51. ハッピーニューイヤーはフェロモンで明ける

あの冬全から1ヶ月、

新しい年が明けた。

そして新年最初の練習日。

「みんな明けましておめでとう!」

おめでとうございまーす! 今年もよろしくお願いしまーす!

「もう4年生はいないが、あと3ヶ月で新入生も入ってくる。」

あっ、そっか。

「そしたらお前達も先輩になるんだぞ。」

え〜、大丈夫かなぁ。

「それまでにあと2種目、スローフォックストロットとパソドブレを覚えなきゃならんぞ。」

は〜い。

「よし、まずはスローフォックストロットからだ。」

スローって何かあのフワッ〜とした踊りっすよね。

「ま、まぁそうだな。ワルツやクイックステップと同じスウィング・ダンスの仲間だ。」

そうなんすね。

「もともとはフォックストロットっていうダンスにワルツの動作を取り入れたのが、スローなんだ。」

へぇ〜。フォックスってキツネのことっすか?

「いや、ハリーフォックスっていう人が考案したダンスだからこの名前になったんだよ。」

なるほど〜。

「まずは踊ってみるからよく見てるように!」

部長は同じ3年生の女性の先輩とホールドを組む。

今までセクシー先輩・デヴィ先輩のキャラが濃すぎてあまり目立たなかったが、この先輩もダイナマイトボディーの持ち主である。

豊かな胸元がハチ切れんばかりに自己主張をしている。

そういえば冬全は4年生の先輩と組んでラテンに出てたな。

あの2人が抜けた後、この先輩からダダ漏れるフェロモンはかなりのものだ。

ゆったりとした4拍子のジャジーな曲が流れ始める。

2人は曲に合わせてゆったりとした動作で動き出す。

すると2人は足にローラーが付いてるのではないかという程スムーズに、そして静かに移動していく。

スゲー、足音がほとんど聞こえない!

・・・だけどイマイチ何をやってるのかハッキリしないな。

何かこれといった特徴が無いんだよね。

結局つかみどころが無いままデモンストレーションは終わった。

「どう、わかった?」

全然わかんないっす!

「フフッ、そうよね。ステップに特徴が少ないもんね。アタシもそうだったよ〜。」

フェロモン先輩がフォローしてくれる。

「まずは1番基本的なフェザーステップから覚えるのが良いよ〜。」

フェザーステップ?

「そう、たった3歩だけどね。コレが出来れば後はだいたい大丈夫よ〜。」

そうなんすか。 3歩なら余裕っすね!

「じゃあステップ覚えたら見せて頂戴ね〜。」

はい! お願いしまーす!

フェロモン先輩はフワッとした雰囲気で、セクシー先輩とは違ったチャーミングさがある。

次世代のニューヒロイン爆誕!?

次回、フェザーステップの行方は?


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