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〈相続した青地の田んぼを手放した方法〉

農地で困っている人がいつか辿り着いてくれたら、自分の経験が少し助けになるんじゃないかと思いネット上に放流しておく。
農地も農業も殆ど知らなかった自分が1年間動き続けて、とりあえず6ヶ所の青地の農地を手放し現状落ち着いたのでその記録の様なものです。
ただ、8000字以上ある殴り書きなので読むのは苦痛だと思います。
弁護士や不動産屋からは(自分も農地手放せて無いから無理だよ。頑張れ!)と言われ、役場や農協からは(今の時代は無理)と匙を投げられた父からの置き土産〈青地の農地〉にどう対応してきたか書いておきます。
※素人なので法律や制度等間違いもあると思います。

〈前提・農地が手放せない理由〉

農地の中でも(青地)と呼ばれる土地が手放せない理由は、農地法という農家を守る為の法律によって保護されているからで、青地は自由に売買・譲渡する事が出来ない。
土地を所有出来るのは要件を満たす農家や法人のみなので、ジモティーなんかで農地譲ります。と登録して、農業に興味ある人に気軽に譲渡。みたいな事ができない様になっている。

※令和5年4月1日からの法律改正で農地法3条許可の面積要件が廃止された事でジモティーで相手探しが出来る可能性は高くなった。

〈自分の状況〉

・他界した父親が兼業農家で農地は徐々に減らしていたが田んぼ(青地)が8ヶ所と畑が1ヶ所あり今回は母親が相続。
・子供は全員実家を離れていて農機具等の扱い方は知らない。
・田んぼ2ヶ所は父が使用貸借で法人に20年契約で貸に出していた。契約は残り17年。(この土地だけ時限爆弾のように今も残っている)

すぐに対応が必要なのは畑1ヶ所・田んぼ6ヶ所。

〈まずはじめにやった事〉

ネットで色々調べる中で(負動産の窓口)というサービスに辿り着き、弁護士の方に無料相談をした。
農地を手放す大変さと、うちの状態のヤバさを改めて教えてもらう。
青地8ヶ所は量が多く、まず数を減らした方が良いという事だったので、自分でやれる事をやってどうにもならなくなったら依頼する。そう決めて教えてもらった事は全て実践した。
最後に頼る場所としてここがあると言う事が、精神的な支えになった。
うちは結局ここには依頼せず、自分でどうにかなったが、農地はどこに相談しても無理と言われ続けるので、可能性を示してくれる専門性を持った人に初期の段階で相談できたのは大きかった。

〈農地は放置出来ない〉

周りに迷惑かかっても良いと思える人は良いが、自分の場合は父親がずっと管理していた農地を放置している状態が嫌だったので、まず草刈りを農協に依頼した。
料金は1反辺り2万円で管理が必要な農地1回で約15万円
農地がある限り草刈りは一生続くが、年間5回草を刈ったら100万近い額が必要になる事実に引く。
問題は草だけではなく、田んぼは使わなくても水代も税金も払う必要がある。
更に農協は(畦は農地じゃない)という謎理論で畦草は自分で刈る必要がある。
一括管理をしてくれる場所はないかと、民間の農地管理を行なっている会社や草刈り業者で管理費用を簡単に見積もると年間400万以上かかる事がわかり詰む。
うちは4人兄弟だが他の兄弟は(母親がなぜ相続放棄しなかった。)(次は相続放棄するから自分達は何も出来ない)と現状を放棄されたので、高齢の母親か関東に住む自分がどうにかするしかない状況になる。

〈国の農業研修を受けてトラクターに乗れるようになる迄〉

父親は亡くなる直前まで農業をしていたので、実家には一通りの農機具は揃っていた。
ただ、誰もその扱い方は知らないし、トラクターの動かし方も草刈機の使い方もわからない。
とりあえず草刈りは自分でやらないと破産することがわかったので農協に相談すると農業研修制度があると紹介されたが、それはガチの研修で半年間かけて新規就農を学ぶ制度だった。
農家になる訳じゃ無いし、実家から300k以上離れた場所に住む自分には無理だ。

次は農林水産省に相談すると、筑波にある農林水産の研修所で農機具を扱う為の各種研修があり、参加費も無料だと教えて貰う。
父親が他界したのが10月で2ヶ月後の12月には筑波でトラクターの研修を2日間受けた。
研修は本格的な内容で今後一生乗る事はないであろう大型機械メインで、無料なのにかなり楽しめる内容だった。
ただ、この研修を受けたからと言って実家の機械が扱える訳もなく、YouTubeと父と付き合いのあった農機具屋の担当に教わり草の管理は自力で出来る様に。これで当面はお金に関しては安心出来る状態になった。

