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DAZZLEさんの公演に思うこと

昨今、「イマーシブシアター」というものが認知され始めてきてます。
※一番有名なのは、ニューヨークでやってる「Sleep no more」

時間軸を、空間ごと切り取ることが、実際に具現化でき始めている。
数年前から暗闇コンテンツが流行したのも、その一環。

音楽・照明を突発的に入れて、日常から非日常に空間をイマーシブさせる。



そんな中、自分が個人的に分野最先端であると思っている、
Dazzleさんの公演2つ、
「Venus of tokyo」「Nora」に行ってきました。
http://www.dazzle-net.jp/


そして、Noraのマルチストーリー型演出は、
自分が目指してる「観客が主体的にストーリーを変える」演出を、
見事に具現化してました。


、、、というわけで、
この演出が、今後、TEAMLABよりも大きなインパクトを創ると確証したので、ここに示すと共に、何かいい繋がりができないかと思って、
ここに書いておきます。


多分、このコンテンツなら日本発で世界で戦える。
現代日本のCRの課題を解決すると同時に、次世代の新しい型を作れる。



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まずは内容について!

完全な暗闇の中で、手に持つ色を赤か青かで、観客が選択肢の意思表示をして、「エンディングを自らの手で変えられる」演劇。
Noraはそんな空間。


池袋の小劇場、終演後は全員がスタンディングオベーション👏
※全員総立ちって、初めて見たなぁ…


オンラインでは昨今出始めた、
選択結果の多数決で、エンディングが変わる、マルチストーリー型。
これをリアル×イマーシブで、具現化してます。

行くたびにストーリー変わる。
演者にとっては、演じるストーリーが毎回変わる。
常に新しさがある。


劇中の選択1つ1つは、各個人の価値観を反映する問い。
しかもバタフライエフェクトになっていて、
何気ない選択が、エンディングへの布石となったりしてる。
「あの場面では、あっちを撃つだろ!?」とは、一筋縄でいかない❗️


例えば、、、
先天的に決められた安定か、
保証はないけど後天的に掴み取る成功か❓

監視と校閲で、表現がつまらない安定した未来なのか、
それとも混沌か❓
※この選択は、現代日本の広告表現やクリエイティブにも通じているよね


観客は、自分が示す色の選択により、
そのエンディングを決めることができる。

、、と同時に、自身の現実世界での実際の選択を見直させられるという、
二重構成になっている👏

この二重構成こそが、現代現実世界を大きく変えるパワーとなると思うんです。


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これは映画詳しい人なら、伝わるんですが、

インセプションと同様の仕組みで、
・現実世界
・ステージ上の現実
・ステージ上のバーチャル
と3層世界を作り、その境界を、演出でぼかしてます。

クリストファーノーランの演出のエッセンスを具現化👍

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ここからは、企画の裏側の考察!

まず、設計面💡
ストーリーは、
ダブルスタンダード、いやトリプルスタンダード以上で構えている。

それぞれの映像・照明を作り、パターン化。次々と転換するストーリーと音楽。
音楽は、ドラマ音楽やってる林ゆうきさんがやってて、タイミングも内容も最高。

客入り音楽が、森林の自然音と電車音という、イマーシブへの導入設計。
(マジで世界戦を戦えると感じる🏖)

選択結果は、赤と青の光量をモニターで把握して、瞬時に分岐。
(こういうのが真のDXだよなぁ)



次にマーケティング面💡
現代のコンテンツを一変させる黒船。イベントの収益構造が改革される。

見れなかったストーリーを売ることで、客単価を2倍以上にできるから。
つまり、分岐の数だけ客単価を上げられる。


ストーリーAを見た人はストーリーBを見たくなる。
ただし、RPGとかと違って、攻略本も全体関係図もない。
だから、「複数回リピート」「人とシェアして答え合わせ、結果拡散になる」みたいな、これまでの型にない新しい顧客行動が創造される。


このストーリー分岐を売る、ストーリーエコノミーは、
ライブや映画など、どんなエンタメにも通じる。


ジャニーズのライブで、途中の分岐で観客が曲名を選択できて、
曲によって演目結果が変わったら、
コンプリートを目指す人が増えるでしょ?
あれと同じです。

ただし、抜本的なストーリー分岐と、2倍以上の手間がかかる。
ただし結果は2倍以上。

制作費の効率化ではなく、売上を上げられるので、
ここは、これからの革命となると感じている。





最後に、個人的に感じたことを💡

赤と青の意思表示は、リアルな政治の場を感じさせた。

「僕たちが善と思っても投じた赤は、違う時代においては、ひっくり返って悪とされることもある。選択に正解なんてありはしない。」

確固たる正解がない中で、最大多数の幸福を追い求めるのは、政治の原理。



余談ですが、、、
自分は20歳の時に、「政治家になりたい」と本気で思ってたのですが、
(法律に支配されるのでなく、法律を創造できるから)
「最大多数の幸福なんて、あり得ない」と思って、手近な最大多数の幸福を作るために、民間志向になった。

そして今日、暗闇に映る赤と青に分かれる意思表示を見て、
絶対的な正解なんてない中、みんな手探りで挑戦し続けてるんだなと、思った。


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最後に印象的な一言。
「赤は止まれ。青は進め。
でも止まるも進むも、実は決めてるのは自分の意思。
ストーリーと同様に、己の意思で世界を変えられる」

教育で正解を変えるのが難しいのなら、
エンタメから世界を変えてやろう。

#nora
#vot
#dazzle

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