関ジャム「私立恵比寿中学特集」を勝手に考えてみる
2020年から、関ジャムで時々名前が出る私立恵比寿中学、通称エビ中。まだ、関ジャムがゲストを呼ぶ形式だった頃にゲスト出演（2015.7.5）ことはあるのですが、今のような音楽分析番組になった関ジャムにおいて、エビ中が名前が出るのには、メンバーのパフォーマンス力の成長と共に、音楽面で様々な音楽と関わり、魅力的な作品をつくりあげてきたた結果だと思います。
エビ中の特集をした場合、分析的な側面やエビ中のみならない多彩な音楽を紹介できるという点からも、エビ中は面白いのではないかと自分は思います。というわけで勝手に特集を妄想してみました。
（ちなみにゲスト解説は、岡崎体育、吉澤嘉代子、川谷絵音、石崎ひゅーい、Jazzin'parkあたり《最近のキーになる曲を提供している人を中心に》を希望します。）
1.私立恵比寿中学とは
「永遠に中学生」をコンセプトに、2009年に開校したアイドルグループ。2021年5月に新メンバーが加入し、現在は9人組グループで活動する。
1.1真山りか
・メンバーで唯一のソロメンバーで最年長。
・メンバーで唯一ソロシングルをリリース。
・近年では、大人の女性な歌唱になり、グッと引きつけてグループを引っ張る歌唱。
・ソロライブではアコースティックでカバーも披露する。
1.2安本彩花
・楽曲を自作し、ソロ曲やBGM等を手掛けている。
・関ジャム 令和のアイドル界 スゴいボーカリスト 10人（2020.11.1）に選出。
・パーフェクトピッチに、最近は感情の出し方も持ち味。
1.3星名美怜
・キャピキャピした王道のアイドルらしい歌唱。
・インスタメディアでモデルとして活動。
1.4柏木ひなた
・関ジャム 令和のアイドル界 スゴいボーカリスト 10人（2020.11.1）に選出。
・エモと技巧を併せ持つ超絶テクニシャン。
・ソロライブでは、2021年バンドセットで東名阪ツアーを行った。
・ダンス部長として、楽曲の振付も行う。
1.5小林歌穂
・癒される優しい柔らかなオリジナリティを持った歌唱。
・ドラマ主演も務め、絵を描くのが好きで個展も開いた。
・2014年加入のメンバー。
1.6中山莉子
・誰もマネできない、セオリーを越えたアイドルらしからぬ野性的歌唱パフォーマンス。
・2014年加入で、新メンバー加入まではメンバー最年少だった。
1.7そして新メンバー
・2021年5月に加入した、桜木心菜、小久保柚乃、風見和香の三人。
2.ココが面白い、エビ中の楽曲提供・コラボ
名曲セルフカバー特集’（2020.11.8）では、石崎ひゅーいが、クリープハイプ尾崎世界観のエビ中提供曲「蛍の光」をあげ、川谷絵音を徹底解剖した回（2021.3.14）では、エビ中への楽曲提供の縁で出演したエビ中主催フェスでの、椅子の音を楽曲に使ったという話が出た。（ジェニーハイの「ヘチマラップ」）
石崎ひゅーい提供「ジャンプ」
川谷絵音提供「トレンディガール」（他に「あなたのダンスで騒がしい」も）
楽曲提供者が名前をあげるエビ中。
2.1関ジャムウォッチャーからも馴染みある提供者
ヒャダイン、杉山勝彦、石崎ひゅーい、川谷絵音、いしわたり淳治、関口シンゴ、西寺郷太、吉澤嘉代子、岡崎体育、レキシ、四星球、宮藤官九郎ら
・関ジャニ∞とも共通の楽曲提供者
ヒャダイン、いしわたり淳治、岡崎体育、レキシ、宮藤官九郎、A.F.R.O、井上ジョー、菅野よう子、磯崎健史ら
2.2こちらの楽曲提供ミュージシャンの共通点は？
吉澤嘉代子「面皰」（初めての提供が2016年）、Mrs. GREEN APPLE「シンガロン・シンガソン」（2017年）、川谷絵音（2019年）、ビッケブランカ「ちがうの」（2019年）、iri「I'll be here」（2019年）
↓
関ジャム、年間ベスト10企画で選出されたミュージシャン。
吉澤嘉代子「残ってる」（2017年）、Mrs. GREEN APPLE「鯨の唄」（2016年）「青と夏」（2018年）、川谷絵音→DADARAY「少しでいいから殴らせて」（2017年）、indigo la End「ほころびごっこ」（2018年）、ビッケブランカ「まっしろ」（2018年）、iri「東へ西へ」（2019年）
その時々のトレンドをしっかり押さえている点も魅力。
2.3メンバーより年下のミュージシャンも起用
令和世代の注目アーティスト特集（2021.1.24）で取り上げたラップシンガーのさなり。
提供曲「結ばれた想い」制作当時さなりは16歳で、新メンバー加入前の当時のエビ中の最年少は18歳。
