38. ファースト・コンタクト〜マタへの遭遇〜

あの夏合宿から初めての練習は1週間後のことであった。

その日からは学院名城対抗戦を目指してのカップル練習が主であった。

「よーし、じゃあワルツから始めるぞー!」

それぞれがカップルを組む。

私も早速パートナーとホールドを組む。

よろしくね。

「うん、頑張ろ❤️」

とは言ったものの初めての試合で何をどう頑張れば良いのかはさっぱりわかってない。


とりあえず曲がかかったので踊り出す。

イーチ、ニー、サーン、イー(ガンッ!)

「あん❤️」


踊り始めてすぐ私の右太モモが彼女の股にぶつかってしまった。


あ、ゴ、ゴメンね。大丈夫だった?

「うん、大丈夫。こっちこそゴメンね。」

もう1回やってみよ。

イーチ、ニー、サーン、イー(ガンッ!)

「またアタってる❤️」


また私の右太モモが彼女の股に直撃だ。


ゴ、ゴメン!

おかしいな。先輩とやる時はこうはならないんだけど。

「あの・・・痛くはないんだけど・・・その・・・恥ずかしいから・・・💦」


だ、だよね。ワ、ワザとじゃないんだけど。

ちょ、ちょっと先輩に聞いてみよっか?

私は近くにいたデヴィ先輩に声をかけた。

先輩、何かうまくいかないんすけど。

「ん? どれどれ? もう1回やってみて。」

再度やってみたが、やはり私の右足は彼女の股を突き上げてしまう。

「ちょっと〜、女の子なんだから優しく扱いなさいよ〜!」

す、すんません。

「あのね、そんだけコンタクトが離れてりゃ当たるに決まってんでしょ!」 


コンタクト?

「夏合宿の勉強会で習ったでしょ!」

そ、そう言えばそんな言葉があったような無かったような・・・。

「あったわよ、確実に! まったくも〜!

じゃあ質問ね。ホールドした時に手や腕以外でコンタクトする場所はどこだったかしら?」

・・・え〜と、その〜。

「右腹部と右の骨盤です!」

パートナーが答える。

「正解! 女の子に教えてもらうようじゃまだまだね、ボクちゃんも。」

ゴメン、ありがと。

「今2人はその2箇所コンタクトしてたかしら?」

あ、そっか。

「さっきガッバガバだったわよ。

コンタクトが離れてると男性の動きが女性に伝わりづらいでしょ。」

全然考えてなかったっす。

「特に骨盤は絶対に離れちゃダーメ💋」


はい。

「ほら〜、言ったそばから腰が引けてる!」

えっ?

「もっと腰を押し付けなさいよ。」


こ、こうすか?

「あっ❤️」

「そう、ちゃんとイれるの!」


腰を入れると自然に腹部もコンタクトしてくる。

そうなるとその上にある何かもコンタクトする。

パフッ。


私の胸に彼女の何らかの膨らみが当たる。

確かにこの感触はさっき無かったな。


「そう、だいぶ良くなったわね。そのまま動いてみて。」

はい。

イーチ、ニー、サーン、イーチ、ニー、サーン。

おっ、当たらない。今度はスムーズにステップが踏める!

「ほらね。ボクちゃんの動きがダイレクトに伝わってるからよ。」

なるほど〜!

「うん、オオサカ君の動き、わかり易くなった。」

ホント!?

「もっと動いて・・・いいよ❤️」


よ〜し、イクぞ〜!


私が調子に乗って大きく動こうとした瞬間、また私の太モモは彼女の股を突き上げてしまった。

「やん❤️ またアタってる❤️」


ゴ、ゴメン!

「ほら、また腰が抜けてる! もうボクちゃんは

ホンットに腰抜けなんだから!」


め、面目ない・・・。

「まぁ、とりあえずはコンタクトを離さないでどれだけ動けるかね。頑張りなさい、ボクちゃん。」

はい、ありがとうございました!

それから私達はとにかく腰をイれたままヌけないようにしっかりと絡み合う練習を繰り返した。


次回、もうそろそろかな。


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