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APS-C とフルフレーム比較

Canon EOS R6 markⅡを使い始めて1年以上経過しました。

それまでは Fujifilm X-T5 を主に使用してきましたが、両方使ってみることで両者の長所短所を実感することが出来ましたので、この機会に皆様と共有させていただきたいと思います。


センサーサイズ比較

この二台はセンサーサイズが異なります。Fujifilm X-T5 のセンサーが APS-C サイズであるのに対し、Canon EOS R6 markⅡの方は フルフレーム(フルサイズ)です。

センサーサイズ比較

今ではフルフレーム(フルサイズ)より大きなセンサーサイズのセンサーが実用化されており、フル〇〇という言い方自体がナンセンスではあるのですが、それはさておき、フルフレーム(オレンジ)とAPS-C(ブルー)では面積比で2倍以上の違いがあります。

フルサイズとAPS-Cの違い!初心者向けに簡単解説!3分でわかるセンサーサイズの比較 | オートリージャパン

センサーサイズがカメラ全体の大きさを決める

実はセンサーサイズの違いがカメラやレンズの大きさに決定的な影響を与えます。

センサーサイズが大きくなるほどカメラやレンズは大きく重くなります。

左がフルフレーム、右がAPS-C

左は Canon EOS R6 markⅡにTAMURON 90mm F2.8 Macro を取り付けたもので、右は Fujifilm X-T5 に 7Artisans 60mm F2.8 Macro を取り付けたものです。

重量は左が約1270g 右が約900g ですので重さの違いも大きいです。

全体の重量が1300g近くになりますと肩や首から長くぶら下げているのがつらくなります。

これが900g程度ですと割と楽ですので旅行に持っていくカメラとしては右を選びたくなります。

ぱっと見は同じ

実は同じ距離に被写体を置いてこの2台で撮影するとほぼ同じ絵を取ることができます。

ぱっと見はどちらも同じ奇麗な絵が撮れます。

Fujifilm X T5  7Artisans 60mm F2.8 Macro  絞りF8 ISO 12800 画素数 7728×5152
Canon EOS R6 markⅡ TAMURON 90mm F2.8 Macro  絞りF8 ISO 10000 画素数 6000×4000

上がFujifilm(APS-C)で下がCanon(フルフレーム)です。

絞りを十分絞っておりますのでレンズ性能の違いは無視して良いと思います。

一般にセンサーサイズが大きい方が奇麗な絵が撮れると言われていますが、ぱっと見は違いが分かりませんね。

少し露出が違ってしまいましたのでその差は見えますが、ボケ感もそれほど違いがありませんし、どちらも暗部の諧調が奇麗に出ています。

だったら小さいセンサーの方で良いのでは、と思ってしまいますね。

ではどうして私はわざわざ大きなセンサーのカメラを買って、そこに重たいレンズを付けているのでしょうか。

その理由を知りたい方は上の二つの画像をクリックして拡大してみてください。

種明かし

センサーサイズの違いで差が付く一例

2枚の画像のカップのロゴのところをそれぞれ拡大して上下に並べた画像です。

上がFujifilmで下がCanonです。

どちらもピントはカップのロゴ付近に合っていますが上はボケているように見えてしまいます。

どっちが良いとか悪いとか言いたいのではなく、センサーサイズの違いが画質そのものの良し悪しをほぼ決定づけてしまうということなのです。

ISO感度においてFujifilmの方が若干不利な条件ではあるのですが、おそらくあまり影響はないでしょう。

センサーサイズが画質を決定づける

画像を拡大(引き伸ばし)しなければ良いという話でもありません。

小さめのサイズで見比べても全体のくっきり感は違ってきますので、人間は直観的に「あっ、こっちが奇麗だ」と思ってしまうものなのです。

それに、トリミングすればどうしても拡大せざるを得なくなります。

もう少し明るい照明を使っていればこれほどの差は生まれないと思いますが、いつもいつも良い条件で撮れるとは限りません。

逆に条件の悪い、薄明りの中で芯の有るくっきり画像が得られるなら、それが称賛に値する画像となる可能性が高いのです。

これがセンサーサイズの違い なのです!

画素数の違いはそれほど重要ではない

単純に画素数で比較すれば X-T5 のセンサーの方が画素数が多く、より細かいところまで写し取ってくれそうな気がします。

しかし現実には画素数の小さい Canon のセンサーの画像がディテールまで写し取る結果となっており、画素数よりも画素1つ1つの大きさや画像処理エンジンの違いが結果に影響しているように思われます。

Fujifilm X-H2S など最新のセンサーを積んだカメラであれば結果が違ってくるのかもしれませんが、それは分かりません。

誤解のないように付け加えますと画素数は少なくても構わないわけではなく、特にトリミングして使うような場合や大きく引き伸ばす場合は画素数が多くないと使い物になりません。

用途に応じて高画素数のセンサーを選ぶべきだと思います。

結局どっちが良い?

大きいセンサーを搭載しているカメラを使えば奇麗な絵は撮れるけれど、その分全体が大きく重くなりますし、値段も上がる傾向にあります。

何ならフルフレームより大きな中版サイズのデジタルカメラを使えばびっくりするくらい奇麗な絵が撮れると思いますが、その分カメラもレンズも大きく重くなり、値段も跳ね上がります。

当たり前ですが要はどこで妥協するかだと思います。

おそらく10人中9人の方はスマホで十分満足だと感じていらっしゃると思いますし、スマホよりもう少し奇麗な絵を撮りたいとなった時にも、APS-Cかマイクロフォーサーズで十分と考える人が殆どだと思います。

それでも満足できない人はその上を目指せばよいわけで、何が正解と言うのはありません。

しかしどんな選択をするにせよセンサーサイズが重要な違いを生み出しているという事実だけは頭に入れておいた方が良さそうです。

もちろん職業として写真を撮っている方は別で、どんなに重くてしんどくても大きなカメラとレンズを使うべきなのでしょう。

Canon(キヤノン) RF85mm F1.2 L USM 実写レビュー | フォトヨドバシ

例えばこんなやつですね。

右手でカメラを支えつつ左手でコントロールリングを回すのがかなり大変そうです。

参考画像

同じ室内で取り比べてみました。

Fujifilm X T5  7Artisans 60mm F2.8 Macro  絞りF8 ISO 5000 画素数 7728×5152
Canon EOS R6 markⅡ TAMURON 90mm F2.8 Macro  絞りF8 ISO 4000 画素数 6000×4000
Fujifilm X T5  7Artisans 60mm F2.8 Macro  絞りF8 ISO 6400 画素数 7728×5152
Canon EOS R6 markⅡ TAMURON 90mm F2.8 Macro  絞りF8 ISO 5000 画素数 6000×4000

最初の比較画像と同じでぱっと見は同じですが、注意してみていくと厳然たる違いが存在していることが判ってきます。(拡大しないとほぼ分かりません)

もちろん、こんな単純な比較だけでどちらが優れているとか劣っているとかいうつもりは毛頭ありません。

センサーサイズの違いを含め各メーカーの特色がありますので、どちらを選ぶか、どの方向性が自分に合っているかを見るための材料としていただければ幸いです。

「ところでおまえはどうしたいのか?」

と言われると困ってしまいますが、たぶんAPS-C は X-Pro3だけ残し後は早々に手放します!

おしまい

最後までご覧いただきありがとうございました。この投稿が良かったと思われた方はスキ❤をぽちっとお願いします。コメントお待ちしております。

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