菅田将暉への楽曲提供「星を仰ぐ」でも知られるMega Shinnosuke。エビ中へ「踊るロクデナシ」提供したとき、Megaは18歳でエビ中の最年少と同い年で、5曲目の制作楽曲であった。
2.4まだまだいる!! エビ中と楽曲提供やコラボで関わった多彩なミュージシャンたち
・「Another Day」を提供したPOLYSICS
全員ツナギにバイザーの衣装で、テクノポップ等の様々なサウンドがあるロックサウンドが特徴。
・「ちちんぷい」を提供した魔法少女になり隊
ゲームを思わせる設定やサウンドで「RPGバンド」と名乗っていた時期もあるラウドロックバンド。
・「買い物しようと町田へ」のブラスアレンジを担当した鬼頭哲や演奏参加するメンバーの所属する渋さ知らズ
ジャズバンドにカテゴライズされがちだが、前衛音楽、チンドン、ロック、ダンスミュージック等様々な背景を持つバンド。
・ボーカルの尾形回帰とは、TV番組で共演もしている、ハイテンションなロックバンドHERE（エビ中には「春休みモラトリアム中学生」ほか全2曲提供）
ギターは9mm Parabellum Bulletのライブに、サポートで参加している。
・「マブいラガタイフーン(Interlude)」を提供したCASIOトルコ温泉
「ふざけの権化」と名乗るラップ・民謡・テクノ等をローファイ仕立てにごちゃ混ぜにした音楽。
・「さよならばいばいまたあした」を提供したYogee New Waves
ネオシティポップと称される、演奏がオシャレなサウンドのバンド。
・「春の嵐」を提供し、ハイスイノナサ、siraphに所属、2020年9月に解散したアイドルグループsora tob sakanaもプロデュースしていた照井順政。マスロックをアイドルに持ち込んだ。
「広告の街」他sora tob sakanaは、照井順政とともに最新アイドル勢力図まとめ（2020.4.26）でも紹介。
・「HOT UP!!!」を提供したTOTALFAT
日本を代表するメロコアといわれるバンド。「PARTY PARTY」などの楽曲で知られる。
・「熟女になっても feat. SUSHIBOYS」にRap詞を提供し、参加したSUSHIBOYS
「軽自動車」や「ママチャリ」など、馴染みのあるモノを題材にしたタイトルの曲も多く作るラップグループ。
・「明日もきっと70点 feat.東雲めぐ」にて参加したVtuber東雲めぐ
バーチャルアイドルとして活動し、作詞作曲振付を行った「ぐみのうた」がある。
・「U.S.A.」の山下達郎風カバーが話題となったシティポップ芸人ポセイドン・石川の提供した「シングルTONEでお願い」（動画はセルフカバーver.）
山下達郎のみでなく、ジャズやシティポップの影響を多分に受けつつも、「シャチに目をつけられて」のような時にユーモアセンスあふれる歌詞も独特。
（こうした、様々なジャンルから提供を受けつつ、それらの楽曲を乗りこなすエビ中の歌唱・パフォーマンススキルについて解説者に分析してもらいたいとこ。
また、多くの楽曲では、作詞作曲した人に編曲や演奏まで担当してもらったり、元々自分の曲でも編曲は別の人が手掛けているミュージシャンの場合は、その人の常連編曲者に依頼して、提供ミュージシャンの音楽の方向性である点にも触れてほしい。）
3.名盤ぞろい!? エビ中のフルアルバム
アルバムで聴いてほしいJ-POPの名盤の回（2020.10.11）では、『playlist』が取り上げられた。これまで、6枚のフルアルバムをリリースしたエビ中は、様々なジャンルの作家が、一つのアルバムを作り上げる、シンガーソングライターやバンドのアルバムとは別の面白さが味わえるのが魅力の一つ。
3.1『中人』（2013年）
初のフルアルバムリリースで、ヒャダイン、たむらぱん、レキシらの提供曲も含め、メジャー以降のシングルやそのカップリングが多く収録されつつも、本格ダンスチューンやYMO「体操」のカバーなど、この当時の「これまでのアイドル」とは違うアプローチを目指したアルバム。「中人DANCE MUSIC」は石井竜也の作曲。アルバムやグループのコンセプトを強調するような茶番トラックや、漢字2文字のタイトルは3rdアルバム『穴空』まで続く。
3.2『金八』（2015年）
リードトラック「金八DANCE MUSIC」がMステで披露され、話題となった。DJみそしるとMCごはん、魔法少女になり隊、BiSHの制作等で知られる松隈ケンタら、鈴木慶一と曽我部恵一、元JUDY AND MARYのTAKUYA、クリープハイプの尾崎世界観らが参加している。金八とはこの時のメンバー黄金の8人であるということからつけられたタイトル。
3.3『穴空』（2016年）
