56. 邂逅編 Part.3〜雪解け〜

後ろに立っていたのは明らかに彼女であったが、試合の時とは随分と雰囲気が違っている。

あの時はドギツいイメージだったが、こうして見るとかなり清楚な印象だ。

や、やぁ、初めまして。

「こ、こんばんは。○○です。」

あっ、初めましてじゃないか。

「去年の対抗戦で・・・。」

そ、そうだよね。(あんだけガンつけてたからな〜)

「よろしくね。」

こ、こちらこそ。

あの時の彼女とは別人に思える程おしとやかだ。

そこからは彼女も交えて交流を深めることとなった。

実際に話してみると彼女はとても気さくで話しやすい人だった。

静岡出身であること、高校生の時から社交ダンスを始めたことなど、屈託のない笑顔で話してくれる。

それにつられてコチラもついつい饒舌になってしまう。

いや〜、実は初めてダンパで見かけた時から気になってたんだよね〜。

「そ、そうなんだ。」

けっこうタイプなんだよね〜、○○さん。

「ヤダ、からかわないでよ〜。」

いや、ホントホント。

「おいおい、オオサカ君、皆んながいる所でウチの女子をナンパしないでくれたまえよ(笑)」

キザなイケメン君から突っ込みが入る。

それもそうか、ゴメンゴメン(笑)

そういえばさ〜、なんか対抗戦の時コッチを睨んでなかった?

「えっ、あの、・・・そんな事してないもん!」

(顔を真っ赤にしてカワイイな〜)

いや、絶対睨んでたよ〜。

「あれは、その、試合の時は変わっちゃうからアタシ・・・。」

そうなんだ。

「ちょっと悔しかったっていうか、何ていうか・・・。」

(うつむいて恥ずかしそうにしてる感じがたまんないな〜)

いや、別に全然いいんだけどさ。

「不愉快な思いさせたんならゴメンね。」

(素直な所もまた良いじゃな〜い🤤)

全然大丈夫さ。(ちょっと気取っておこ😎)

「オオサカ君って思ってたより良い人だね。」

えっ、どんな奴だと思ってたの?

「なんかもっとクールで鼻持ちならないイヤな奴かと思ってた。」

なんで?

「試合の時そんな感じだったから・・・。」

じゃあ一緒だね、ウチら。


「そっか、そうだね。」

改めてこれからよろしくね。

「う、うん。こちらこそ。」

こんな風にだいぶいい感じに打ち解けてきた2人であったが、交際に発展するのはまだ半年以上先のことであった。

なぜなら、

彼女にはこの時付き合っている人がいたからである。


ガビーン😱

この後の話しはまたいつか。


次回、いよいよ最終回。(の予定)


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