〈相続土地国庫帰属制度で農地を手放そうと思った〉

相続した不要な土地を国が引き取ってくれる救世主に見える制度が国庫帰属制度だが、結構な費用がかかるし認定される可能性も低く、申請する難易度も高い。
まず、うちの自治体(愛知)の場合は(国庫帰属を前提とした土地改良区からの離脱を認めない)と定められている為、どう足掻いてもこの制度は利用出来ない。
国庫帰属制度では賦課金等が発生している土地は対象外だが、うちの田んぼは全て土地改良区にあり賦課金の発生している色地(青地)と呼ばれている農地。国庫帰属制度をあてにした場合は愛知県民は完全終了。
因みに役場の農業委員会の人も愛知が国庫帰属制度を前提にした改良区からの離脱を認めていない事を知らなくて、最初に相談した際には国庫帰属制度を紹介された。
それくらいまだ周知されてない制度なので、専門家のサポート無しに役場に相談しながら自力でやるのは、ほぼ不可能だと思う。
仮にうちの田んぼが、土地改良区からの離脱が認められる場合でも難易度は高く、改良区から離脱する解約金の様なものが300万円以上、更に離脱した場合は配管設備等を撤去しなければいけないので、正式な見積もりではないが工事費用で1000万規模の費用が必要になるらしい。
このような費用をかけて土地改良区から離脱出来たとしても国庫帰属制度に100%通るわけでは無い。
国庫帰属制度の申請は改良区から離脱した後でなければ出来ないので、1000万円払って離脱して国庫帰属の申請をしたが通らず、農地としても使えず税金だけ高くなった死んだ土地が残る。そんな地獄も容易に想像できる。

〈不動産屋にお願いしよう。〉

当たり前だが売り物にならない土地扱う不動産屋はいない。
何軒かまわったが、当たり前の様に断られた。
それでも不動産屋に扱って貰いたいなら、成果報酬として1件売れたら50万円払うと言ったような方向であれば可能性はある。
自分は実際にインセンティブ付けるからと相談したが、成果+着手費用となったので不動産屋は早々に諦めた。

〈農地中間管理機構に借りてもらおう〉

農地を手放せないなら借りてくれるところを探そう。そんな時に救世主に見えるのが農地中間管理機構。
この制度は機構が不要な農地を借り上げ、集約し、必要な人に貸し出す。
そんな制度だけど、この形で運用されているのは一部の大規模農業を行っている地域のみ。
実際は貸し出す相手は自分で探す必要があり、管理機構が行っているのは賃借契約の管理だけなので、管理機構に借りてもらおうと思っても無駄だった。
ただ、管理機構が直接借り上げを行なっていない自治体では役場や農協が借り手を探すマッチングアプリの様な制度をつくっているので、これには登録はした方が良い。
実際にうちは無料で譲りたいという内容で登録し、2件の田んぼが役場を通してマッチした。

〈農地を借りてくれる人を探す方法〉

農地を借りてくれる人を探す方法は主に2通りあって、役場や農協を通じて相手を探すか、自力で探す。この2つのみ。
地元にツテのない自分は役場と農協に登録したが、地元は農地が余っている状態で、無料でも借りてくれる人を見つけるのは困難だと言われる。

父が他界したのが10月。米作りは苗の準備等を考えると4月迄には相手を見つけなければシーズン途中で借りる人は存在しない。
半年以内に借り手を見つけなければ翌年は自分で管理するしかない。
そんな状況のなか効率的に借り手を見つける為にどうしたか。それは単純で最低でも毎月1回は役場と農協に行き自分の状況を知ってもらった。
そうする事で、農協は担当者がついてくれ、借りてくれる可能性のある農家に直接話をしてくれるようになった。
役場では田んぼがある地区の農業委員に直接情報共有をしてくれた。
その甲斐もあり、条件の良い農地なら借りても良いという人が現れたのだが半数は断られた。
様々な場所に相談する中で、借りてもらえるのも奇跡的な事だと言われ続けていたので、条件のよい3ヶ所の田んぼで使用貸借の契約をすることに。
残り4ヶ所の田んぼと畑は自分で管理するつもりだった。
しかし、その数日後に農協の担当から田んぼ4ヶ所の譲渡に興味がある人がいる。と連絡がはいった。

