コナンTCGは2、3年で終わってしまうと思う理由

 僕はコナンファンであり、コナンTCGのファンです。だから、コナンTCGが、2、3年で終わってしまうと思う理由をこれから書きますが、決してこうなって欲しいと思っている訳ではありません。でも、第三弾のパックの内容が明らかになり、Xを見ていてもやっぱりこのままではこの先危ういのではと勝手ながら心配しています。この記事では、今後、本記事のタイトルが実現しないために、現在コナンTCGが抱える問題と改善案についてまとめたいと思います。

ファン層を無視したゲームデザイン

コナンTCGにとって、一番の強みはなんといっても原作ファンの存在だと思います。コナンは幅広い世代に人気があり、特に女性に人気があるアニメです。チャレンジ戦が始まる前、よくファンミーティングでは、カードゲームはしたことがないが、コナンが好きだという理由で始めましたという方々をよくお見かけしました。こういったファンの存在がいるから、発売当初から、推しのキャラ集めたい等の理由でBOXが売れたり、チャレンジ戦の価格が釣り上がったりと賑わったと思います。(チャレンジ戦の問題については後述します。) しかし、言うまでもなく、こういったファン層は、カードゲームに馴染みがありません。しかし、コナンTCGは、他のカードゲームに比べて、難易度が高いゲームとなっています。将棋をしている感覚に近いです。個人的には将棋は好きですが、初めてカードゲームを始める人たちにはハードルが高すぎます。より多くのファンにより長くTCGを楽しんでもらうためには、コレクションだけでなく、対戦自体も楽しめる工夫が必要だと思います。

バランスの悪いカード環境

上述したように、原作ファンが多いのですから、皆さん、推しキャラがいるはずです。しかし、推しキャラを使って勝てるようには現在の環境はなっておりません。2弾BOX発売以降、チャレンジ戦では、白1強になってしまいました。もちろん、TCG自体が始まったばかりで、カードプールが少ないため、ある程度は仕方がないことだと思います。しかし、第3弾のパックの内容が明らかになり、他色が8コストカード1種類に対して、白だけ8コストが3種類発表され、他にも強いカードが続々と登場し、また、白色が大幅強化される結果となりました。現環境を考慮すると、カードの発表を見送ることはできたのではと思います。このままでは、まじっく快斗TCGになってしまいそうです。

実店舗を軽視したビジネスモデル

コナンTCGの希望小売価格は1パック6枚入308円(税込)です。他のカードゲームと比べても倍くらい高い価格設定です。そして、この価格は発売当初から、価格競争を引き起こしています。価格競争になってしまうと、大量に捌けるオンラインストアが実店舗より優位になってしまいます。しかし、TCGを広めるためには、オンラインストアより実店舗の方の存在が大切です。チャレンジ戦、ファンミーティングの開催を開催するのは実店舗ですし、コミュニティを育てる場所も実店舗です。オリジナルの大会の開催、シングルカードの設置なども実店舗の協力が欠かせません。上述の理由により、プレイヤーが店舗にお金を落とさないようになっています。私の地元の店舗では、以前よりイベントの開催を減らし、また、参加条件も厳しくなってしまいました。また、ファンミーティングに行っても、以前居た人々は居なくなってしまいました。後述するチャレンジ戦にもその原因があります。

加熱させすぎたチャレンジ戦

強いコンテンツ力のあるTCGが短期的にプレイヤー人口を増やし、売り上げを上げることは簡単です。大会の参加人数を増やしたければ、大会の景品をよくすればいいのです。カードが高値で売れるということが分かれば、そういった方法で儲けを得ているカードゲーマーが参戦してくれるからです。チャレンジ戦が始まった当初、そのカードのレアリティから大会は賑わいました。地方に他県からプロゲーマーみたいな人たちが参戦してきました。このような人たちがカードを始めるにあたって、カードを買ってくれるので良いことのように思えます。しかし、デメリットもあります。遠征してきたプレイヤーは、チャレンジ戦のためだけに店舗に来るので、普段は来ません。だから、彼らが、その店舗でお金を落とすことはありません。(もちろん、参加費を徴収することはできますが、それがメインの収入源になることはありません。)また、原作ファンなど、ゲーマーでない普通のプレイヤーが地元のショップに行っても、定員超えで参加できない、参加できても地方巡回しているゲーマーに勝てない、そういった状況を作ってしまいました。こうした中、運営は、チャレンジ戦の景品を1ヶ月ごとに変えるということを発表、実行しました。これは上の状況をさらに助長させたと思います。ここで多くの原作ファンはコナンTCGを離れてしまったと思います。チャレンジ戦が始まる前によく見かけた、コナン好きだからコナンカード始めましたという方はあまり見かけなくなりましたし、そもそもファンミーティングに人がいなくなってしまいました。

コナンTCGが長く続くための改善提案

以上、自分なりに現状の問題を述べました。これからは、それらに対する改善案を述べたいと思います。

ゲームバランスの調整

コナン原作ファン、幅広い層が、楽しめるようにすることが大切だと思います。ゲームのルールを大きく変えるのは難しいと思いますが、カードを変えることはできると思います。具体的には、もっとランダム要素/運要素を増やすべきです。初心者でも上級者に3割勝てるそのように調整すれば、より多くの人が楽しめると思います。最近、ポケポケというアプリ版ポケモンカードが人気です。ランダム要素が大きく、初心者でも楽しめるような設計になっています。こういった要素がコナンTCGには必要です。

環境の調整

白1強の環境を調整して、どの推しキャラを使ってもある程度、対戦を楽しめるようにすることが大切です。これはX上でかなり言われていることなので、当たり前すぎるかもしれません。ただやはり運営とプレイヤー間で認識にギャップがあるようなので、より多くプレイヤーとコミュニケーションを取る取り組みをしていただきたいです。

実店舗を大切にする施策

上述したように実店舗の協力はTCGの発展に欠かせません。実店舗がコミュニティを育て、コミュニティが店舗にお金を落とす、そして、それが全体的な発展につながるそう言った良いサイクルを作る必要があります。そのため、カードの価格を守る、実店舗で買った場合の特典をつけるなど、店舗を大切にする施策を打っていただきたいです。

チャレンジ戦の調整

参加人数だけがKPIではありませんし、転売価格が高いということが良いということでもありません。全国大会ではないので、チャレンジ戦は、地域のコミュニティの発展のために寄与するべきです。難しいですが、遠征する程でもないけど、参加はしたいそう言ったレベルに調整する必要があると思います。例えば、もう一度、8月からのチャレンジ賞の景品を再度、景品とすることも良いと思います。そこで離れてしまったファンも帰ってくるかもしれませんし、転売目的のみのプレイヤーも減ると思います。直近の参加人数は、落ちてしまうかもしれません。

最後に

ここまで色々と批判を書いてしまいました。言うは易く行うは難しと言いますが、実際令和の現代で、転売のしやすい環境、さまざまなTCGの発売、デジタルカードゲームの存在等など、1カードゲームが長く発展することは難しいことだと思います。冒頭でも述べた通り、僕はコナンファンであり、コナンTCGファンでありますので、この厳しい環境の中でも、コナンTCGが長く発展していくことを心からお祈りしております。

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