【はじめてのJ1】2025 J1 第1節 ファジアーノ岡山×京都サンガ
はじめに
初のJ1挑戦となる2025シーズン。あけましておめでとうございます。
J1昇格のブームに乗らねばということで、今年はなるべくレビューを書いていきたい気持ちはあります。
レビューを書くことで自分の中で試合について整理できるし、何より今年は楽しいことをたくさんやりたいということで。何卒よろしくです。
そんなこんなで初のJ1での試合はホームに京都サンガを迎えての一戦。何事にも“初“が付いて回る感じも良いですね。スタメンは以下。
今季の補強の目玉となった江坂がシャドーの一角に。また、昨季は途中出場の多かったルカオをスタートから起用。
木山監督4年目ということでこれまでと同じシステムの3−4−3。末吉、岩渕がメンバー外というところが理由はわかりませんが驚き。
一方の京都について、昨季の試合を追えていませんが加入後チームの得点源となっていたエリアス、マルコトゥーリオ、原の強そうな3人が前線に。
こちらも継続路線という感じでしょうか。
緊張の立ち上がり、歓喜からの緩和
立ち上がりの岡山が手を焼いたのが2列目の中盤の選手が裏へ抜ける京都の攻撃。
ハーフウェイライン付近での攻撃時、京都のSBは低い位置で大外に開いた立ち位置からスタート。ここで岡山のWBを前に出させることでCBとWBの縦の距離感が広がったスペースへ平戸、ペドロが抜け出す形。
6分にはCKのセカンドボールからサイドのワンツーでペナルティエリア内に侵入。クロスに原が合わせ決定機も、立田のブロックはハンド無しの判定。
その後も岡山はCKに全員が戻って対応するため、セカンドボールを拾われ続け我慢の時間が続く。
11分にはビルドアップの時間を作りかけたがミスからボールを失い、速い攻撃で原のクロスからエリアスへと決定機を作られる。
15分を過ぎた頃から少しずつ岡山もセカンドボールを拾えるようになると、田部井がボールを受けて全体を押し上げる時間を作れるようになる。
江坂がペドロの脇や左サイドの大外でボールを受けると、木村やルカオが迷わず走る形を出し始め、13分に岡山もファーストシュートの形を作ることに成功。
立ち上がり京都の波状攻撃を抑え、23分に得た1本目のCKから岡山が先制。
このシーンを見返すと、マークのつき方で田上が主審に対してアピールをしており、マークに付いていたウィリアムと主審が何かやりとりをしているように見える。そのタイミングで加藤が助走をとり、ボールを見ていなかったウィリアムの反応が遅れ田上がフリーに。
昨季からCKで田上をフリーにするための中の動きは幾つか見られていたこともあり、岡山としてはセットプレーで一つというのは狙いだったかもしれない。
36分の追加点はボールロストの直後、近くの選手がフタをして下げさせ、周りの選手が連動してプレスをかけ、意図的に蹴らせる形を作ることに成功。
セカンドボールを藤田が拾い、その後はワンタッチプレーの連続からゴールを奪う。
防戦一方の立ち上がり15分から一転、岡山がリードを広げる展開を作ることに成功。
2点リードの展開がピッチの選手たちを落ち着かせたか、立ち上がりのように京都がボールを持っていても中央は固く、『持たせる』ブロックを作る。
シビレを切らした京都がアバウトなボールを入れたり、ミドルシュートを狙ったりするがクリーンな形での侵入は許さず前半を2点リードで折り返す。
自信を得るための継続
後半開始からペドロ→福岡、佐藤→須貝の2枚替えの京都。
対する岡山は前からのプレスの掛け方を整理した状態で後半戦へ。
前プレのタイミングに迷っていたWBが高い位置からSBを捕まえに行き、連動してCBも前に出ていく形。
2列目から飛び出す選手に対してはボランチが付いていくことでそれぞれのマーカーをハッキリとさせることができた。
書くとシンプルだが、ボランチの運動量と中央にスペースを空けてしまうリスクもある。
しかし、昨季岡山の堅守を支えたやり方をもう一度徹底するという点で、全員の目線が揃った戦いができるようになった。
この結果、木山監督が積み上げてきた『相手コートでプレーを続ける』形を作り、蹴らせたボールを回収という形に持ち込めるようになった。
50分には今季のルカオの鉄板芸になりそうな、スローインからDFをぶっちぎっての速いクロスに木村が合わせるなど、岡山が前へ勢いを出しながらゴール前に迫る形を作る。
60分にも交代カードを2枚切らせたことは、後半開始からの京都の変更を岡山の対応が上回ったと言っても大げさではないだろう。
その後の岡山は運動量を見ながらの交代で、火力を維持しながらゲームを進めていくことに成功。
昨季はジョーカー的な立ち位置だったルカオが長い時間のプレータイムで、一美をシャドーに置いて併用するなど岩渕不在の妙か昨季と異なる展開も。
J1の舞台でも堅実な戦い方を実現した岡山が、前半のリードを守りクリーンシートで終えるという木山ファジらしい勝ち方で白星スタートを飾ることに成功。
おわりに
立ち上がりから押し込まれる時間帯も長く、これがJ1か…という厳しい時間帯を0で抑えて先手を取る。
相手が焦ればしたたかにという、去年の勝ち筋ができたことは大きな自信になるような試合だった。
また、ルカオのスタート起用はJ1では先手を取られるとひっくり返すことが難しいという点を踏まえてか。
プレータイムを長くするためにプレスのスイッチはシャドーの仕事だったが、昨季からの木村はもちろん、江坂も背中を消しながらプレスに出られるため大崩れすることなく戦うことができた印象。
また江坂の印象的なシーンとして、立ち上がりから味方のパスが合わずとも親指を上げて応える様子が多く見られた点だ。
前線の起点と言うと、ルカオのようにトップに入る選手をイメージすることが多いだろう。
しかし、自分今季の岡山はその後ろにいる江坂が、時間を作りチームを落ち着かせる役割として機能することを感じさせるプレーが多くあった。
困った時に江坂のように上手い選手に頼る場面が増えると、割合として難しいボールを江坂に届けてしまうことになると思う。
その中でフラストレーションを溜めた態度ではなく、問題ないという姿勢を見せてくれたことはチームを落ち着かせてくれる存在としてこれ以上ない期待感を持つような振る舞いだった。
今季のチームの中心に江坂がいることは間違いないだろう。
J1の試合ということで、ビッグネームの選手達のテクニックがクローズアップされる機会は多いだろう。
その中でもスタジアムで観る機会がある際には、是非カメラには映らない選手の振る舞いにも注目してみてはいかがでしょうか。
そんなこんなで、また機会があれば次回のレビューで何卒です。