〈田んぼの譲渡を受けて貰う為にした事〉

家から近い4ヶ所の田んぼなら借りたい。後々は譲渡も検討すると言ってくれた人の4ヶ所には、先日契約書を書いた1ヶ所が含まれていたので、農協の担当から先方に契約内容の変更をお願いしたところ(じゃあ全部やらない)と3ヶ所全て無しになった。
それでも譲渡を視野に借りてくれる人が見つかったので結果オーライ。

4ヶ所を借りてくれた方と譲渡について話をすると、譲渡された場合の税金がネックだと言う事がわかった。
数年単位で1ヶ所ずつなら貰っても良いとの事だったので、交渉を進める為に税金について自分なりに調べる事にした。
田んぼの無償譲渡で主に発生する費用は、3条申請費用、贈与税、登記費用、不動産登録・取得税。
この意味のなわからない費用達に関して、ネットで調べたり、各所に相談しながら一通りは自分で計算出来るようにした。
この費用を抑える為に、土地を譲渡ではなく少額売買にして贈与税を逃れる方法や、行政書士・司法書士を入れずに自分で全ての手続きをやる方法もあるが、今回は相手の方に絶対に迷惑をかけない方法で行いたかったので、後に税金が発生する可能性のある少額売買ではなく贈与で、行政書士・司法書士も入れる方向で先方に提案をした。

〈提案内容〉

・土地を譲渡した翌年に発生する贈与税はこちらが支払う。

・申請、登記手続きはこちらで行政書士、司法書士を手配し、関連する費用はこちらがもつ。

この2つを前提に譲渡によって発生する費用を計算式含め提示した。
この4ヶ所を譲渡する農家の場合は80万以上の贈与税が発生するので、こちらから100万支払うことを提案。
通常この100万にも贈与税はかかるので、今回の提案では農地とお金の贈与の時期をずらして基礎控除を2年分活用している。
※R6年に農地、R7年に費用を贈与した。
相手の方はこちらの提案を自身の税理士に相談した後に了承してくれた。

〈数年単位に分けなかった理由〉

贈与税のみを考えると相手方の提案した1年1ヶ所で毎年110万控除を活用する方が良いのでは?と思うが、3条の許可申請(行政書士)と登記手続き(司法書士)を入れる場合、数年に分けると毎回この2つの費用が発生するので、まとめて贈与した場合の税金以上に費用が必要になる。
ただ一括にこだわった1番の理由は数年の間に相手の気持ちが変化してしまう可能性を考慮していたから。

〈もう1人の農家さんの登場〉

4ヶ所以外の農地は翌年から自分で管理する覚悟をしていたが父の他界から5ヶ月後の3月、役場からマッチングアプリ(農地情報データバンク)を見て譲渡に興味がある人がいると連絡があった。
役場のマッチングアプリは正直諦めていたので驚いた。
便宜上マッチングアプリと書いているが、実際は役場のサイトに農地の住所、広さ、条件が大量に書かれたPDFが貼り付けてあるだけで、こんなのでマッチするはずがないと思っていたからだ。
ただ、この奇跡のお相手は4ヶ所を受けてくれた農家さんとは状況が違った。

〈農地法3条の許可申請の色々〉

青地と呼ばれる農地を動かす場合、1番ネックになるのがこの許可申請。
農地を譲る・貰うには役場の農業委員会の許可が必要で、書類と面談を経て可否が出るのだが、この制度の厄介な部分が貰う側の基準の厳さ
ザックリ言うと、計画性のある農家か行政が認定した法人じゃなければいけない。
今回、役場のデータバンクを見て連絡してくれた方は農家ではない一般の人だった。
農地法に照らし合わせるなら、この人に農地を譲る許可は下りるはずがないが、役場が間に入ったんだからOKかも。と淡い期待を抱く。

〈農地法3条の改正〉

R5年4月に農地法が改正され、今迄はある一定の農地を所有する農家しか3条による新たな農地取得が出来なかったが、現在はその要件が削除されているので、農家以外でも青地の農地を取得できる可能性が出て来ている。

結論から言うと、今回うちは新規就農の方に対し申請が通った。

農業委員会の人とは10数回話しているが、その中で聞いた例だと、花壇くらいの面積の青地に対して新規就農の人で申請が通った例もあるとの事。
申請のポイントはちゃんとした申請書類を作り、面談での応対、そして審査時の担当者次第らしい。
通りづらい担当者もいて、その場合は何度かチャレンジして通る場合もあるらしい。
今回は農家じゃない人に対して許可を貰った訳だが、これって可能性としてジモティーに農地あげます。と登録して相手を探す事も可能なんじゃないかと思う。
米の値段が上がっている今なら、自分達が食べる米を育てたい。みたいな一般需要はありそうだから農地を手放す事が少し楽になるのかもしれない。
一般需要と言うのが重要で、基本的に農家の人は農地を所有したいとは思っていない
何故なら、無料で貸したい人が大量にいるのが現状で、無料で借りた場合は、水代も税金も払うのは所有者。借りていた方がコストはかからないのだ。

