PENTAX K1改+FA50mmF1.4 実写
前から使ってみたかったフルサイズ一眼レフ機を友人からお借りしました。
フィルム時代が懐かしい
フィルム時代はフルサイズなどという呼び方を聞いたことがなく、フルサイズ(35mmフィルム)が一般的だったのです。
ところが、デジタルカメラ時代になってもすぐにはフィルムと同じサイズのセンサーを容易に製造できなかったため、しばらくの間フルサイズ機は存在せず、製品が出てからも高嶺の花でした。
最近はやっとフルサイズ機の価格が下がり機種によっては新品で20万円、中古で15万円前後で入手できるようになりました。
ただしフィルム時代のカメラと比べずんぐりしていて重く、今回お借りしたPENTAX K1もそうです。
センサーユニットや液晶モニターの厚みに加え、最近主流のミラーレス機にはないミラーが入っている分さらに厚みが増し、どうしてもずんぐりしてしまうのです。
しかも頭の部分に重量増の要因となるガラス製のペンタプリズムが入っています。
光学ファインダーに拘らなければミラーレス機の方が小さくて軽いですので、そちらを選ぶ方が無難だと思いました。
中身はMark ⅱ
今回お借りしたものはもともとK1として購入したものを後継機種のK1 Mark ⅱに有償アップグレードしたものらしく、中身はK1 Mark ⅱと同じだそうです。
改良の有無はアップグレード時にメーカーが貼ってくれるラベルで判断できます。
このレンズは昔のスーパータクマーの光学系をそのまま引き継いでいて、絞り開放付近で使うと柔らかく味のある描写となります。
しかもオートフォーカスが使えますから私のようなオールドレンズ好きだけど老眼でピントが合わせられない人間にとってはありがたい存在です。
これを最新のデジタルカメラに付けてレンズの味がどのくらい出るのか試したかったので、すべて絞り開放で撮影しました。
画像のプロファイルは標準です。
近接撮影
上の2枚は最短撮影距離付近で撮ったものです。
絞り開放でここまで近づくと滲みが出てかなり癖のある写りになりますので、もう少し絞ったほうが良さそうです。
やや逆光で撮ったもので、オールドレンズらしい癖のある玉ボケが出ます。
このくらいの距離ですと葉っぱの輪郭にほんわりとした独特の柔らかい滲みが出てとても美しいです。
逆光
中央上の茂みにハロがかかっている他、全体に弱くハロがかかり右下のところにゴーストが少し出ています。
昔の設計のレンズなのでこんなものだと思います。
私はこのくらい適度に逆光に弱いレンズが好きです。
このレンズの後継レンズは2タイプあって、逆光耐性が高いHDコーティングが施された優等生タイプと、わざと逆光でゴーストを出やすくしたクラシックタイプがあります。
後者は使ってみたい気がしますが、このレンズでも十分楽しめそうです。
半逆光くらいの方向です。
拡大すると稲の葉に付いた雫がオレンジ色に光っているのが分かります。
収差の影響だと思いますが、これもレンズの味です。
条件によっては癖のない後ろボケが出ます。
室内
このくらいの近接撮影で独特のほんわりとした柔らかさが出て、さらに周辺減光が良い方向に作用しています。
スナップ撮影
天王寺駅周辺でのスナップ撮影を試みました。
オートフォーカスのスピードは十分速く正確で、室内では少々うるさく感じましたが繁華街ではほとんど聞こえないくらいで気になりません。
カメラを向けてシャッターボタンを半押しした瞬間にピントが合ってくれるというのはとても助かります。
明るいレンズなのでモール内でもシャッタースピードを気にすることなく撮影できます。
明るい部分の輪郭が適度に滲むのが良いです。
もっとカリッとさせたい時は絞り込めばOKです。
こちらは一つ前の画像と同じシーンをAPS-Cサイズにクロップして撮影したものです。
軍幹部のダイヤルをCropに合わせておけばジョグダイヤルで瞬時に切り替えることができます。
Cropを有効にすると光学ファインダーの中に撮影される範囲を示す赤枠が表示されますので、レンジファインダー感覚で使用することができます。
こういうどうしても寄れない状況で瞬時にクロップ撮影ができるのは便利です。
がちゃがちゃしたところでも適度に滲んでくれて落ち着いた雰囲気になります。
良いレンズです。
こちらは手が滑って前のお姉さんを撮影してしまった時の画像です。
もちろんノーファインダー撮影ですが、瞬間的にお姉さんにピントが合って構図もばっちりでした。
素晴らしいカメラです。
晴天時に絞り開放ですと大体このくらいのシャッタースピードになるのですが、電子シャッターが使えるのでもっと明るくても大丈夫だと思います。
前ボケはいつも奇麗です。
感想
色見も悪くなく私好みで、このカメラとレンズ、欲しくなりました。
それにしてもでかくて重い!
標準レンズを付けてこれですので、ズームレンズを付けて一日持ち歩いたら肩が痛くなるのではないかと思いました。
しかし、このカメラでしか撮れない絵と言うのはあるので、小さいカメラと使い分けするのが良さそうです。
もっとも、同じセンサーサイズのカメラでもっと小さくて軽いカメラはいくらでもあります。
このカメラを使う理由があるとすれば、光学ファインダーが覗けるということと、フィルム時代から受け継がれているレンズ資産をアダプターなしで使えるところだと思います。
今回お借りしたFA50㎜もそうですが、光学系が昔の設計のままでオートフォーカス化されているレンズもあります。
光学ファインダーと豊富なレンズ資産は他のカメラメーカーにはなかなか無い魅力です。
「里び」や「雅」などのカスタムイメージ設定が用意されているようですので、次はそういうので遊んでみようと思います。
おしまい
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