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メリット・デメリットを、超えていけ。

ーーすべての物事は、メリットとデメリットを併せ持つ。

このように言ったのは、誰だっただろうか。

確かに、お金持ちになろうと思えば、それなりの時間と労力が犠牲になる。

美味しい珈琲だって、そのお代は勿論、夜眠れなくなるカフェインという名のおまけまで付いてくるかもしれない。

ただ唯一の例外が、音楽だと言うのはなかなかユニークであり、センスを感じる話である。

今回は、そんなメリット・デメリットについて、少し考えを巡らせてみたいと思う。

■メリット・デメリットの限界

職業柄なのか分からないが、様々な制度のメリット・デメリットを説明を求められる機会が多々ある。

節税の方法一つとっても、メリットがデメリットを上回ると判断した場合において実行すべき事項。

複数の選択肢がある場合、それぞれの特徴点を挙げ、その上でお客様に選んで頂く必要がある。

メリット・デメリットについて、どちらかに偏って話すことはプロとして公平じゃないと思うし、かと言ってフラットに話過ぎると、『それらを踏まえて、結局私の場合はどれが良いの?』という話になりがちである。

その塩梅にはいつも苦慮しているのだが、冷静に考えてみれば、メリット・デメリットは単なる一般論に過ぎないということに気付くことができる。

結局のところ、”他でもない自分の場合にどうなんだ”というのが最大の関心事なわけで、自分にとって無関係のメリット・デメリットまでは、大抵の場合、興味すらないわけである。

■メリット・デメリットを超える

この辺りの個別のアレンジ力こそ、プロの腕の見せ所であり、他でもないあなたに頼む意味が問われる重要な部分なのだと思っている。

単なる事実の羅列であれば、最近流行りのChatGPTの方が適している。

そうではなく、必要な情報とそうでないもののコントラストを程よく明確にしつつ、過去の経験とそれに裏打ちされた勘から、メリット・デメリットをその人に個別に当てはめる能力。

そして、その判断した結果を、意見としてまとめる能力と、相手に伝えきる能力。

それこそが求められているように思う。

だからこそ、事実は客観的に述べつつも、個人的な見解(意見)を忘れずにきちんと述べるように心掛けている。

どちらが欠けても、それは納得感のある答えにはならない可能性が高い。

メリット・デメリットの議論は、対立点を通じて本質を炙り出す意味では必要な過程。

ただ、繰り返しだが、メリット・デメリットは、それだけでは単なる比較にしか過ぎない。

それらは超えてこそ意味を持つもの。

そう気付くことができた。

■おわりに

家は賃貸にすべきか、買うべきか。

子供には、習い事はさせるべきか、させないべきか。

メリット・デメリットの議論は、日常のいたるところに潜んでいる。

単に比べるだけではもったいない。

目標のように、超えてこそ意味を持つものもある。

そう気付いたことがあったので、記事にまとめさせて頂きました。

それではまた!

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あさがお税理士事務所
代表税理士 伊藤貴文

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