農業は儲かる。ぼくら若い世代がそう変えていく。新富町のキュウリ農家はどうしてスマート農業を選んだのか
★共にチャレンジする仲間を募集しています!
世界一チャレンジしやすいまち、宮崎県新富町。
この町で、自分のやりたいことにチャレンジしてみませんか?
宮崎県新富町が2017年4月に設立した地域商社こゆ財団は、新富町でチャレンジを始める新たな仲間を募集しています。詳しくはこちらをご覧ください。
ここでは、私たちこゆ財団をはじめとして、いまどんな仲間がいるのか、町ではどんなチャレンジが起こっているのかを紹介しています。
今回は、スマート農業に取り組むキュウリ農家、猪俣太一さんのチャレンジです。
新富町新田(にゅうた)地区にある太一さんのハウス。中をのぞくと、スマホを片手に話す太一さんの姿がありました。
太一さんが使っているのは、温度や湿度、潅水量といったさまざまなデータが見える化されていて、予測や改善につなげることができるというサービス。農業にテクノロジーを導入して効率化や省力化などにつなげる「スマート農業」に、太一さんは取り組んでいるのです。
「いま、私は農園内のさまざまなデータを取りながら生産をしています。取り始めた当初はデータをどう使えばいいかわかりませんでしたが、今はいろんな企業が参入してきていて、一つのデータを用いて使える機器ももっと増えていくと思います」
でもどうして太一さんは「スマート農業」に取り組んでいるのでしょうか。
30年間で農家の数が半分以下に
昨年11月、農業を核にした地域活性化に取り組んでいる宮崎産業経営大学(宮崎市)などが、県内の高校や農業大学校に通う760人を対象に実施したアンケート結果を発表しました。
「将来、仕事として農業をやりたいか」という質問に対し、「全く考えていない」と回答した人の割合は、実家が非農家の場合で84.9%。実家が農家の場合でも実に61%にのぼります。
宮崎県の農業産出額は全国5位(2017年)です。ところが、1985年に約7万8000戸あった総農家数は、2015年には約3万8000戸。農家さんの数が30年間で半分以下にまで減少していきます。
このままでは農業県・宮崎は危うい。それどころか自給率の低い日本の農業が、ますます立ち行かなくなることは、すでに多方面で報じられています。
ピンチはチャンス。農業は儲かる
太一さんがすごいのは、そんなピンチをチャンスと捉えていることです。
「私は将来、今の3倍に面積を増やしたいと思っています。でもすべてを自分が見るのは不可能。省力化はもちろんのこと、自分が他にできることを増やす意味でも、テクノロジーを上手に活用したいと思っています!」
担い手を増やすのは至難の業。でもAIやロボットといったテクノロジーを活用すれば、限られた人手で今以上に広い面積での農業経営ができる。事実、テクノロジー導入のハードルは確実に下がってきていて、地域の農家と実証実験をしていち早く新しいサービスを広めたいベンチャー企業も続々と出てきている。自らがそのチャンスを積極的に生かせば、農業は儲かる仕事になる。
太一さんの元には、すでに農業ベンチャーや全国の自治体関係者らも視察に訪れています。
現在は新富町認定農業者連絡協議会の会長をつとめる猪俣太一さん。スマート農業を研究する新富町の若手農家や農業ベンチャーらによる「儲かる農業研究会」には2018年の発足当初から参加するなど、チャンスを確実に生かそうと行動を起こしています。
農水省や有力な企業が集まる「スマート農業サミット」など、地域の農家を代表してイベントに登壇する機会も増えている太一さん。
「昔の農業への概念を少しずつ変えていくのも僕ら若い世代の役割です!」と頼もしい言葉を発してくれています。
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