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不動産で節税は本当に得?仕組みとリスクを徹底解説
はい。無料記事です。不動産に於ける節税の仕組みと節税をするべきなのかについて考えを述べていこうと思います。気に入った方はスキ・フォロー頂けますと嬉しいです!
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1.不動産を使った節税の仕組み
2.数字を入れた節税効果シミュレーション
3.取組むべき人
4.リスク
5.結論
1.不動産を使った節税の仕組み
不動産投資に於いて、良く営業マンのセールトークとして、「節税ができます。」というのがあります。果たしてこれはどういう仕組みからなのでしょうか。純粋に損をすれば払う税金は減ります。そういった単純で且つ人をバカにしているようなスキームではなく、法律を上手く使い損をせずに節税できるスキームは存在します。
日本の税法に於いて、ほぼ全ての資産は減価償却を認められています。
減価償却とは、物はいつか使えなくなるものだという前提の下、資産価値が下がることを決算上も反映しようとしたものです。全てのものには耐用年数というものがあり、耐用年数に基づいて償却されます。
仮に木造であれば耐用年数は22年です。税法上は木造の建物は22年しか耐えられないと決められているということです。22年しかもたないので、22年かけて少しずつ価値を落としていこうというのが減価償却なのです。
では、仮に耐用年数を超えるとすぐさま使えなくなってしまうのでしょうか。そうではありません。皆さんの実家を思い出してください。余裕で耐用年数を超えて人が住んでいますよね。
仮に築年数が耐用年数を超えている物件を購入する場合、加速度償却というものを行います。(なんだかとても強そうです。) 要は耐用年数を超えてしまい建物としての寿命が短いので建物の価値を一気に減らす必要があるということです。
賃貸物件にかかわる減価償却は本業の年収と合算することが可能ですので、仮に所得が高く年収が3,000万円ある人の場合、償却額分年収の押し下げ効果が見込めその分の所得税と住民税の一部が還付されます。仮に年収3,000万円とした場合償却額の40%の節税が見込めます。
一方で売却時においては、本業年収と合算されません。即ち、いくら売却益を出しても5年を超える売却であれば20.315%の税金を取られるだけで済むのです。
購入時と同じ値段で売却できたとして、上記の場合に於いては、19.685%の節税ができるのです。仮に毎年500万円償却出来たとすると毎年100万円ほどの節税効果があることになります。これが合法的に不動産を使って節税する方法です。
2.数字を入れた節税効果シミュレーション
上記の例で築30年の木造アパートを買ったとします。
建物価格を5,000万円とすると、毎年の償却は加速度償却されるため、4年で償却となり1,250万円償却が取れることになります。
家賃は一旦考えず、本業年収が4,000万円とすると、実に500万円の節税になります。
これを5年保有し売却した場合、節税効果のみ考えると累計4年で償却するため実に2,000万円もの節税となるのです。更に翌年買った値段で売却した場合、利益に対し20.315%の税金がかかり、1,015.75万円の税金支払いがあります。
合計すると、884.25万円の利益を節税のみで得られることになります。
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3.取組むべき人
「あれ?思ったより節税額がショボいな。」と思った方はいらっしゃりますでしょうか?その通り、ショボいのです。年収が4,000万とか5,000万とかあり物件も2億3億の古いのを買えば全然結果は変わってくるのですが、一般人である我々からするとそんなに儲からないのです。
従い向いている人というのは、「年収・利益が出ており、お金をいっぱい持っている個人・法人」となります。当てはまる人が何人いるのかという話はありますが。
自分の年収ではどうなのだろうと計算してみてください。結構厳しいものがあります。
4.リスク
自分の年収では厳しそうだなと思われている方、更にリスクもあります。
①単純に古いため故障が多く発生する可能性
故障した場合は自分の手元資金からお金を払う必要があります。節税のために買い税金のメリットよりも実際の修繕にお金がかかってしまったとなると本末転倒です。(不本意な方法で節税はできているかもしれませんが。)
また、売却時故障が起こるとその対応をする必要があり、時間と精神力を取られます。高年収の方は楽して儲けるために買っているのに、なぜか楽できず儲からないといった事態が起こり得ます。
②売却時に安価でしか売れない可能性
不動産は水物です。ただでさえ買った不動産が古いのに自分が保有して更に古くなるのです。値段が下がる可能性も勿論リスクとしては織り込んでおく必要があります。
③償却が終わると家賃分課税額が多くなってしまう可能性
敢えて話を単純にするために本稿では飛ばしていましたが償却がなくなると家賃収入のみが出てきて本業年収に合算されて課税されてしまいますので余計に税金を払わなくてはいけなくなってしまう可能性があります。
④今後の不動産購入時融資に影響する可能性
減価償却により所得が減るため融資を受ける際の足かせになる可能性があります。不動産はかなり固く儲かるミドルリスクミドルリターンの投資です。取組上不利になるのは勿体ない気がしませんか。
5.結論
勿論良い物件を選べば節税というメリットが取れることもあり、視野に入れておくべき投資ではあります。一方で、リスクも古い分数多くあり、且つ年収帯的にも非常に限られた人にしかメリットがありません。不動産屋の節税になるという言葉を真に受けすぎずあくまでもおまけとして見ておくことをお勧めします。(ただし、超高年収で資産もあり、突き抜けている人は別です。笑)