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日本は「東京とそれ以外の地域」でできている①

今から14年前の2006年12月、
北海道・十勝にUターンした際に一番強く感じたのが、今日のタイトル!

Uターン翌年、地元で会社を経営する同級生にこう言われたんです。
「北村、これからはうちの会社でも女性を活用しようと思っているんだ!」

え?ちょちょ、今なんつった~?
女性を…?
しかも…活用?
なんじゃそら…

ホワイトボードを使い、力説する彼の姿を見て、私の意識は遠のきましたw
今でもこの出来事は私の中で衝撃として残っています。

これがUターンした翌年2007年のこと。

わたしは1988年バブル入社組として就職し、
メーカー→人材派遣のマネジメント→マーケティング会社と転職をして、
29歳でITネットマーケティング専門の会社を立ち上げ、
37歳でUターンして北海道で新しいEC事業をスタート。
40歳で食と地域のマーケティングを専門に行う2つ目の会社を作り、
東京と北海道の2拠点で仕事をスタートしていました。
一生懸命頑張っていた私にとっては、あまりに衝撃的な言葉だったのです。

「いまさら何を言ってるの?大丈夫か、この会社?20年遅れている」と真剣に思ったのですが、実際には…これが地方の実態だったのです。

2008年、N数が少ないので参考値ですが、仲間と一緒に立ち上げた「十勝キャリアデザインネットワーク」で実施した調査では十勝帯広の女性管理職率は8.8%。
全国水準よりも低かったのですが、その後仲間30人と一緒にロールモデルを見出すキャリアデザインコンテストや、ビジネスプラン講座、カフェ創業塾などを経て、今は小学生向けのキャリア講座を実施するなど様々な施策をしてきた結果、10年で帯広市の女性管理職比率は22.8%となり、女性が見事に活躍する地域となりました。

しかし、これは決して東京と一緒というわけではなく、
この地域ならではの生き方、やり方を実行したから積みあがった数字でした。

そう、私はUターンして気づいたのです。
東京と同じやり方ではこうならなかった
だろうということに。

選択と集中が進んだ東京では、理想的な姿やあるべき姿という「型」が重視される傾向が強くあります。成功モデルが定義されていると言い換えるとわかりやすいかもしれません。またクラスターのすみわけもはっきりしていることから、東京でキャリアデザインなどという名前でグループを作ると、同じようなタイプの女性が集まるわけです。

でも、北海道十勝では多様性に富んでいます。カフェ経営者、農家、自治体職員、起業家、NPO職員、パソコン教室の先生、エスティシャン、創業準備中、ゼネコン役員、農協職員などなど。実にバリエーション豊かで、仲間を持ちたい方、地域に課題を感じている女性が集まる学びの場となりました。
決してビジョンを押付けるのではなく、仲間の想いや考えに寄り添い、個別の課題を抽出し、ゆるやかでしなやかに無理なくできることをやったことが結果に結びついたのです。(なんと!内閣府から男女共同参画の賞も!)今、この仲間たちはみな、あらゆる分野で活躍し、地域をけん引しています(この話もいずれまとめて書きたいと思います)

事例を挙げるなら、TVという大容量のマスメディアは、いつも視点が東京からばかりであると思いませんか?今のTV業界の危機をみていると、東京中心で物事を進めすぎた結果、画一化されていった例のように思うのです。つまり東京はもはや日本を代表するリーディングエリアではなくなったのではないか?ということです。

ビジネスにおいても同様で、選択と集中が進んだ結果、東京では目標や目的が画一化され、リアルな人の心や生活の背景が見えにくくなったように感じます。

そんな折、度重なる災害や今回のコロナで、従来モデルに不安や不満を感じる人や疑問を感じる人、多様性に魅力を感じる人や新しい社会へいち早くシフトしている人から、新しい生活様式(コロナに限らず)への発露が生まれてきているのが今なのでは?


現在の日本は「東京とそれ以外の地域」に分断されてしまっているように感じます…。でも次の波は確実に来ています。同時に私にとって最も謎なのは東京だけに存在する「景気」という気分です。
とりあえず長くなってしまったので、つづきは次のnoteで♪

追伸…あの衝撃発言をした同級生とは今でも仲良くしています。


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