「A子さんの怒りが爆発!食事中のトラブル」の災難。
上司にお昼に誘われ、社員数人で行きつけの定食屋でご飯を食べた。
みんなでモグモグと定食を食べていたら、上司が突然、「んっ!!痛い!!」と言い出すと口からお皿か何かの小さな破片のようなものを吐き出した。
どうやら食べ物の中に混入していたようで、「ついてないですねえ」「こういうことあるんですねえ」と男性陣は笑い話程度に思っていたのだが同席していた唯一の女性・A子さんだけは違った。
箸をスッと置くと、近くにいた店員を呼びとめ、「責任者を連れて来てください!」と怒りだした。
男性陣は「え、まじかよ」と唖然である。
すぐさま、ビクビクした様子の店員がやってきて「どうかなされましたか・・・?」とA子さんに尋ねると、
「どうかなされましたか?・・じゃないでしょう!」
「この人の食べ物の中にお皿の破片が入ってたんですよ!?」
「これはどういうことなんですか!」
と、店内に響き渡るほどの声でA子さんは店員を怒鳴りつけ出した。
ちなみにA子さんは、普段は「そよそよそよ・・・」とそよ風のような小さな声しか発さず、無口で物静かな人だ。
しかし今日ばかりは、そのそよ風が台風にまで発達していた。
「・・・普段のA子さんと違う、怖い!」
男性陣は店員よりもビクビクしながら、その様子をみていることしかできなかった。
その後も、A子さんは
「なんでこんなものが入るんですか!?」
「どういう環境で料理を作っているんですか!?」
「ケガでもしていたらどうするんですか!?」
「もし飲み込んでいたらどうするんですか!?」
もはや店員が可哀想に思えてくるほどの怒涛の口撃を続け、ついには「もう私達は2度とこのお店には来ません!」と、勝手に男性陣が週1で利用している大好きな店との絶縁宣言をしだした。
急な絶縁宣言に、さすがの男性陣も「まてまて、そりゃないぜ」となりかけたのだが、ここで何を思ったか突然、A子さんが私に
「ねえ?廻るくんも、もうこんなお店来たくないでしょう!?」
と、とんでもないパスを出してきた。
「・・・え?」
しかし、とてもじゃないが「A子さん、私たちはまた来たいのですが・・・」などと言い出せる空気ではなかったため、私は「そうでございます」と、サザエでございます的な謎の返事をすることしかできなかった。
結局、その場は「まぁまぁ・・」と当事者である上司がなだめて、解決したのだが、A子さんは会社に戻ってからも1日中ピリピリしていた。
A子さんは、小さな破片に相当な恨みをかかえてるんだろうか。
私が思うに、小さな破片に親でも殺されてなければ、納得できないくらいの怒りっぷりであった。
女性の怒りのスイッチというのは謎だらけである。
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