50. さらば!セクシー先輩
準決勝からしばらくして結果が貼り出された。
セクシー先輩は・・・決勝には残れなかった。
なんでだよー!
私には何故ダメだったのかはよく分からなかったが、悔しいことだけは確かだった。
さぞ落ち込んでいるであろう先輩に労いの言葉を掛けようと近づくと、先輩は思いのほかサッパリとした顔をしていた。
お、お疲れ様でした。・・・残念でしたね。
「応援ありがとね、坊や。まぁ、残れなかったのは残念だったけど、悔いは無いわよ。」
えっ?
「言ったでしょ、会心の踊りだったって。アレでダメなら諦めもつくわ。」
で、でも。
「アタシは全てを出し切った。それを決めるのは審査員じゃない、アタシよ❗」
た、確かに。
「いい、坊や。成績は審査員によって良い時もあれば悪い時もある。
でも全てを出し切るかどうかは自分にしか決められないのよ❗」
はい!
「それと、今日ファイナルに残った選手達もアナタと同じように大学でこのダンスを始めた人がほとんどなのよ。」
そうなんすか!?
「そう、坊やにはまだ3年あるんだから今から頑張ればアナタもその舞台に立つ事が出来るわ。」
マジっすか!
「アナタなら出来るってアタシ信じてる。後悔の無いようにやんなさい。」
はい! 4年間お疲れ様でした!
ありがとうございました!!
それからセクシー先輩はしばらく帰って来ず、応援席に戻って来たのは決勝が終わってからだった。
試合後、東京から名古屋へと戻り、名古屋駅でそのまま解散となった。
セクシー先輩の踊りをもう見ることは出来ない。
しかしこれまで教わったたくさんの事とその生き様は、今でも私の脳裏に焼き付いている。
ありがとう、セクシー先輩❗
さらば、セクシー先輩❗
この日を境に私のダンスに取り組む姿勢が変わっていったのは言うまでもない。
次回、新しい年が開ける!
P.S.アナタからの“スキ”や“フォロー”はとても嬉しいです😍 ますます私もギバーズゲイン!