〈司法書士・行政書士の選定〉

今回苦労した事のひとつが司法書士選び。
全部自分でやる。と言う場合は必要ないかもしれないが、うちの場合は相手の方に安心してもらう為にも専門家は必ず入れると決めていた。
最初は相続手続きを依頼した司法書士に相談したのだが、農地法3条申請の手続きは行政書士の業務であり、司法書士がやるのは登記手続きのみとの事。
ざっくり費用を出して貰うと、行政書士は外注で1件20万、登記手続きは譲渡は複雑だから1件70万。うちの場合は2件なので180万必要になると言われた。
正直、相続の時点からこの司法書士の対応がイマイチだったので別の場所にも問い合わせると、この提示された額が異常に高い額だった事がわかった。
その事を教えてくれた司法書士さんは(自分は農地の経験がないから詳しい人にお願いした方が良いかも。もし他にやってくれる人がいなくて自分でも良ければ協力します。)と言う神対応。
結果、行政書士・司法書士の両方の資格を持った、農地に詳しい方が見つかったのでその先生に一任した。

〈行政書士・司法書士の費用〉

今回の農地譲渡は、4ヶ所を引き受けてくれた農家さん新規就農の方が2ヶ所を引き受けてくれる事になったので2件、6ヶ所の手続きをお願いした。
かかった金額は相手方の対応、3条申請の手続き、面談の同行、登記手続き、登録税等の諸経費で約55万円。
うちの相続担当した司法書士はなんだったのか…。

まあ、結果としてすごく良い先生に出会えたし、良いお相手にも巡り合う事ができたので良かったか。

〈相続放棄について〉

農地問題に直面した時、調べれば調べるほど状況は悪く、当初は相続放棄を前提に考えていた。
母親に農地を全て相続して、自分達は2次相続で放棄する。それが当初うちの出した結論だった。
相続権が発生する親戚にも、いつかそう言う事になると思うから。と話をするくらいに方針は決まっていた。
ただ誤算だったのは(自分は相続放棄するから)と他の3人の兄弟が現状の対応も放棄した事だった。はっきり言ってちょっとした相続トラブルの様な状態にもなった。相続ってマジで揉めるんだな。って実感した。

この1年、関東と地元を往復しつつ、1人で農地関係の対応をして来たので、こんな長文をダラダラ書いても書ききれない経験をさせてもらった。
そんな経験って報われると思いきや、農地に目処がつきそうになったら(農地がないなら相続する)とか言い出すクソ姉がいて、ほんと相続は地獄。

〈1年間の流れ〉

2023/10  父他界
2023/10  農協が草刈り
2023/11   草刈機デビュー
2023/12  トラクター研修・実戦デビュー
2023/12  4ヶ所農家さん登場
2024/2   4ヶ所の使用貸借契約
2024/3    2ヶ所さん登場・2ヶ所の使用貸借契約
2024/8   相続手続き完了
2024/9   行政書士・司法書士契約
2024/12  登記手続き完了
2025/1    2件の農家さんへの支払い

〈ざっくり費用は175万円〉

・農家さん1  
贈与税84万+αで100万
・農家さん2
贈与税18万+αで20万
・司法書士さん
諸々で55万

これが高いかどうかだけど、自分はかなり安いと思っている。業者に年間の草刈頼む想定なら半額以下だ。
金額を抑えたい人は手続きを全部自分でやって、少額売買のリスク負うなら10万くらいで出来るのかもしれない。
農家2さんに関しては、役場のデータバンク経由なので贈与税の説明も役場で受けていた様だが、追加で1カ所引き受けてくれて感謝しかないので税金はうちで負担させて貰う事にした。

〈うちの農地の現状〉

最初は青地の田んぼ8ヶ所、畑1ヶ所あったが、畑は1年間草刈を続けこの春に売却予定でハウスメーカーが建売を6戸建てるそうだ。
田んぼは6ヶ所譲渡し残りは2ヶ所。
この2ヶ所は生前に父が使用貸借20年で法人に貸し出していて残り17年。
マジで意味わからない長期契約はやめて欲しい。
この2ヶ所は地元の隣の市にあるのだが、この市の方が農業の状況は厳しい。
例えば草刈、地元は農協が依頼を受けて農家さんを外注して草刈をしてくれる。費用は面積で決まっていて一反辺り2万円
しかし隣の市の場合は農協が斡旋する業者に依頼するかたちで、費用は1反辺り3万円〜
(から)と言うのは、農地の状態で追加料金がかかるらしく、場合によっては6万円くらいになるそうだ。
農協の人からは農地は今かなり余っていて借り手がつかない場所も多く、今借りてもらえてるなら現状維持すべき。と言われている。
17年後に契約が切れるこの2ヶ所の田んぼを今後どうするか。
これからまた色々と考えていかないといけない。
なんなら相続トラブルも起きそうだし。

