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『ブラッシュアップライフ』から聴くJ-POP

す バカリズム脚本、安藤サクラ主演のドラマ『ブラッシュアップライフ』。ドラマは掛け合いはもちろんのこと、終盤の展開、怒涛の伏線回収や考察も話題となっています。

https://youtu.be/RG8KyicMbjs

 トラックにひかれ亡くなってしまい、来世も人間に生まれ変わるため、今世を何度も繰り返す安藤演じる近藤麻美。彼女や地元の仲間たちが、その時代の音楽を聴いたり、歌ったり、流れてくる場面も印象的に出てきます。麻美と同じ1989年生まれの自分としては、その1曲1曲が時代を彩ってきたなと感じます。各話で流れたJ-POPを取り上げていきます。(太文字がその回のエンディングテーマ。)

# 1  2週目の人生スタート

 第1話では、仲良しの3人、麻美、なっち・門倉夏希(夏帆)、みーぽん・米川美穂(木南晴夏)がカラオケへ行くシーンが出てきます。
 カラオケで流れている曲は、Tani Yuuki「W/X/Y」で、2022年にTHE FIRST TAKEでも披露され、話題となっている楽曲です。
 歌い始めると最近の曲として、劇場版『鬼滅の刃』無限列車編 主題歌であったLiSA「」を選曲。
 その後は懐かしい曲合戦となり、こちらも最近になりTHE FIRST TAKEでも話題となったnobodyknows+「ココロオドル」、ZONE「secret base ~君がくれたもの~」(井上真央が主演していたドラマ『キッズ・ウォー3~ざけんなよ~』の主題歌でしたが、後にアニメ『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』でも話題となりました。)を歌います。さらには、国武万里「ポケベルが鳴らなくて(同名の不倫ドラマの主題歌。この曲は第1話のキー曲となります。)も歌われます。
 ドラマ好きの3人なので、ドラマ主題歌の話をする場面も多く、クリスタル・ケイ「恋におちたら」は同名の草彅君のドラマとして歌っていたり、斉藤和義「やさしくなりたい」は『家政婦のミタ』の主題歌として出てきます。


# 2  あの人の未来を変える

 2週目の小学生時代では広末涼子「MajiでKoiする5秒前」が流れてくるシーンがあります。竹内まりやが提供した曲であり、ポケベルのCMソングでした。高校時代になると漫画原作の実写映画『NANA』の主題歌、中島美嘉「GLAMOROUS SKY」を麻美が聴いています。社会人となり、美穂が自動車免許を取ると3人で遠くへ出かけるようになり、車内でPerfume「ポリリズム」を歌うシーンもあります。

 成人式後に同級生でカラオケに行くシーンでは、福ちゃん・福田俊介(染谷翔太)が、ORANGE RANGE「イケナイ太陽」(『花ざかりの君たちへ〜イケメン♂パラダイス〜』の主題歌)や、槇原敬之「僕が一番欲しかったもの」(『ラストプレゼント娘と生きる最後の夏』主題歌)を歌い、1週目の麻美が中学時代に憧れていた加藤(宮下雄也)がレミオロメン「粉雪」(ドラマ『1リットルの涙』挿入歌)を歌うシーンもありました。(成人式のシーンはその後も何度か登場します。)

 2週目の就職した時期、麻美は秦基博「ひまわりの約束」(アニメ映画『STAND BY ME ドラえもん』主題歌)を聴いています。)


# 3 1週目で死んだ日

 妹の遥(志田未来)の運転でおじいちゃんの家に行くときに、欅坂46「サイレントマジョリティ」を聴いています。

 1週目で死んだ日の2週目でのカラオケの場面では、カラオケ店BGMとしてMrs.GREEN APPLE「ダンスホール」が流れます。この時、とある事情で同級生の森山玲奈(黒木華)を呼び出しますが、その際に歌おうと準備している曲が中島みゆき「ファイト(多くのCMソングに起用されています)です。実際には玲奈がマキシマム ザ ホルモン「恋のメガラバ」を歌いました。

 

# 4 そういう運命

 3週目となった麻美の人生、高校時代にi-pod miniで一青窈「ハナミズキ」(『火曜サスペンス劇場』の主題歌でしたが、後にこの曲を基に同名映画も制作されました。)を聴いています。大学時代には、1週目の元カレ田邊勝(松坂桃李)と再び交際します。田邊はよくGReeeeN「キセキ」(ドラマ『ROOKIES』主題歌)を歌っていました。この頃のカラオケの定番曲というと青山テルマ feat. SoulJa「そばにいるね」(NTT docomoテーマソング)でした。田邊が絢香×コブクロ「WINDING ROAD」をハモるシーンもあります。

