、エルサレムの宗教的な一面を強く感じさせます。
写真でわかりづらいのですが、手前が女性のみで向こう側が男性のみとなっています。
本記事と直接関係はないのですが、筆者のプロフィール写真はここで撮ったものです。
● 聖墳墓教会
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聖墳墓教会は、キリスト教徒にとって極めて重要な巡礼地です。この教会は、イエス・キリストが十字架にかけられ、埋葬されたとされる場所に建てられており、紀元335年にコンスタンティヌス帝によって建設されました。
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教会内にはキリストが処刑されたゴルゴダの丘や、埋葬されたとされる墓があり、訪れるひとに深い感動をあたえます。荘厳な教会の雰囲気と、巡礼者たちの祈りの声が交差するこの場所は、キリスト教の信仰が息づく現場です。
●岩のドーム
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岩のドームは、イスラム教徒にとってメッカ、メディナに次ぐ第三の聖地です。
この美しい建物は、預言者ムハンマドが天に昇ったとされる岩を覆う形で建てられ、691年にウマイヤ朝のカリフ(イスラム教の指導者)アブドゥル・マリクによって建設されました。
黄金のドームと青のモザイクで装飾された外観は、エルサレムのシンボル的存在でもあり、その荘厳さに多くの観光客が魅了されます。
●オリーブ山
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オリーブ山は、エルサレムを一望できる絶景スポットとして人気があります。
山頂からは旧市街を見渡すことができ、特に朝日や夕日がエルサレムの街並みを照らす時間帯には、多くの観光客がこの場所を訪れます。
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オリーブ山はまた、キリスト教においても重要な意味を持ち、イエスが最後の祈りを捧げた場所とされています。
エルサレムの宗教的な風景を楽しみたいひとにとって、オリーブ山は欠かせないスポットです。
旅行のヒント:エルサレムを最大限楽しむために
エルサレムを訪れる際には、以下のポイントをおさえておくと良いでしょう。
1.訪問のベストシーズン
エルサレムを訪れるのに最適な時期は、春(3月〜5月)と秋(9月〜11月)です。
これらの季節は気候が緩やかで、観光には最適な気温が続きます。
夏は非常に暑く、冬は寒くなりますので快適に観光するには春と秋が最適です。
2.文化的な配慮
エルサレムは宗教的に非常にデリケートな場所です。時に聖地を訪れる際には、服装や行動に注意が必要です。
ユダヤ教の嘆きの壁やイスラム教の岩のドームを訪れる際は、肌を露出しない服装を心がけましょう。
また、写真撮影が禁止されている場所もあるため現地ガイドラインに従うことが重要です。
3.安全に関する情報
エルサレムは比較的安全な観光地と言われています。
三大宗教の聖地であるためセキュリティは厳しいです。
(だからこそ安全ともいえます)
ただ、イスラエルは政治的な緊張の高まりも多く、出入国は常に最新情報を確認する必要があります。
今回、最初の投稿にエルサレムを選んだのはこの場所に自由に行ける日が来ることを願ってのことです。
外務省海外安全ホームページ(イスラエル)
4.地元料理を楽しむ
エルサレムでは、地元食文化を楽しむことも旅の醍醐味の一つです。
旧市街の市場やレストランでは、ユダヤ料理や中東料理を味わうことができます。
個人的におすすめなのは、ファラフェル、フムス、シャワルマなどの伝統料理です。
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5.ガイド付きツアーの活用
エルサレムは歴史的、宗教的な背景があることは前述しましたが、個人でまわるだけではその理解を深めることはとても難しいと思います。
現地で日本語ガイドのツアーに参加するか、日本からパッケージツアーに申し込むのがよいしょう。
パッケージツアーは添乗員付きが多く、安心して渡航できるのでおすすめです。
6.世界遺産以外の観光
世界遺産としてのエルサレム以外に、イスラエルの観光も外せませんが、個人的にはナザレの街や死海がおすすめです。
いずれも個人で行くことは可能ですが、パッケージツアーに含まれてることも多いです。
また、世界遺産エルサレム周辺をぶらぶらと散歩して時間を使うのも良いと思います。
意外な発見があるかもしれませんよ。
筆者は歩いて気がついたのですが、エルサレムのマクドナルドは看板が青なんですね。
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さいごに
今回は「エルサレムの旧市街とその城壁群」を選びましたが、2024年8月現在、実際に行くことは無理でしょう。
イスラエルのガザ地区への攻撃や世界的にも緊張が高まっているため、正直いつになったら行けるようになるのかは不明です。
ただ筆者は現地に行った経験から本当にイスラエルの人も、パレスチナの人も、良い人が多いことを知っています。
宿泊ホテルをチェックアウトして、歩いてバス停に向かっていると、スタッフが揚げたてのファラフェルを走って持ってきてくれたこともありました。
筆者がファラフェルをとても気に入って食べていたことを覚えてくれてたんです。
お金を払うと言ったんですが、「君が美味しそうに食べてくれてたからサービスだよ」と言ってお金は受け取ってくれませんでした。
他にも道を尋ねた時の人、市場の人たち、バスの運転手も本当に親切でした。
こんな人たちが現在、苦しんでいる状況がとても悲しく、早く平和が来ることを祈って最初に記事にしました。
自由に行ける日が来たらぜひ訪れてみてください。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。
次回【世界遺産探訪】予定は大韓民国「昌徳宮」「宗廟」です。