エロ式について

エロさんとは。

えろさん=ゑろさん@超不幸の種おじhttps://x.com/Erosan_kamiwaza)
 エロ式を発案し今も研鑽されている僕のお師匠のひとりです。
 これから書くエロ式は、えろさんから僕が聞いたり、じっさいのプレイを見て僕が盗んだ一種の技術体系というか対戦におけるコンセプトです。
 文責はすべてえろさんに丸投げしたいところですが、じっさいのところは僕の考えがどうしても多分に入っていて、えろさん本来の形とは変わっている部分が多くあると思います。なので残念ですが、この記事においての文責は完全にtaka80が負うことになります。とうぜん僕自身も研鑽中であり、いつでもあらたな形に変容する可能性があることをここに明記します。また、ここに書かれていることはエロ式のごく一部であることも付け加えておきます。

 えろさんに感謝を。僕がいまも対戦に臨めているのはえろさんを含むたくさんのお師匠のおかげです。僕に対戦を教えてくれたみなさんに感謝を、です。

エロ式の本質

 エロ式のもっとも根幹にあるのは、えろさんが以前のみながら話していた、えろさんにとっての読み合いの理想形、とくにスタイルについての言及においておっしゃっていた「相手のメンタルを積極的に狙ってスタンさせる方法」です。これは当時に流行していたときどさんのときど式に起因した話で、当時えろさんは冗談めかして話していました。でも僕は今でもこれがエロ式の読み合いの本質だと信じています。
 スタンとは一種の混乱状態のようなもので、対戦相手に一時的な交錯を起こし、状況判断を不安定にさせることです。そのうえで隙の大きい行動をさせ、そこを刈り取るのが狙いです。
 これは短いスパンでの勝ち負けの話ではありません。えろさんの言葉をそのまま引用しますが、「10回やって10回勝つ方法は、1回やって1回勝つ方法よりも優れている」のです。エロ式はそれを実現しようとする一種の方法論です。
 

やってはいけないことはあるか?

 エロ式は何らかの行動を禁止するような考え方を持ちません。勝利のために必要なことで、かつゲームの中で行えることは何をしても許されるべきだと考えます。
 でも、何でもやって良い状態は対戦相手の思考や戦略や立ち回りを制限するのに不向きです。多くの場合、簡単ないくつかのルールを決めてしまうのが簡単だと思います。
以下のような例です。
・相手が反撃できる状態の時、連続で3回同じ行動をしない
・予備動作のある動きを用いない
・自分の動きに対して何らかの対応を取られた場合、次の挙動は同じ動きをして相手の反応を見る
 などです。
 これらはルールと言うよりも、勝つための道筋づくりと行ったほうが近いかと思います。また同時に、これらのルールは「その試合に勝つためならいつでも破棄できる」ようにしておきます。
 やってはいけないことは、結局のところ「その試合の直接的な敗北につながる行為」なのです。

  • 誘導とカウンター

  • トラッピング

  • 変則的間接攻撃

  • 角度のついた牽制と直接攻撃

誘導とカウンター

 えろさんは多彩な攻め手をもつプレイヤーですが、いつもかならず相手の逃げ道を用意していました。多くの選択肢をつぶしていきながらも、ある一点だけはいつもわざと見逃すのです。そして最終局面で相手をその逃げ道に誘導し、最大火力で刈り取って勝つことを目指していました。少なくとも、僕にはそう見えました。
 相手の行動を誘導するために先述したスタンを狙います。いくつかの方法によって、相手に「この方法で抜けられる、この方法しかない」と思わせることで、最終局面での刈り取りの効果を強固なものにします。
 このとき、可能な限り最大の火力で、確実に相手の体力ゲージを奪いましょう。これまでのすべての行動が布石になり、カウンターが機能します。先程のべたとおり、ここがエロ式のゴールであり本質です。
 このために必要なのは、具体的に相手の行動を捉える行為です(トラッピング)。

トラッピング

 えろさんは試合のなかでわりとよくわからない行動をすることが多いです。とつぜんのバックジャンプや、セオリーから外れた急接近、ぜったいにもっとリターンがとれるはずなのになぜか飛んでくる安めの確定反撃…など。これらはほとんどの場合、相手の行動を誘導する動きでした。やすい反撃は相手のリスク判断をぼかす、急接近して相手がどこで反応できるかを見る、バックジャンプ直後の相手の挙動で相手のやりたい行動を図る…そういったものです。
 例の刈り取りの直前にこれらが生きます。
 相手の行動を誘導するに際して、相手がどのような思想や方法論で自分と対峙しているのか理解しておくべきで、つまるところトラッピングは一種の感情移入であり、情報収集なのです。
 相手の行動を捉えるためには、自分から何らかのアクションを起こす必要があります。 

変則的間接攻撃

 相手から情報を取るために必要な動きは多くの場合、「よくあるセオリー」のほんの少し外側にあります。教科書通りの戦術・戦略からはみ出さざるをえなかった対戦相手独自の考え方や対戦への思い、対戦に求める美的感覚などをどれだけ引き出せるかがトラッピングの鍵となります。
 少しだけ先述しましたが、対戦のなかのあらゆるタイミングで、相手がセオリー外の行動をするのを見逃さないようにしましょう。またあえてその状況を作りましょう。相手の体力状況が不利であればあるほど、セオリー外の行動をする確率が上がります。
 いくつかの例を上げます。
 打撃2発刻んでからの投げ。
 相手に当たらない間合いでの大振りな牽制。
 跳びを通してヒットさせてからの様子見。
 などです。これらで相手の反応とそこから出てくる行動を見ておきます。リターンの高い行動で即座に手が出るのか、反応しきれず様子見になるのか、その中間か、もしくはそのどれとも違う行動なのか。
 直接相手の体力ゲージを奪う行動ではなく、相手の行動を引き起こす間接的な行動で揺さぶりをかけます。

角度のついた牽制と直接攻撃

 間接攻撃を用いる際にもっとも重要なのは体力リードの状況です。相手にとって動かざるを得ない状況を作る必要があるのです。
 体力リードを取るための方法論は、ほとんど教科書通りの「崩し」の内容です。しいてエロ式を強調しなければならない部分だけをあげます。
 相手に当てるにせよ見せるにせよ、自分から動く際には必ず対となる行動を用意します。上・中段をみせるときには、つぎに下段を。踏み込みを見せる際には相手の反撃の間合い外での停止を。跳びこみ攻撃には跳び込み透かし下段を。決まったタイミングでの打撃の裏に投げを。相手がいずれかの行動をしたときに、対となる行動が自分にとっての正解になるよう用意してください。実際の失敗・成功が重要なのではなく、こちらの選択から正解と不正解が相手に見える形で提示されることが重要です。これらを組み合わせて、ただの直線的行動ではない角度のついた牽制を行ってください。
 また矛盾するようですが相手に触れることを考えたとき、最短距離をつなぐ直線的攻撃を意識してください。相手の攻撃が届かず自分の攻撃だけが届く間合いがいちばん良いのですが、そういった局面は少ないでしょう。とにかく、いざ相手に触る状況になったら、いちばん早く相手に届く行動で、確実に触れましょう。ダメージはあまり重要ではありません。この駆け引きから試合をスタートし、最後のゴールに向かっていきましょう。

 

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