【中薬を故事で学ぶ】　姜黄の故事 〜息子を治した母の工夫〜

昔々、広西の大明山の奥深くに、若い猟師が住んでいました。彼の父は彼が幼い頃に病気で亡くなり、成人しても彼は母親と二人で生活していました。

ある日、この若い猟師が一人で山に狩りに行き、獲物を追いかける途中で不幸にも山坂から転げ落ち、重傷を負ってしまいました。彼を人々が見つけた時には、すでに夜になっていました。猟師の家は山奥にあり、家も貧しく治療費もなかったため、家に帰ってからは安静にし、生活の世話は年老いた母親がしていました。

猟師は母親の負担を減らしたいと思いつつ、何もできない自分に不甲斐なさを感じていました。心の重圧で日に日にやせ細り、食事も取らなくなってしまいました。

母親は心を痛め、何とかして美味しいものを息子に食べさせようと考えました。家には野生の獲物がありましたが、息子は食欲がなく、食事をとることができませんでした。

広西には「姜黄」という香辛料があり、生姜に似ていますが、色がもっと黄色いため「姜黄」と呼ばれていました。姜黄は辛くて香りがあり、胡椒、麝香、オレンジと生姜の混ざった味があり、少し苦くて辛い感じがします。これは一般家庭でもよく使われる調味料でした。

息子の食欲を増進させるために、母親は料理に姜黄を入れました。姜黄の独特の香りのおかげで、息子はついに食欲を取り戻しました。不思議なことに、姜黄で炒めた料理を食べた後、彼の身体の痛みが日に日に良くなり、半月も経たずに完治しました。

その後、彼は転倒や打撲で傷が痛む時は、姜黄を使った料理を食べるようになりました。この知識は広まり、近くの人々は姜黄が転倒や打撲による痛みや青あざの痛みを治療できることを知りました。後に、人々は姜黄を煮てから飲むと痛み止めの効果がさらに増加することに気づきました。こうして姜黄は、徐々に一般的な中薬として使われるようになりました。

おしまい

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