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川谷絵音 提供の「トレンディガール」が、ちゅうおんのベストパフォーマンスだと思った件

1.そもそも原曲は

 特に、エビ中ファンじゃなかった人のエビ中の曲のイメージってどういうイメージでしょうか?Mステで初披露した「金八DANCE MUSIC」のような飛び道具的な曲、「仮契約のシンデレラ」のような2010年代的なアイドルソング(2020 年にはTiKToKでも話題になりました)、「ハイタテキ!」の様な可愛らしさのあるMVが印象的な曲、「まっすぐ」、「スーパーヒーロー」のようなスタンダードな印象のある楽曲…。

 「トレンディガール」は、イントロのフレーズのリズムのゾクゾク感が引き込んでくれて、安本彩花の歌入からAメロ、Bメロではメンバーの歌唱も際立たせつつも、演奏陣のプレイがそれまでのエビ中に(特にシングルには)あまりなかったような複雑なフレーズが、聴きごたえあり、それを歌いこなすエビ中も流石だなぁと。

 サビ前のタメから、複雑ながら耳に残るボーカルメロや演奏が良い。サビ後の柏倉隆史によるドラムの見せ場が最高です。2番は1番と違うメロになるのもすごい。川谷あんなにたくさん曲作ってるのに、手を抜いてないな笑

 1番の違う展開のままにサビ前のギターフレーズがさりげなく盛り上げてくれて、2番のサビを迎え、そこから音数が減り、鍵盤が印象的なフレーズからのメンバーが歌い出し、からのラストサビへの流れがめちゃくちゃ良いです。(聴いて!)

 演奏陣の演奏自体、引きつける技術が高いし、めちゃくちゃ複雑、でもそれが目立ちすぎずにしっかり裏方に徹していて、それはメンバーのスキルが高いから、その技量が際立っていて、それもすごい。

 エビ中にこういうイメージがなかった人は、この曲が収録されたアルバム『playlist』(ビッケブランカ、ポルカドットスティングレイ、マカロニえんぴつ、石崎ひゅーい、iri、PABLO、ポセイドン・石川らも楽曲提供)や、「踊るロクデナシ」(Mega Shinnosukeが人生5曲目に作った曲)、あたりも聴いてほしいな。


 「トレンディガール」は2019年6月にリリースされたシングルの表題曲であり、エビ中の出演ドラマの主題歌でもありました。作詞作曲編曲はドラマにも出演していた川谷絵音です。

 自身のバンドのみでなく、プロデュースも含めて膨大な楽曲を手がけていることで知られる川谷。最近では、MISIAと関ジャニ∞、郷ひろみ、原田知世ら大物への提供も続いています。

 原曲の音源には、キーボード・ちゃんMARIがストリングスアレンジとキーボードを担当、休日課長がベースとゲスの極み乙女。のメンツも名を連ね、景山奏がギター、柏倉隆史がドラムを担当、ストリングス隊(1st Violin:牛山玲名 2nd Violin:田島華乃 Viola:舘泉礼一 Cello:関口将史)も演奏し、ProgrammingはPARKGOLFが担当しています。

 

2.ちゅうおん2021アレンジ

 2021年9月に開催された私立恵比寿中学の『エビ中 秋声と螻蛄と音楽の輝き 題して「ちゅうおん」2021』のライブ音源が12月22日にリリースされました。

 エビ中楽曲は普段と異なるアレンジを楽しめたし、あまり原曲と変わらないものも、ミュージシャンの演奏、メンバーの歌唱スキルの向上、新メンバーの加入など変化を楽しめ、さらに、メンバーが1人ずつ披露したソロカバーメドレーもあり、大満足の内容でした。

 その中で、私がエビ中曲でベストに好きだと思ったのが、先程原曲の音源を説明していた「トレンディガール」でした。

 原曲のトラックがめちゃくちゃ好みです。だから、もしバンドで演奏だとどうなるんだろう?味が変わっちゃんじゃないかなぁ。なんて思っていましたけど、「トレンディガール」がリリースされて以降、2年以上バンドセットでこの曲が披露されることはなかった。が、とうとうその時が訪れました。

 実は、ちゅうおんは昼公演しか行っていないので、夜公演のみで披露された「トレンディガール」は生で観れていません涙 でもフジテレビtwoで視聴し、そしてライブCDで聴きまくってます。

 イントロのフレーズは、橋本しんさんのキーボードでは、原曲と若干違う音になっていて、原曲のゾクゾク感により違和感が出て良い。そうした違いがありつつも、大まかには原曲を再現している演奏も良い。

 1番Bメロの柏木ひなたと他メンバーの掛け合いは、ひなたの安定感と他メンバーがささやくような感じが良いです。

 原曲で柏倉隆史のドラムがいい味を出しているのに対して、ちゅうおんでの原治武のドラムもまた良い。1サビ後のドラムの見せ場はぜひ聴き比べてほしい。表現が正しいのか分からないけど、柏倉と比較して、湿度が高い印象。

 ちゅうおんの他の曲ではかっこよくかましている田口慎二のギターも、この曲ではあまり目立たないギタープレイ。でも、複雑なフレーズを弾いていて、これもまたいいので、耳を傾けて。

 ベースは休日課長の原曲も良いですが、島本道太郎のベースも良い。フレーズにあまり大きな違いはありませんが、2サビ後を特に聴き比べて。

 全体的に橋本しんのキーボードの音色が印象的なアレンジになっており、終始この曲の持ち味である絶妙な違和感を演出してくれてるように思います。

 メンバーの歌唱は、元々クールな印象の原曲に対して、ライブならではの熱量も加わっていて、こちらも聴きごたえ十分です!


(以下独り言 笑)

 ちゅうおんのライブCD、カバーは無理だろうし、全曲じゃなくていいから、エビ中の一部曲だけでもサブスク解禁してくれないかなぁ…。

 

 「トレンディガール」って、いわゆる分かりやすい曲じゃないから、エビ中のファンが外にアピールする曲としてはふさわしくないと考える傾向にありがちなんだけど、この曲に気づいた音楽ファンが拡散したくなる曲ではあるんだけどなぁ(とあるコラムで近田春夫が、楽曲そのものとエビ中のスキルを褒めていた)。

 エビ中ファン以外の人がSNSで名前を出したり、ラジオでたまたま聴いて気になったりの様子も見かけたり…。

 


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