 3週目の麻美は日本テレビに入社します。そのため、出社時に聴いている曲には、日本テレビのドラマ『家政婦のミタ』の主題歌だった斉藤和義「やさしくなりたいが再登場しました。テレビ局に入社した麻美。実在の過去のドラマも登場し、そのドラマのキャストも本人役で登場しました。


# 5 徳を積み直す

 一人暮らしを始めた麻美の部屋になっち、みーぽんの2人が遊びの時に流していたのがDef Tech「My Way」が流れました。福ちゃんの働くカラオケに麻美が来た時には、米津玄師が提供したFoorin「パプリカ」が流れていました。エンディングには再び登場、マキシマム ザ ホルモン「恋のメガラバが流れました。


# 6 救世主

 ドラマのプロデューサーとして、自身の企画したドラマを準備していた麻美。臼田あさ美(臼田あさ美)主演によるドラマ『ブラッシュアップライフ』が撮影されました。

 その後、4週目の人生やり直しとなった麻美。アニメ『美少女戦士セーラームーン』の主題歌DALI「ムーンライト伝説」が流れます。また夕方の5時のチャイムとして、「夕焼け小焼け」も流れました。


#7 変わりゆく日常

 なっち、みーぽんと仲良くなれなかった一方で、まりりん・真里(水川あさみ)と仲良くなった麻美。初めて成人式カラオケへ行った真里と一緒に成人式カラオケへ行きました。今回は遊助「ひまわり」がBGMとして流れています。ごんちゃん・丸山美佐(野呂佳代)はAI「Story」(後に様々な作品の主題歌となる)を歌っています。また、研究医をめざしている麻美は大学院時代にRADWIMPS「スパークル」(アニメ映画『君の名は。』で使用された楽曲)やKing Gnu「白日」(ドラマ『イノセンス 冤罪弁護士』主題歌)を聴いています。

 急展開となったエンディングでは再び登場のZONE「secret base ~君がくれたもの~が流れました。


#8 ずっと一緒

 まりりんから、元々は4人グループだったことが明かされる第8話。まりりんの1週目にてSPEED「White Love」を4人で歌う場面が印象的です。

 まりりんが参加していた彼女の1週目の成人式のカラオケでは、AKB48「言い訳Maybe」(そういえばごんちゃんを演じていた野呂佳代は元メンバーでしたね。)が流れています。音楽活動を始めた福ちゃんは路上でコブクロ「ここにしか咲かない花」(ドラマ『瑠璃の島』主題歌)を歌っていました。修羅場となったカラオケシーンで歌おうとしていた曲として、ウルフルズ「笑えれば(ドラマ『ギンザの恋』主題歌)が流れています。


# 9 最後の人生

 5週目・最後の人生となった第9話。恒例、カラオケシーンのBGMにはヒルクライム「春夏秋冬」が流れていました。まりりんの1週目以降揃うことのなかった4人が並ぶ場面もあり、その中でkiroro「Best Friend(朝ドラ「ちゅらさん」主題歌)が流れるシーンが良きです。


# 10 帰る場所

 運命のフライトを、まさかの展開で解決し、40歳になった麻美たちが成人式以来20年ぶりにカラオケで集まるシーン。カラオケBGMではDREAMS COME TRUE「何度でも」(ドラマ『救命病棟24時(Season3)』)が流れ、同級生メンバーでPUFFY「これが私の生きる道」、CHAGE and ASKA「YAH YAH YAH」(ドラマ『振り返れば奴がいる』主題歌)他を歌います。翌朝、紆余曲折を経て仲良し4人組に戻って帰るシーンで流れるのがMy Little Lover「Hello, Again 〜昔からある場所〜(ドラマ『終らない夏』主題歌)でした。


 小学生からドラマ好きの仲間達の人生ゆえ、ドラマ主題歌であった曲も多く登場しますね。登場する楽曲たちは、ただただ当時の流行りの音楽なだけでなく、ドラマのストーリーとのリンクも感じられる楽曲を使っている様に思われます。

 ドラマ自体も、脚本がバカリズムらしい軽妙なやりとりだけでなく、展開の抑揚が秀逸です。安藤サクラさんは、近所にいそうな麻美を演じつつも、流石の演技力で釘付けにさせる場面もあり、見応えも抜群です。

 なお、このドラマの音楽を担当するのは、”現代版ジャズ・ロック”をコンセプトとするfox capture planです。ピアノトリオの彼らの奏でるサントラにも耳を傾けてみてください。

#ブラシュアップライフ #バカリズム #安藤サクラ #JPOP

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