〈この1年やってみて〉

農地問題、複雑すぎる。
この1年で問い合わせた場所は100ヶ所は超えている。
農地はこんな面倒な状態なのに、どう動いたら良いか誰も明確な答えを持っていない。
本も何冊も買ったが全く役に立たなかった
農家の担い手は今後、間違いなく少なくなる。一般の人は今は米が高いから農家良いんじゃね?なんて思うかもしれないが、生産から販売迄を自分でやってる場所以外は、今の高値なんて殆ど効果はない。
農協の人に去年の米の買い値きいたけど、気持ち値上がりしているが、経費増を考えたらむしろきつくなってるんじゃないだろうか。
トラクターとか普通にアルファードみたいな値段するし。

農地問題でこれから本当にまずいのは自分の地元の様な大規模農業に適さない地域
今はまだ放棄される場所も少なくギリギリでまわしているけれど、なぜ土地を貸している人が水代・税金を払わないといけないのか?
なぜ利益もでないのに他人の田んぼ作らなきゃいけないのか?
今ははっきり言ってそんな状況。誰も幸せにならないこの状態が崩壊しないわけないし、隣の市はもう崩壊が始まっている様な感じだ。
自分はずっと美術をやってきたので、この1年やっていた、リサーチや交渉したり、実際の作業をする事っていうのが、普段の作品制作と同じ工程だから楽しんでやれたけど、サラリーマンしていてこの状況だったら誰かさんみたいに(相続放棄すんから知らない)ってなってたかも。

ダラダラ殴り書きしたこの文章だけど、自分と同じ様に親が残した農地で、どうにもならなくなっている人には少しは役に立つかも知れない。
そう思って、ネットに放流させてもらいます。
こんなパターンもあるんですよ。って話でしかないけど、誰かの役に少しでもたってくれたらこの1年報われるわー。


追記

〈手放す為にやった事〉


所有する農地の隣接農地全ての所有者を農業委員会で調べた。
農地は1ヶ所に集中していた方が圧倒的に作業効率が良いので、譲渡や借りてもらえる可能性が高いのは隣接農家さん。
所有者がわかった後は登記簿から住所を調べ手紙を出す予定だったのだが、情報を集める中で全ての農地が自分達では農業を行っていない事が判明した。

〈農地の価格には要注意〉

実際にこの価格によるトラブルは多発しているそうで、自分も最初は意味がわからなかった。

例えばAがBに農地10ヶ所を無償で譲渡したいと申し出た場合。
Aの農地は全て青地(倍率15)で固定資産税評価額は1ヶ所10万円
Bは10ヶ所譲り受けても評価額は100万円だから贈与税かからないからと引き受けたとする。
この場合にBが翌年納める贈与税ゼロではなく約550万
計算式はこの様になるはず。
10万×15×10−110万−175万×0.45=5467500円
(固定資産税評価額×倍率×数量−基礎控除−控除×税率=贈与税)
この様に固定資産税評価額だけを見て大変な事になっているケースが実際にあると聞いた。
青地の農地は地域毎に倍率が設定されていて、土地の固定資産税評価額が安くなっている。
そのおかげで毎年の固定資産税はかなり安いのだが、注意しなければいけないのは、本来の土地の価値は相続税評価額なので、固定資産税評価額×設定された倍率をかけたものが、その土地の価値として扱われる。
これを見落とすと絶対にトラブルになる。
じゃあ、贈与税払うの大変だから1ヶ所100円で売買にしよう。そう思う人もいるいると思うし、実際にその様な価格で売買されている土地もある。
ただ、この場合は低額譲渡とみなされて税務署から指摘される可能性がある。
実際に税務署に問い合わせた際には土地本来の価格に沿った税金を納めて貰う事になると言われた。
この辺りは複雑というか微妙なところで、少額で売買して問題なくいけるパターンもある様なのでどうするかは本人次第だと思います。
うちの場合は貰ってくれる方に迷惑をかけたくなかったので無償譲渡で贈与税もうちで支払っています。

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