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「”現実”という名の妖怪」の災難。

会社の近くのコンビニでメルカリで買った商品を受け取ったところ、ダンボールが妖怪ウォッチでお馴染みの”ジバニャン”だった。

しかも、よく見てみるとジバニャンだけではなく箱の側面には、これでもかと様々な種類の妖怪たちが印刷されていたのだ。
詳しい詳細はよくわからないのだがおそらく、妖怪ウォッチ特製のダンボールか何かなのだろう。

これだけならば、「可愛いダンボールでした!やったね!」で話は終わるのだが、私にはこの「ジバニャンのでかいダンボールを持って、電車に乗り帰宅する」という妖怪よりも恐ろしい、”現実”が待ち受けていたのである。

こんな妖怪箱を持って、帰宅ラッシュの電車に乗ろうものならば、間違いなく「時代遅れの妖怪ウォッチ大好きおじさん」だと思われることだろう。
逆にこのダンボールを抱えて妖怪ウォッチ大好きおじさんだと思われないほうが難しいくらいだ。

今のご時勢、Xに写真付きで「まってw妖怪ウォッチおじさんがいたんだけどw」と、書き込まれ、世界中に拡散される可能性も否定できない。
もしかしたらTikTokで面白おかしい動画編集されるかもしれない。
それがバズった暁にはもう外を歩けなくなってしまうことであろう。

恐ろしい。
考えれば考えるほど、これはとんでもない罰ゲームである。
ここがアメリカならば、メルカリの販売主を相手取り「モンスターボックス!ファック!」と、すぐにでも裁判に持ち込めるのだろうが、生憎、ここは平和な国・日本。
私は色々なことを諦め、素直にこのダンボールを小脇に抱えて帰ることにした。

せめてもとは思い、誰にもわからぬよう”妖怪・ヒトノメニウツラナーイ”に化けて電車に乗っていたのだが、やはり純粋な心を持つ子供には妖怪は見えてしまうようで、塾帰りと思われる小学生数名から「あ!」と指をさされてしまった。

ここで私は仏頂面を通すこともできたのだが、「なんだよあの妖怪、全然見向きもしねーじゃん、やっぱ時代はポケモンだよな!」と、妖怪ウォッチのブランドイメージに影響を与えかねないので、「ぬふふふふふふんんん」と私ができうる最高級の妖怪スマイルを子供たちに返しておいた。

これで妖怪ウォッチ人気はバッチリだ。
もしかすると妖怪ウォッチ人気が再熱する可能性も十分に有り得るだろう。

レベルファイブは私に謝礼をすべきだ。
そして、メルカリの販売主は私に謝罪するべきだ。


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