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買えない!商社マンが挑んだ15連敗からの不動産奮闘記
筆者「もしもし、たぬきちんと申します。先程問い合わせを入れたのですが、○○市の物件の詳細情報が欲しいです。」
業者「あー、出て1時間で即金で売れちゃいましたねー!」
筆者「(2億だぞ?まじか…) ありがとうございます…!何か良い物件があれば是非教えてください!失礼します!」
これで15連敗…また買い負けた…。電話を切って頭を抱える。
時はコロナ渦、在宅勤務が主な中、通勤時間が0になり物件を探す時間はある。ただ、買えない!!!!!!!
「なんでこんなに買えないんだろ…。」
思わず独り言が出る。不動産を買おうと思い立ち半年である。半年間時間の隙間を見つけては電話を掛けたり不動産屋に営業をかけたりしてネットワークは作ってきたつもりだ。
「なんで」なんて言いながら理由は分かっている。「不動産もお友達文化」だからだ。どの業界でも、何なら誰でも同じなのではないかと思うが、ほっといても売れる良い物件は知らないやつには売らない。昔から知っていて、トラブルがなさそうな人に売るのだ。そらそうだ俺でもそうする。
ここまで買えないと流石に笑えてくる。
----筆者は総合商社で働いていており、今では年収は2,000万円、家賃年収は4,000万円になっている。これはまだ1つも不動産を持っていない時代のお話。----
刺激的で且つ不快になる場面・表現が出てきます。当時は必死でして、ご指摘に関しては既に猛省しております。大丈夫という人だけここから先にお進みください。(多分もう二度としません)
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ある日、いつものように物件情報を見ていると、良さそうなものがある。
「お??????これ、一等地だし、ファミリーだし、駅距離近いし、良いな。2億か…利回りが足りない…。あと…3,000万下がらないかな。なんでか下がる気がする。」
当時は理由が分からず長い商社での経験から本能的に感じ取っていたというスピリチュアルな表現になるのですが、そこから7つほど物件を取得した今なら言語化できます。以下要因から下がると確信していました。
①ポータルに同時に10社くらいが出していた(=売り急ぎ?)
②ポータルに出ている値段が微妙に少しずつ違う(=直近で値下げをした後?)
③いくつか大阪の業者が仲介に(=売主は関西の業者?値切りありき?)
④新築建売で、ぱっと見賃料が安かった(=土地勘がない?)
⑤図面/写真がショボかった(=元付けが弱い?弱い元付けを使う意味あり?)
電話を掛けました。
筆者「もしもし、たぬきちんですが…ポータルサイトにのっている物件を買いたいのでその資料が欲しいのですが…。」
業者「こんなもん融資出ないですよ。2億木造でっせ!お勧めの物件送っときますのでそちら検討してください~!」
筆者「は、はぁ…」
送られてきた資料に目を通す。
(ゴミじゃねーか!!!!!!!!!!!!!!!)
半分怒りを感じながら電話をかける。
筆者「僕は買いたいんです!融資なら買い逃しちゃったけど最近2億の物件の融資が通ったところです。年収も2千万あります。」
業者「え?そうなの?それなら名刺と源泉徴収票送って。」
名刺と源泉徴収票を送るとすぐに折り返しあり。
業者「先ほどはすみませんでした。是非是非。たぬきちんさんのような高収入じゃなければ買えないですよ。」
筆者「分かっていただいて良かった。ただ、値下げしてもらわないと買えないんですわ。」
業者「…いくらほど?」
筆者「2,500万」
業者「そんなもん、売りに出したばっかだし無r」
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何も言わずに電話を切る。半ば確信があった。絶対に慌てて、それも少しへりくだってかけ直してくる。交渉事は相手に自分の状況を悟られたら負けなのだ。
(この業者は声的に50代でかなりのベテラン。ゴミ物件でも押し込みたいはず。数字が足りないのか? 買えることを印象付けられているし、ここは相手の頭が冷えるのを少し待った方が良い。)
----案の定、すぐに電話が鳴り始める----
筆者「3,000万」
業者「え?」
筆者「3,000万」
業者「いやいや、たぬきちんさん。さっき2500万って…。」
筆者「3,000万」
業者「分かりました…。3,000万引かせるよう交渉してきます。」
筆者「はい♪お待ちしております…!」
業者「…商社の人ってみんなそんな感じなんですか?」
筆者「ははは。お金好きなんすわ。笑」
業者「私もです。頑張ります。」
筆者「もし条件取ってこれたらお酒奢りますよ。」
業者「そら楽しみだ。」
電話を切る。絶対下がる、その確信がある。
----翌日----
業者「たぬきちんさん、下がりました!」
筆者「そう思ってたんす。良かった。ありがとうございます!即銀行当てます。契約は今日で良いですか?」
業者「今日???週末で…!」
筆者「手付600万、キャッシュで持って行きます!契約書のドラフトお願いしますね!」
業者「はい!」
興奮冷めやらぬ中ではあるが銀行に電話をする。急いで融資を付けなければ…。
以上、如何でしたでしょうか。当時の業者さん、ホンマスミマセン。
業者さんとの後日談ですが、お酒をいっぱい奢ったお陰で仲良くなり普通に今でも定期的に飲みに行っております。嫌われてはない…ハズ。多分。スキ・フォロー、お待ちしてます!励みになります!
結構長くなってきたので、後編に続きます。
⇒(後編)銀行との交渉編へ!
・CFモデルを回したら足りない現金
・二転三転する銀行
・コロナで倒れる売主
・コロナで倒れるたぬきちん
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