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よさこい:人生の半分を費やす価値のある趣味⑰ ~素材~

前回は、僕の勝手な思いをつづりましたが、今回は再び空~Qou~の話に戻ります。
2019年、空~Qou~は再び高知よさこいに参加します。

ほかにはないもの!

空~Qou~の演舞は、どの作品も「オンリーワン」を目指して作ってきたつもりです。
実際、そこまでできたかは疑問ですが…。
2019年の演舞曲「彩-irodori-」は空~Qou~の演舞曲の中でも、初めての試みだったように思います。

よさこいって基本的には群舞です。
たくさんの人数が同じ演舞を踊る。
もちろんその中には、パートに分かれている場面や、提灯や纏といった役割もいて、様々な演出があると思います。
空~Qou~もあります。
でも、基本は全体で見たときに、いかにそろって見えるかを重視し、そこの一体感から生まれる「美しさ」「迫力」「盛り上がり」があると思っています。
私も、昔はメンバーに、とにかくそろえることを重視させ、個性はなるべく出さないようにいってきました。
この個性の話ですが、誤解のないように言っておきますが、個性は必要です。
でも、それはしっかりとした演舞の土台ができていて、基本が忠実に踊れたうえで、そこにそれぞれの踊り方の癖や、若干の間の取り方の違いや、タメ、さらには、振りと振りのつなぎの部分の違いなど、それらは出してもよい個性だと考えています。
しかし、基本を無視した踊り方、例えば、カウントがずれるとか、一人だけ動きが大きすぎるというのは必要のない個性です。


一人一人の「彩(いろどり)」

2019年に考えたのは、人数も減って、新しいメンバーも入り、その中でどういった演舞がお客さんにとって楽しいものになるのかを追求しました。
先に書いたように、よさこいは基本的には群舞なので、揃っていたほうが良いのですが、20人以下の人数になってくると、この群舞で見せる「集団美」というのが難しくなります。
ましてや、空~Qou~は中学生以下が半分、ほとんどが女子。
見た目にも、迫力がなく、そこをどうカバーすればよいのか、必死に考えました。
そこで出した答えが

「個性を全面的に押し出そう」

という作戦です。
どういうことかというと、踊りのうまい下手は当然あるけど、それよりも…その人が持っている良い部分、例えば、
笑顔・ダイナミック・表現力・リズム感といった個の部分を強調させて、演舞を構成するような演出と振り付けを考えました。
もちろん揃えるところは揃えます。
でも、見てる側がどの踊り子を見ても楽しめるような、そんな演舞ができたらいいなぁと思って作りました。

参考動画
https://www.youtube.com/watch?v=oJg1RIIgcG0

個性を生かすって、かっこいいこと言ってますが、一歩間違うと演舞が崩壊します。
ワチャワチャになりかねないです。
そのぎりぎりをどう表現するか。結構シビアでした。
隊列一つとっても誰をどこに配置するか、かなり悩みました。
すごくバランスを考えるのがたいへんでしたね。
でも、そのおかげで、少ない人数でも楽しめる演舞ができていたように思います。


輝かせたい願望

ちょっと偉そうに語ると、僕は踊り子それぞれの素材(潜在的な魅力)を見つけるのが好きです。
これって、一歩間違うと押し付けになるので、そこが怖いのですが、踊り子さんってみんな「こんな踊りをしたい」とか「こう踊りたい」「○○さんみたいになりたい」みたいなものを持ってると思うですよね。
でも、それがイコール
その人の本当の魅力
につながるとは限らないんですよ。
それは、見た目もありますが、そうじゃなくて奥底にあるその人の表現力みたいなもの。
これを引き出したいと、いつも思っています。
「そんなのやりたいようにやらせてよ~」
もちろんやりたいようにやってもらえばいいんです。
趣味ですしね。
でも、本音を言うと、チームの演舞として、この人のこういうところが出てきたらいいなぁとか、その部分をもっと出せばすごくお客さんをひきつけれるのになぁとか思うんですよね。
自分の魅力って、自分ではよくわかってないことのほうが多いんですよね。

反感を覚悟でいうと、例えばメイクとかでも、ブルーベースの子がイエロー強めのメイクしたり、服とかもあこがれる気持ちはわかるけど、そっちじゃないよなぁとか(お前が言うなっていわれるな…)

自分はおしゃれでもなければイケメンでもないので、豚のコスプレぐらいしかできませんが、世の中には、素材がいいのにもったいないなぁと思う人はたくさんいます。
でも、そこを輝かせようと思うと、鬱陶しいがられることのほうが多いですね。
僕も気が弱いので、それ以上は言わないようにしてます。
でも、長年よさこいをやらせていただいているおかげで、外からの目は持っている気がします。
観客がどう見えているか、どう見せたら喜んでもらえるか。
それは、長年の経験で少しはわかっているつもりです。

空~Qou~の踊り子には、いつも見られてもらえることが喜びになってほしいという話をします。
よさこいをやる以上、人前で踊るのが前提です。
スポーツよりも演劇とかに近いんですよね。
だから、お客さんの反応を気にすることは大事なんですよ。
反応を気にせずに、ただ踊っていてもそれは自己満足であって、人前で踊る必要がないとまで思っています。
人前でやるからには、見てくださる人たちの貴重な時間を頂戴して自分たちのやっている趣味を、自分たちが好きでやっていることを見てもらっている、それに対して、何かしらのお返しをしないといけないですよね。
例外もあります。

もう、踊ることが好きで好きで、楽しくて仕方がないという人。

この人は、ただ楽しく踊ってくれれば、それが見ている人に伝わり、さらにはメンバーにも伝わって、とても良い効果を生みます。
こういう人は、そんなにいませんので、すごく貴重な存在です。


距離は近いほうが好き!

話を戻しますが、2019年はそんなところに意識して作られてます。
そして、空~Qou~は5分とかの枠でタイムスケジュールが決まっていて、1日3~4本踊るイベントも好きですが、道の駅や老人ホームで踊る、持ち時間が30分ぐらいもらえるようなイベントも大好きです。
お客さんとの距離が近く、反応がわかりやすい。
何よりお客さんも踊り子も熱がすごく伝わりやすいんですよ。
それが、相乗効果でどちらも盛り上がっていく。
あの感じがとても好きなんですよね~。

もちろん、状況をみて適度な距離をとりますよ。
そういうイベントって、よさこいを見に来てくれている人も、もちろんいるし、そうでない人もいるんですよね。
そういう方って、少し離れたところで、腕組んでみてたりするんですよ。
でね、その方を目の片隅に入れながらパフォーマンスをします。
圧が強くなりすぎない程度にだんだん、アピールしていくんです。
そうすると、興味を持ってくれるんですよね。
手拍子とかしてくれたら、もう最高です!!

なんか気が付いたら2019年の演舞の話がほとんどない(笑)
まあ、みなさんの記憶にもまだ新しいですし、書こうと思うと、難しいこともあるのですが。
僕も、つい最近の話だから、なんか書きにくくて。
でも、次回書きますね!!

今回も読んでいただきありがとうございました。

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