45. “フユゼン”へのプレリュード
クイックステップとサンバにもようやく慣れて来た11月半ば、部長から新たな案内があった。
「12月○日(日)に東京で“フユゼン”が開催される!」
フユゼン?
「夏にもあったけど今回は今後の為にも1年生にも応援しに来てもらうから土日空けとくよーに!」
前泊なのね。
「前日の土曜日には慶應義塾大学のダンス部との合同練習もあるぞ!」
け、慶應!?
「慶應とは提携校でね、毎年“フユゼン”の前日に合同練習をするのが恒例なんだ。」
へぇ〜、凄いっすね!
「楽しみだろ〜!」
はい!・・・っていうか“フユゼン”って何すか?
「ん? “フユゼン”は《冬の全日本学生競技ダンス選手権》の略だよ。」
あ~、なるほど。
「夏の全日本選手権は“ナツゼン”って言うんだ。」
夏もあんのね。
「ほら、6月に中部地区の種目別戦やったろ? あれの全国バージョンだな。」
ってことは競技ダンス部がある日本全国の大学が一斉に集って、それぞれの種目のチャンピオンを決める大会なんすね。
「そういうこと。全日本の学生チャンピオンがこの試合で決まるんだ。めちゃくちゃレベル高いぞ。」
中部の大学はレベル的にはどうなんすか?
「中部だと名古屋大学が頭1つ抜けてるな。現に“ナツゼン”のラテン・チャンピオンは名大の先輩だからな。」
マジか。
「でもやっぱり総合的には東部の大学が強い。上位入賞者はほとんどが東部だ。」
そうなんすね。
「前日に合同練習する慶應も毎年のようにファイナリストを輩出してるから、しっかり見ておくといいよ。」
「あら、今年はアタシも上位狙ってるわよ💋」
「うわっ、せ、先輩。も、もちろんっすよ!」
突然のセクシー先輩ご降臨に部長が焦っている。
ウチの先輩方も皆んな出るんすか?
「ウフッ、アタシは情熱のルンバよ❤️
やっぱアタシと言えばルンバでしょ💋」
で、ですよね〜。
「オレらはタンゴで出るけど、1組につき1種目しか出れないから、どんなに部員数が多くても1大学から最大8組しか出れないんだ。」
そうなんすか!?
「部員数が多い大学だと4年生でも出れない人がいるらしいけど、ウチは少ないから2年生も出れる。」
ウチで良かった〜。
「そう、来年からは坊やもデるのよ💋」
えっーー!! そっかー!
「当たり前でしょ。だから合同練習も“フユゼン”もしっかり見ておくのよ💋」
なんか他人事だと思ってたけど急に現実味を帯びてきたな。
次回、慶應との合同練習を初体験!
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