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選手引退後の3つの仕事 3.北米ブランド統括センター

コーチはどんな仕事をしてるの? 教え子から2番目に多い質問です。

スポーツをやってた学生のほとんどが、スポーツ以外で、自分に合う仕事とは何か?と考えると思います。このブログに目を通した時に、一人でも、一つでも役に立てれば良いなと思います。

結論から言うと、私が思う自分に合う仕事とは、自分の情熱と強みを活かせる仕事だと思います。

次の疑問は、スポーツの技術や知識、スキルを磨き続けてきた私にスポーツを辞めて何が残るの?です。

私が担当しているアメリカでの仕事をなるべく分かりやすく説明し、その時に感じたスポーツを通じて身につけていた自分の強みについて話したいと思います。

北米ブランド統括センターの仕事

調達、スポーツマーケティングを経て、現在、グローバルコミュニケーション部 北米ブランド統括センターにいます。センターと言って1人ですが…。

実際は、米国ニュージャージー州にあるパナソニックノースアメリカに出向し、マーケティング,デジタル&コミュニケーション部で、グローバルリエゾンをしています。

簡単に言うと、本社ブランドコミュニケーション本部の連絡窓口業務です。日本本社と米国統括本社との連絡窓口をすることから、日米のコミュニケーションギャップを埋める事が求められます。特に、日本からのメールに、アメリカ人には理解ができないことが多々あります。これは日本人の文脈や行間から読み取る力が必要な内容からくるもので、後ほど詳細を説明します。

次に、このポジションは日本人1名での窓口業務のため、多くのブランド活動を理解する必要があります。ブランディング、宣伝、広報、デジタル・ソーシャル、展示会、スポーツマーケティングなどをCMO直轄の日本人として米国現地社員と連携して進めています。

特に、世界最大の技術展示会 CESは大きな活動の柱です。

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最後に、職能プロフェッショナルとしての仕事です。
着任数週間後、上司であるCMOから「あなたは何が出来るの?」とのメール。前任者は語学堪能で展示会経験豊富な方だったので、凄いプレッシャーに感じました。

そこで居場所を見つけられたのが、前職のスポンサーシップマーケティングでした。当時、1ヶ月後に迫ったCESで、パートナーシップの発表予定でしたが、最終調整に難航していました。

当時の広報担当VPからオリンピックマーケティング経験のある私に、交渉を手伝ってくれないか?と依頼を頂いて、先方との電話会議に参加。お互いの意見を聞いている中で、経験から思いついたWin-Winになれると思ったアイデアを提案しました。

先方の反応は、それは良いアイデアだ。上と検討する。とのコメントがあり、結果、そのアイデアが採用されて無事、発表に至りました。

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CES発表後に、私のネクタイにある隠れミッキーを見つけて喜んでくれた先方の広報担当者との一枚。

この時、初めて仲間だと受け入れてくれた気がしたのと同時に、日本とのコーディネーターだけでなく、活躍する領域があるんだと、米国でやっていく自信になりました。


米国で感じる日本との違い

米国と日本の大きな違いは、文化・言語・人種です。
ハイコンテクストとローコンテクストって聞いた事はありますか?コンテクストは文脈の意味で、人間関係で文化的背景や文脈の共通性が高いのがハイコンテクスト、低いのがローコンテクストです。

日本は言わずと知れたハイコンテクストで、阿吽の呼吸、暗黙の了解、最近では忖度などの言葉があります。いわゆる、言葉以外のコミュニケーションが出来る文化です。

米国はローコンテクストで、暗黙知ではなく形式知が大事で、言語化して分かりやすく明確に伝えるコミュニケーションが必要な文化です。

どちらが優れているとかではなく、文化的な背景に依存していて、どちらのコミュニケーションスタイルも出来るようになるのが理想だと思います。

ハイコンテクストの日本は島国で、大半が日本人、同じ歴史観、同一言語であるため、多くを語らずとも分かり合え、状況や行間を読むことで意思疎通を図ることが出来ます。なので、コミュニケーションは聞き手の能力に左右されます。

