人生最高の対バン記録(UVERworld)
BiSHが圧倒的なライブを披露したのも束の間、メインアクトのUVERworld開始。
珍しくTHE ONEのSEからのDon't Think Feel!
やっぱUVERはエグい。一瞬で、たった一音で横アリを掌握してしまう。
年末のマリンメッセのライブに10年間行ってるので、ほぼ福岡以外のライブは見たことがない。レア曲祭りの福岡ではなく、何度も伝説を作った横アリでのUVERは次元が違った。
「誰一人置いてかねぇぞ!crewも、清掃員も!」
TAKUYA∞はライブの端々にBiSHと清掃員のリスペクトを込め続けた。
そのリスペクトはすぐにセトリにも現れた。
まさかのGiANT KiLLERSをUVERworldでカバー!!!BiSHと同じ曲中の掛け合いもUVERが演奏してTAKUYA∞が歌ってそれで踊れる日が来る世界線はライブが始まるまで想像さえしてなかった。
声出しのライブはBiSHであろうとUVERであろうと、もっとその先のライブにしてくれる。
TAKUYA∞はBiSHが解散発表してからすぐに社長のジュンジュンに正式ルートでオファーをしたことを告げた。
また、慎太郎によると、
「若い女性アーティストと対バンするのは初めてです!なので、(ステージ裏では)大人がソワソワしております。歯磨きの回数も多いようです(笑)」とUVER側のスタッフも浮き足立っていることを暴露。
TAKUYA∞が
「全員最高まで連れてってやるよ!清掃員もいつも通り(持ってるペンライト)振っていいんだぞ!crewは清掃員を(最高まで)一緒に連れてってくれ!」と叫んで始まったIMPACT。清掃員がペンライトをかざしながら飛び跳ねるIMPACT。あの光景は一生忘れることはないだろう。
まさかの、誰が言った〜ONE LAST TIMEもぶち上がった。
誰が言ったの歌詞ってコロナ禍を予想してたかのようだ。世間の鼻つまみ者にされた音楽、ロックバンド、そしてライブ。わかった口を叩く奴ほどその言葉の責任は取らないし、なかったことにする。現場を知らない連中がその場所を取り上げておいて、後付けで25%声出しOKなんていう訳のわからない基準を持ち出してくる。そんな3年間を経て、TAKUYA∞曰く、ほふく前進のように少しずつコロナ前の状態まで持ってきた。それはきっとUVERやBiSHだけじゃない。どのバンドも悩みに悩みぬいて、試行錯誤してここまで辿り着いたところだと思う。
UVERとBiSHの関わりがない話には意外な展開があったことをTAKUYA∞が話してくれた。
「さっきリンリンがフェスでうどん食べてたらそんなに美味しいの?って話しかけてくれたって話してたけど、全く同じ(トッピングの)うどん2つ並べてそれを交互に食べてたら、そりゃ(美味しいの?って)聞くでしょ(笑)」
「(メンバーに)今日楽屋とかでBiSHと個人的に写真撮るの禁止な!オフィシャルの写真だけだぞ!俺たちも清掃員と同じなんだよ。それくらいリスペクトしてんだ。」
「BiSHと関わりがないって言ってたけど、うちのマネージャーのコバヤシ君がBiSHのハシヤスメの大ファンでさ。ハシヤスメの情報だけを見るだけの(SNSの)アカウント持ってんだよ。メガネもおんなじの持っててさ。BiSHが解散するってなってからずっと励ましてんだよ(笑)。だから、めちゃめちゃ関係あるんだよ!」
TAKUYA∞の説法モードもここから全開。
「誰からも理解されない悲しみって、あると思うんだよ。
自分にしか分からない悲しさってあると思うんだよ。
小学生の頃、光GENJIが好きな女の子がいて、解散する時に泣いてて。その子の気持ちがあの時は分からなかったの。俺はBOOWYとか、ブルーハーツとか、尾崎豊も解散したり亡くなった後に知っちゃったから、(好きなアーティストが解散することの)悲しさとか分かんなかったけど、コバヤシ君見てたら、なんか分かってきた。その人の立場にならないと分からないことって、あると思うから。」
そんな言葉から始まったピグマリオン。
BiSHの解散を真正面から受け止めて言葉にして、歌を届けてくれる。
マリンメッセで初めて聞いた時とは全然違う感情が湧き上がってきて、号泣してしまった。
泣いてる間だけでもいいから
離さないであげて
それで愛し方を知るから
(ピグマリオン)
TAKUYA∞は無謀なチャレンジ(自分からすると全くそうじゃないと思うけど。)だという日産スタジアム2daysの話をしつつも
「俺たちもBiSHの東京ドーム、(見に)行こうか。チケット取れるか分かんないけど。」
解散という、一度しか切れない最大のカードを切る大きなチャレンジが目前に迫っているBiSHに対して愛情を送った。
その後も在るべき形からのTouch off!完全声出し解禁のTouch offはバチクソアガる!!
「日産スタジアム見に来て。っていうのは何か違くて。俺ら、根っからの雨バンドなんだよ。時期的に台風が来るかもしれない、未曾有の災害で開催できないかもしれない。開催できても会場が埋まらないかもしれない。でもそんなことどうだっていいんだよ!大きなチャレンジに向かってってるUVERworldを見て欲しいんだ。それであなたが俺らの曲を聞いて、何か少しでも心に刺さることがあったら…その時は、日産スタジアムに来て欲しい。」
TAKUYA∞は最後に少しだけ照れくさそうに話した。
そしてcrewへ、初めて聞く人へ大切に届けるEN。
ようやく、ようやくだ。
サビを歌える日が来た。
TAKUYA∞は2年前ENを初披露した時に
「一緒に歌える日が来るまで歌い続ける」と言った。その日が自分にとってはこの最初で最後のBiSHとの対バンでやって来るとは本当に想像してなかった。
そして、ラスト。
最後の最後に披露されたUNKNOWN ORCHESTRA!最後にダンス曲で締めるのは初めてだった。
※ツイッターで見たらBiSHのオーケストラへのアンサーじゃないかというのを見て、なるほど!とも思った。
アンコールはしない主義のUVERのライブはそのまま終了した。もしかしたらアンコール扱いでプラス一曲、BiSHと共演するかもと思ったけど、カバーをやったことを彼らなりのケジメにしたんだろう。
6月に夢だった最大規模の東京ドームで解散するBiSH。
ほぼその1ヶ月後に史上最大規模のライブを行うUVERworld。
何か運命めいたものを勝手に感じたのは自分だけかもしれない。でも手法やスタイルがどんなに違っても、UVERworldと BiSHは少なくとも、ライブに全てをぶつける。だからこそ突き刺さる。
自分の素直な気持ちを伝えるのなら、crew、清掃員、双方のファンで良かったと、心から思う。
横アリのようなデカ箱であんなに汗かいて、泣いて、声が枯れるまで叫んだのはいつ振りだっただろう。
今、儚くも桜のように散る覚悟のBiSH、
心に燃料を投下し続けるUVERworld。
UVERworld VS BiSH
お互いが戦い合うわけじゃない。お互いの生き様を見せ合うという意味合いでまさに『VS』な1日だったし、この対バンは自分にとってライブとしての金字塔になった。
記録は抜かれるためにあると言われるけれど、いつか、どこかで、この日のライブを超えるライブに出会えることを願って、やまない。