40. 邂逅編ゼロ
いよいよ名城対抗戦が次の日に迫り、私は“髪上げ”の為、他の1年男子と共に部長の家に上がり込んでいた。
“髪上げ”とは試合の為にダンスヘアーをセットする事である。
普通は試合当日の朝にセットするのだが、1年生は初めての試合なので当然“髪上げ”も初めてだ。
“髪上げ”はノーマルなヘアセットとは違い、初回はセルフでは出来ないので部長に習いながら作るのである。
んでもってその日はそのまま寝ないといけないので、うつ伏せでしか寝れない。
試合当日の朝、緊張とうつ伏せでしか寝れなかったせいで多少寝不足のまま会場に到着した。
セクシー先輩が見える。
おはようございまーす!
「あら、坊や。いいじゃない、そのアタマ。」
マジすか。変じゃないすか?
私のアタマはカッチカチのテッカテカでしかも七三分けである。
「フフッ、とってもカタそう❤️
それなら崩れることはなさそうね。」
カッチカチっす!
先輩が私のアタマをツンツンする。
「あん、こんなにカタいの初めて❤️」
なんせ昨日からカタめてますから。
「それにしても見事なトサカね。」
私のアタマは七三な上に七の部分はトサカのようなポンパドールになっている。
「そのトサカは自分でオッタテたの?」
いや、これは部長が・・・。
「凄いそそりタッテるわね💋」
部長が説明に入る。
「結構タチやすかったっすよ、こいつのアタマ。」
「慣れたものね。」
「そりゃあもう2年、自分でタテてますからね。」
ちなみに今まで説明してなかったが、部長は3年、セクシー先輩は4年である。(3年時に部長だった部員が4年で主将になる)
「凄〜い、こんなにカタくてそそりタッテる❤️」
お褒めに預かり光栄です!
「これなら最後までイケそうね💋」
もちろんっす!
「アタマは完璧だから、あとは踊りね。
最後までヤリヌキなさい、坊や❗」
はい!
こうして初めての競技会の火ぶたが切って落とされたのである。
その様子は下記参照。
10.邂逅編 Part.1|オオサカ タカフミ/社交ダンサー #note https://note.com/taka0202/n/nce686cad296f
11.邂逅編 Part.2|オオサカ タカフミ/社交ダンサー #note https://note.com/taka0202/n/n59704ebad6da
次回、新たな幕開け!?
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