消えていく日本の伝統技術

先日、大工さん向けの商社で働いている叔父から聞いた話。

日本の伝統技術がなくなってしまいそうで不安だと言っていた。

叔父は、実例を2つ挙げて話してくれた。


1.(かんな)について

現在、大工が使う鉋(かんな)を作る職人さんが減っているらしい。

理由は、鉋を使わずに建てることができる家が増えたことで、大工さんが鉋を使うことが減ったからだそう。

そのため鉋を安く売るしかなくなり、それでは生活をすることが厳しくなったため、引退する人が増えている。

しかし、このように日本での需要が減っている反面、海外の大工からの需要は増えているらしい。

日本の高品質の鉋が格安で販売されているため海外の大工から人気を集めていると言っていた。

この風潮に早く気づけた職人さんは、海外に市場を移してうまく商売できているようだが、

叔父が言うには、基本的に職人は口下手で商売も下手らしく、うまくいくことは少ないそうである、、。


2.漆掻き鉋(うるしがきかんな)について

次に漆掻き鉋について。

漆掻き鉋は聞きなれないものであると思うが、これは、漆の樹から樹液を取る際に使用する特殊な道具である。

そして、漆職人(うるしを取る職人)に合わせた漆掻き鉋を作れる職人は現在日本にたった一人しかいないとのこと。

理由は日本産の漆は3%しかシェアを占めておらず、95%は中国産という現状であり、

上に書いた鉋とどうように、漆の需要が減ったことで、道具そのものを作る職人の数も減って、残り一人になってしまったようだ。

弟子は一人いるそうだが、このままでは日本の漆文化がなくなるのではないかと叔父は言っていた。



この話を聞いた際に、日本の良い文化を、国内で需要がなくとも海外では歓迎される技術を残すためには、

無口な職人の代わりに発信し、ビジネスを成立させることが大切だと感じた。

国内であれ、海外であれ、道具を必要としてくれる人たちを見つけてきて、職人とつなげてあげなければならないと思った。

そして春から私がする仕事は、日本文化が消えてしまわないようにサポートすることができる環境であるため、

とても意義を感じたし、力をつけていかなければと強く思いました。

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