3.初!女子大に行く
愛知学院大学・競技ダンス部(当時は舞踏研究会)に入部して約1ヶ月、享楽の限りを尽くす生活に贅沢にもそろそろ飽き始めて来た頃、ついにその日が来たのである。
そう、初めて社交ダンスをする日が。
ある日いつものように部室にたむろっていた新入部員達に向かい、先輩がこう言い放った。
「今日はこれから名古屋女子大学に行くぞ!」
な、な、なんとついに女の園に❗
私のシタゴコロはもうこの時点でトップギアである。
しかしここで賢明な皆さんはこう思ったに違いない。
何故ダンスをするのに女子大に行かねばならないのか?と。
ここで少し大学の競技ダンス部のシステムについて説明しておこう。
多くの場合、競技ダンス部はリーダー校とパートナー校で成り立っており、男子部員が所属しているのがリーダー校、女子部員が所属しているのがパートナー校となる。(たまにリーダー校に所属している女子部員もいる)
この場合はリーダー校が愛知学院大学、パートナー校が名古屋女子大学(短大含む)なのである。
そして私が部員だった当時は、我が愛知学院大学・競技ダンス部の練習場所はなんと名古屋女子大学のキャンパスだったのである!
田舎から出て来たばかりの青春真っ盛りの男子にとってこれ以上に興奮する場所があろうか?
それまでの食事会や遊びに連れて行ってもらったりしていた時にすでに名古屋女子大の女子部員にも会ってはいるのだが、相手の本拠地に行くのは初めてだった。
「いや〜、女子大ってどんな所なんだろうなー。緊張するよなー。」
などと他の新入部員と話している内に、私達を載せた先輩の車がついに名古屋女子大に到着し、手馴れた感じの先輩の後に続きおもむろに校内へと足を踏み入れていく。
当たり前だがすれ違う学生が全員女子である。
誰かが言う。(私ではない)
「マジか〜、楽園じゃんココ!
合法的に中に入れるなんて最高じゃね!」
アホである。(私も思ったけど)
そして練習場所の教室に着くと、そこにはすでに会った事のある女子部員の他にも初めて見る女子部員もおり、合わせて20人くらいがいたように記憶している。
やっぱり女の子がいっぱい。
全員そろったところで、先輩が言った。
「今日から皆さんには本格的にダンスを覚えてもらいます!
まずはパーティーダンスから始めていきます。」
パーティーダンス?
人生で初めて聞く言葉である。
それって社交ダンスと違うの?
えっ、どうなのよ?
次回、ようやく初めてのダンス!(多分)
ダンスするところまで辿り着かなかった・・・。