【怖い話】墓地でエンジン停止②
車のターボタイマーの仕組みを知り、急にエンジンが止まったかのように見せることが出来ることを肝試しの時に活用したのだが…
肝試しその2
免許を取ったばかりで、所謂『乗せたがり』の状況の中、ターボタイマーの仕組みをおくびにも出さず、肝試しに行くのでした。
会話が盛り上がっている時にこそ効果を発揮すると踏まえ、テンション高めな時を狙う。
…よし、今だ…
ターボタイマーのカウントダウンが始まる。
普通に走れているうちは何ら問題ない。
わざわざハンドルを両手で握るようにし、『確信犯』を装う。
そして…エンジンストール…
その瞬間から、自分の演技力が試される。
「あれ!?」
急に車の速度が下がり、そして停止する。
「なんだ!?」
「あれ!?」
異常に友人達も気が付き、盛り上がっていた会話も尻すぼみに。
…しばしの無言…
…しばしの沈黙…
狙っていた通りの展開。
心の中では、『ケンケン』が「シシシシシ」って笑ってる感じ。(ひとつ屋根の下的な)
友人が場の空気を何とかしようとしゃべろうとした瞬間に被せて
「うっそぴょ〜ん」と種明かしをする。
安堵の空気が車内を覆い、責められ弄られ、となるのでした。
はい、自分の心の中は、実はここからが真剣そのもので。
というのも、これで事故ったら洒落にならんな…と。
車内なごやかな空気をよそに、ピリピリとした空気が心を覆っていた。
肝試しを繰り返す
肝試し中に何も起こらなかったこと
帰り道に事故やトラブルに巻き込まれなかったこと
心霊現象のようなものには遭遇しなかったこと
などから、「ほうら、やっぱり幽霊はいないよ」とタカを括った考えの自分がいました。
アジを占め、違う友人を連れてはおんなじことを繰り返す。
反応はみんな同じような感じでした。
ハマる友人達にニヤニヤしつつ、その後の運転を慎重にしていました。
おんなじ友人には通用しないから、機会を伺うのに難儀した記憶があります。
そして…
謎のエンジン停止が起こるのですが…
つづく