【外食】アンケートはがき
現代は、SNSの普及もありあまり見かけなくなりましたね・・・
レシートにQRコードなどがあり、アンケートにお答えください、というようなものが増えつつあるのではないかと思います。
今回は、2000年代のまだSNSが普及されていない時代にアンケートはがきを「販促」と「サービスレベルアップ」へ活用した、そんな内容です。
それはレジ前に何となく設置されていた
当時はアンケートはがきはあるものの、レジ前に「なんとなく置いているもの」という印象でした。
内容も、料理、接客サービスに関する項目が5~6個あり、その下にご意見ございましたらご記入ください、という至ってノーマルなものです。
「設置」はしているものの、そこから葉書を取って記入をする方は『稀』で、当時の体感でですが、累計で10,000人くらいご来店があったとしても、1枚バックがあるか微妙なところでした。
換言すると、アンケートはがきからお客様の声が営業や運営にフィードバックされていない状況でした。
指令
そこで、時の上司から各テーブルへ設置せよ、という指令が出ます。
無論、ボールペンも設置します。
レジ前には、アンケートはがきの回収ボックスを作成。
もちろんポストへ投函しても問題がないものでした。
アンケートに記入していただける方は増えましたが、それでも500人に一人とか、そんな状況でした。
そこで考えるわけです。
この現存にあるツール(アンケートはがき)で何かできないか?と。
安直な『考動』
・・・まてよ?抽選でお食事券が当たる???
これはお客様にとってメリットになりうるな・・・
お会計が終わった後、手渡してみようか?
と安易でした。
具体的には、
お会計が終わってレシートやお釣りを手渡す際、一緒にアンケートはがきを手渡してください。「今日の料理の感想など忌憚なきご意見をおねがいします」みたいな一言を添えて。
というような感じだったと思います。
また思われたんだろな・・・
「店長、またなんかはじめたよ・・・(苦笑)」とでも。
レスポンス
すると、アンケートはがきを書いていただける機会が大幅に増えました。
20~30人に一人くらいでしたかね?
まずは、常連様が書いてくださる。
でも殆ど好意的な内容ですよね・・・ありがたい。
名刺を交換くださった方や、ポイントカードを作ってくださった方へもお願いする。
こちらも比較的好意的な内容が多かったですね・・・なんとありがたい。
どうも『書く』という行為は、記憶や印象に残りやすい気がします。
『販促』要素から接客サービスレベルアップへ
フィードバックされてきた葉書のコメント欄を見ると、
その殆どが好意的内容、
しかも大体が接客時の内容のことが書かれていました。
!?
あ、これは・・・ 改善点や課題はわからないけど、 ホール従業員の緊張感維持に繋がる? アンケートはがきに悪く書かれたくない! みんなそうでしょうよ。 でも逆に良く書かれていたら・・・ その従業員の自信につながる! 現にフィードバックの内容は、好意的なことばかりだし・・・ あ、もしかして「正のスパイラル」できちゃうのでは・・・?
腹づもりは、「販促」の要素から、接客サービスレベルアップへとシフトしました。
良く書かれる⇒褒められる⇒笑顔が増える⇒言動が良くなる⇒良く書かれる・・・
当時の従業員は、『常連様ノート』の効果も手伝って、
「正のスパイラル」へ軌道がのってきたところでもありました。
自分からホール従業員を見ても、何ら悪く書かれる要素が見当たらない。。。これはハマるかな・・・
と思っていたら、
やっぱりハマりました。
良く書かれる⇒褒められる⇒笑顔が増える⇒言動が良くなる⇒良く書かれる・・・
見事なサイクルへ。
そして『役割分担』へ
さらに、この構図は俯瞰するとこんな感じです。
店長⇒散々ガミガミと指示等出して口うるさい(叱り役)
お客様⇒褒めてくれて、しかも優しい(褒め役)
店長とお客様で『役割分担』を考えるという・・・荒業ですかね?
社員一人という状況で、
「誰かが厳しく言わなければいけない」
でも
「誰かがフォローアップしなければならない」
それをコントロールするのは、どうしたら良いのやら・・・
という悩みもありましたので、解決まではいかなくとも、
だいぶこの『役割分担』に救われた記憶があります。