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よさこい:人生の半分を費やす価値のある趣味⑨ ~新時代~

2015年、空~Qou~はとんでもない挑戦を試みます。
空~Qou~新たな歴史がここから始まります。

大きな決断

2014年に10周年を迎え、イベントも行いました。
そこで、僕自身、一区切りがついたというか、なんというか。

今まで、賞レースに参加し、そのために様々な方向性を決め、正直楽しくないこともやらなくてはいけませんでした。
苦しさや辛さが年々増えていくのも実感しました。
「このままでは、空~Qou~を続けるのは難しい」
そう、思うようになりました。

そんなある日、テレビで高知よさこいが流れてきたのです。
2010年に、実際に高知にいってよさこいを見て、とんでもなく感動し、衝撃を受けたことを一気に思い出し、やっぱりよさこいをやっているなら、一度は高知に出たいという思いがありました。

そこで、僕は2015年は高知よさこい参加を軸に活動を行うことを決めました。
そうはいっても、本場のよさこいが、どういうものか、見たことはあったけど実際参加したこともないし、ましてや何が必要で、何をしなければならないかも、全然わかりませんでした。

君が踊る夏

これは映画のタイトルです。
以前にも書きましたが、この映画が空~Qou~に大きな幸運をもたらしたんです。
そして、高知よさこい参加に向けて、再び参考にしました。

劇中で主人公たちが参加するチーム
「いちむじん」
参考動画 
https://www.youtube.com/watch?v=KdkrO0buyWk

実際に高知のよさこいチーム、ほにやさんがモデルになっています。
僕は、このチームが踊る曲「夢見て候」が大好きでした。
高知にでるなら、こういう感じの曲がいいなぁと思い、作曲さんにそのように依頼しました。
そして、出来上がったのが、2015年楽曲

「夢物語」

です。

このタイトルには、僕の思いが強く入っていて、高知に出ることが夢となり、それに向かって歩んでいく空~Qou~の姿を、物語にできたらいいなという思いと「夢のような想い出」ができたらなという気持ちで作った作品です。
衣装も和風のデザインで、曲も和風。それまでの空~Qou~とは、がらりと雰囲気を変えての挑戦でした。

鳴子って!!

なにより苦戦したのが「鳴子」でした。
それまで、鳴子は持ってはいましたが「鳴らす」という概念は低かったです。
高知のよさこいは、この鳴子を鳴らすことが、かなり重要なポイントで、どのチームを見ても、鳴子の音がすごく響いています。
そういえば、BIG WAVE時代に、高知の方に振りを作ってもらったとき、一度だけ鳴子の持ち方を教えてもらいました。
でも、それっきりだったので、空〜Qou〜で鳴子の持ち方や、鳴らし方を深く考えたことはなかったです。

僕は、あのとき教えてもらったことを必死に思い出し、メンバーに鳴子の鳴らし方を教えました。
昔の記憶だし、しっかり習ったわけではないので、たいしたことはできませんでしたが、なんとか形になるまでは、鳴らせるようになったのではないかと思います。
でも、振り付けを作る段階で、そこまで鳴子を意識して作っていなかったので、無理があるところもありましたし、本来、鳴らすべきところで鳴ってなかったりもしました。
そのあたりは当時、名古屋で高知のほにやさんのプロデュースで踊っていたチームの方に、アドバイスを頂いたこともあります。

鳴子を鳴らすことを意識して演舞をすると、きれいな音が鳴った時、すごく気持ちがいいんですよね。
その音が、チームで揃ったときはもう何とも言えぬ一体感があります。
これが高知のよさこいの魅力の一つでもあります!

前に進む踊り

高知のよさこいは、前夜祭から全国大会まで含めて4日間あります。
曜日に関係なく日程が、決まっていて毎年8月9~12日なんです。
そのうち空~Qou~が出たのは本祭10、11日の二日間です。

そして、本祭はほとんどが流し踊りなんです。
高知よさこいには

『鳴子を鳴らす踊り』
『前に進む踊り』

という、大きな柱となるルールがあります。
それもそのはず、ほとんどが流し踊りなんだから、前に進めなきゃ、お話にならないということです。

もともと高知よさこい祭りは

「戦後、高知の街に活気を取り戻そう」

ということで始まりました。

「前を向いて楽しく生きよう」

という思いが込められているんです。
だから、前に進む踊りでなければいけないのです。

空~Qou~は、どまつりでパレード演舞を経験していましたが、高知の流し踊りとはわけが違う!
話には聞いていましたが、実際に参加してみて、この本当の意味が分かりました。
4分の演舞で、100m以上は進めるようにしておかないと、高知で踊ることは不可能です。
それが、どんなに大変なことなのかは、挑戦してみてわかりました。

踊りの中で、ずっと前に進みながら踊る。
これは、足をずっと動かし続ける演舞でなければいけません。
かといって、行進みたいになってしまっては、見てても面白くもなんともないんです。
変化を持たせながら、強弱もつけてさらには、見てくれる人が楽しんでいただけるような足の運び。
これは、かなり難しかったですね。
また、ステージの演出ならば、踊る人、踊らない人がいて、しゃがんでいたり隠れたりもできるのですが、高知のよさこいはそれは一切できないんです。
そんなことしたら、流れが停滞して、迷惑をかけてしまいます。
なので、ずっと踊り続ける振りをつ考えるのですが、それがまた、難易度が高い。
全員が同じ踊りをやり続ければいいんですが、どまつりをずっとやってきた自分は、そういう発想がなく、パートを分けて演出することを考えてしまうんです。
そうなると、進むスピードは全員同じで、足の運びも基本は同じ、そのうえで上半身や腕の動きに差をつけるということを考えないといけないんです。
苦労しましたね…。
それから、よくどまつりなどで使われる、道具による演出。
これも、高知の場合はずっと前に進み続けているので、道具を地面に置いたり、取りに行ったりは基本出来ないんです。
だから、あまり凝った道具は使えない。
使うとしても身に着けていられるものというのが基本です。

高知への準備だけで、今回終わってしまいました。
ほんとは書きたいことがもっとあるのですが、長ったらしくなるので。
次回は、地方車について、書いてみたいと思います。


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