ほんまの短編『薬物屋』

様々な見たことのない薬が並ぶ静かな薄暗い店内。

客「すいません、あの…、めちゃくちゃハイになれる薬があるって噂で聞きまして…」

店主「ええ」

客「めちゃくちゃハイになりたくって、それってありますか?」

店主「あれですかね、身体全身がずっと宙に浮いているような感覚になり、目がバキバキになって、お婆さんを見ると川へ洗濯しにいくように見えて、お爺さんを見ると山へ芝刈りをしにいくように見え、桃を見ると中に人が入っているんじゃないかと思ってしまう、あの薬ですかね…」

客「あ、や…、あ、それかなあ、それか…、とんでもない薬ですね。それがいい、それがいいな、それいくらですか」

店主「2円です」

客「に、2円!?」

店主「いまハイになりましたでしょ」

客「ああ…、ぐわぁぁぁぁぁ…」

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