ローコンテクストの米国は、異なる人種が、異なる歴史観、言語を持つ人たちが互いの意見を分かり合う手段が言語。なので、コミュニケーションは話し手の能力に左右されます。

ミスコミュニケーションが起きるのは聞き手が分からない時に起こりやすいので、ハイコンテクストからローコンテクストへ伝える際が多いです。

例えば、日本側が間接的な言い回しでNoと伝えたことが米国側に理解されていない場合などです。日本人は傷つけないように優しくNoと言っているつもりが、米国人はNoではない(進めて良し)と理解します。

現代のグローバル化して多様性が求められる時代では、ハイコンテクスト文化を持つ日本もローコンテクストのコミュニケーションスタイルを身につける必要があります。

ただ、日本側が歩みよるだけではないと思っています。私は究極のコミュニケーションはハイコンテクストにあると思っていて、グローバルで多種多様な人種を要する同じ志の持つチームが日本が得意とするハイコンテクストなコミュニケーションで進めることは可能だと思います。

なかなか大変な気もしますが、ミッションの共有を経て一つになれれば可能だと信じています。今年のラグビー日本代表が一つの好事例です。


スポーツを通じて身につけていた強みと情熱

米国では、仕事とプライベートに一線を引いていると言われています。加えて、私の住むニュージャージー州の車通勤社会では、飲み会などのコミュニケーション機会も非常に少ないです。

ローコンテクスト文化に職場環境も踏まえると、分かりやすい伝達が必要になります。よって、日本よりも学歴、職歴などの実績・ファクトが言語化され、伝えられることが重要になります。

FacebookやLinkedInがアメリカから生まれた理由でもあると思います。

その中で、特に日本と違うと感じているのはスポーツ歴への評価です。時にスポーツマンは揶揄すれば、スポーツバカと言われることがあります。だから、私はそんな状況を気にして、日本の職場では社会人野球選手だったことを、自らあまり話ませんでした。最近は少し変わってきたのかもしれませんが。。

米国ではスポーツ選手としての経歴や実績が高く評価され、また、スポーツで努力を続けてきたこと自体が評価されました。何故ならば、スポーツには集中、情熱などのイメージがあり、加えて、チームスポーツには規律、献身などのイメージがあります。

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一定以上の成績を収めるスポーツ選手は、これらを体得しているとの評価となり、日本で思っていた以上の評価です。 その後、実が伴っているは次の判断になります。


次に、米国ならではなのが、スポーツ人脈です。日本のスポーツ人脈はアメリカに住む日本人スポーツマーケターやスポーツ歴のあるビジネスマンとの関係構築に繋がります。プライベートでのスポーツ人脈は、米国生活を何倍も楽しく豊かなモノにします。

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私も赴任前は不安になり、スポーツマーケティングの友達にアメリカに知り合いがいないかと相談、紹介して頂きました。感覚的にはアメリカンフットボール歴、サッカー歴がある方が多く、次にバスケットボール、テニスか野球歴の方々がいらっしゃるでしょうか。

着任後は、紹介して頂いた友人たちと仲良くなり、また、米国でのスポーツネットワークが更に広がり、楽しい日々を過ごしています。

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スポーツが大好きなビジネスマンにとって海外は、仕事でもプライベートでも活躍出来るチャンスが高くなると思います。

まとめると、スポーツ選手としての強みは

・目標達成推進力、チームワーク、リーダーシップ、忍耐力
・選手としての経歴や実績に裏付けされた集中力、規律、献身
・スポーツ人脈による関係構築

情熱は

・スポーツをしていた強みが今、生きていると思えること
・直接、間接問わず、スポーツに貢献できていると思えること

みんなも、自分の情熱と強みを活かせる仕事を見つけて欲しいと思います。

スポーツが大好きな次世代のために

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