「アナーキー」と読ませる。音楽的に豊かさを高めた作品は、アイドルとしては反主流的。このアルバムまではメンバーの茶番の入ったS.E.のトラックが収録されている。ユニコーンのABEDON、HERE、吉澤嘉代子、CASIOトルコ温泉、ORANGERANGEのRYO、首藤義勝（KEYTALK）、菅野よう子、フジファブリックらが初起用。
3.4『エビクラシー』（2017年）
「大正デモクラシー」と引っ掛かったタイトル。大正をコンセプトに、ジャケット・衣装やサウンドの一部にその要素が取り入れられた作品。制作中に、メンバーの松野莉奈が急逝したことにより、楽曲をオーダーし直し完成させた。想いのこもった常連作家の楽曲の一方で、Yogee New Waves、四星球、照井順政ら初提供の作家も名を連ねる。唯一の先行シングルのないアルバム。
3.5『MUSiC』（2019年）
”音楽”で、楽曲で勝負するという気持ちを感じるタイトル。エビ中10周年を記念したアルバムで、岡崎体育、吉澤嘉代子、たむらぱん、ももいろクローバーZ、宮藤官九郎ら、エビ中とゆかりある作家の提供やコラボと、東雲めぐ、Mega Shinnnosuke、Mrs.GREEN APPLE、ニューロティカら、初提供の作家や意外なコラボも並んだ、これまでとこれからのエビ中がみえたアルバム。
3.6『playlist』（2019年）
エビ中結成10周年2作目のアルバム。今は音楽を、CDでもダウンロードでもなく、サブスクで聴く時代であることから、「プレイリスト」というコンセプトが生まれた。全作が初提供作家の楽曲で、ビッケブランカ、ポルカドットスティングレイ、マカロニえんぴつ、石崎ひゅーい、iri、川谷絵音ら、最新のトレンドを押さえた起用で、アイドルファンでない人にも聴きやすいアルバム。
4.エビ中のライブ
椎名林檎トリビュートアルバム『アダムとイヴの林檎』に参加した際、「自由へ道連れ」をカバーし、ライブでも披露し、動画配信サイトでも公開された。
スキルの高さや歌唱へのひたむきさがありつつも、アイドルらしい可愛らしさも前面に出ている。その良さが出た動画は、エビ中のファン以外からも話題になった。エビ中のパフォーマンスが観れる様々なライブをここでは紹介。
4.1ツアー
例年、春や秋に、ホールやライブハウスで全国的に周り、ツアーの前後や最中にリリースされたアルバムやシングルを引っ提げたツアーになることが多い。
4.2MUSiCフェス
主催フェスであり、楽曲提供やコラボレーションするなど、ゆかりある様々なジャンルのミュージシャンが呼ばれたフェス。2019年に開催された。
川谷絵音回（2021.3.14）で、ジェニーハイ「ヘチマラップ」に音を使った椅子の件で話していたフェス。ゲスの極み乙女。の他、吉澤嘉代子、岡崎体育、フジファブリック、ももいろクローバーZも出演した。
4.3ファミえん
主に8月に開催される夏の恒例行事であり、水を使った演出や、夏うた、盛り上がるタイプの楽曲の多いライブ。また、毎年このライブに向けた新曲がリリースされている。
4.4ちゅうおん
9月に埼玉・秩父で開催される、生バンド、振付、コール、ペンライト禁止、着席のライブ。純粋に歌を聴かせるライブであり、毎年グループやメンバーソロで、カバー曲も披露される。
4.5秋田分校
「あきた美の国ガールズ」を務める私立恵比寿中学が、秋田の地元団体、高校部活、タレント等とともに開催するライブイベント。
4.6大学芸会
基本的には年末（年始の年も）に開催。クリスマスに近い時期に開催されることもあり、クリスマスをテーマに開催されることも多い。2019年と2020年は、全曲バンドセットで開催された。
5.エビ中の攻めすぎた楽曲
・パクチー
カッコいいダンスチューンながら歌詞がユニーク。
・半世紀優等生
KenKenの作曲、楽器未経験のメンバーも多いなか、メンバーの5人がギター、3人がドラムを担当。
・ポンパラペコルナパピヨッタ
菅野よう子の作曲で、合唱的な歌唱に、演奏陣が豪華で、ハードなバンドサウンドが魅力。
・四味一体
レゲエアーティストRYO the SKYWALER「シケラナイ。」、タブラ奏者U-zhaan「ガラパゴス・ビスケット」、banvox「The Colorful World ?一つあたりたった30円くらいのお菓子でこんなに仲良くなれるならもっと早くあげればよかった?」、HIFANA、ベンチャーズ「小腹にデンデケ。」とそれぞれコラボした作品を四曲同時再生した曲。
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