10.邂逅編 Part.1
前回の記事で初登場の「のちの妻」であるが、意外と反響が多かったので、ホントは出番はもっと後の予定だったのだがフライング・デビュー!
その正体を知るのは初めてのダンパから約4ヶ月後の9月半ばのことであった。
そこに至るまでもナンヤカンヤあったのだが、その話しはまた後日。
9月にいったい何があったのか?
言わずもがな、あの「名城学院対抗戦」である!
・・・えっ、知らない?
それではここで少し説明しよう!
もうすでに皆さんご存知かと思うが、愛知県には名大、愛大、名城、そして愛知学院の4校に競技ダンス部が存在する。
その中でも名城と愛知学院は昔から切磋琢磨してきた仲らしく、以前から2校での対抗戦を毎年恒例で行なっているのである。
そしてその中に新人戦という、それぞれの大学の1年生のみで競われる部門があり、実質1年生にとっては初めての実戦となるのである。
そう、これは私が初めて社交ダンスの試合、つまり競技ダンスでデビューした話しとリンクしているのである。
地獄の夏合宿(この話しもまた後日)を乗り越え、ようやくデビュー戦を迎えた私であったが、はっきり言ってまったく自信はなかった。
というより、何がどうなると評価されるのかが見当がつかない。ただ習った事を一生懸命やることしか出来なかったし、名城の1年生がどんなレベルなのかも謎であった。
ドキドキしながら試合の開始を待っていると、私とカップルを組んだ名古屋女子大の同期の女子が繋いだ手を震わせながら言う。
「初めてって緊張するね❤️」
そ、そうかい?
「私、オオサカ君が初めてで良かった。」
そ、そう? ぼ、僕もだよ。
「優しく・・・ね❤️」
も、もちろんさ!
なんて甘酸っぱい会話をしている内についに試合の火ぶたが切って落とされたのであった。
試合は2種目総合で争われ、2校だけなので全部合わせても12、3組の出場だったと思う。
競技ダンスの試合には予選があり、一度に10〜15組くらいのカップルが一斉に踊り、半分だけが次のラウンドに進めるというシステムになっている。
今回は準決勝を12組で踊り、良かった6組だけが決勝に進出するという試合であった。
私達はフルチェックで準決勝を通過し、残すは決勝のみという状況になった。
※注∶フルチェックとは審査員全員の点数が入っていたという事である。
決勝前に例の先輩が励ましに来てくれた。
「あら、フルチェックじゃない。
やるわね、坊や。
もし優勝したらご褒美、ア・ゲ・ル💋
男を見せなさい! 坊や。」
そうなんすか!?
よーし、泣いても笑っても最後だ!
こうなったら優勝だー! (単純である)
と意気込んでいた時、パートナーの女子が私に話しかける。
「ねぇねぇ、何かコッチを凄い睨んでくる子がいるんだけど。」
えっ、そうなの?
「知り合い?」
いや、知り合いはいないはずだけど・・・。
見ると確かにコッチに激アツにガンを飛ばしてくる女子が。
なんだよ、感じ悪いな〜。
・・・いや、まてよ?
どっかで見たような・・・。
アーッ!!
のちの妻である。(2回目)
次回、なぜ彼女は私を睨んでいたのか?
その謎が明らかとなる!