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GTDに取り組んで変えた仕事や生活の習慣 - 2025年1月版



昔からタスク管理をいろいろと試していた。

典型的なTodoリストを紙に書いていた時期もある。

様々なタスク管理ツールを試したこともある。例えば、Trelloとか、Asanaとか、iOSのリマインダーとか。

2024年の11月まではTodoistアプリをなんとなく使い、GTDの真似事としてWeekly Reviewを取り入れて、体系的に学ばずになんとなくやっていた。

昨年末から、もっと改善しようと思いGTDを日常に本格的に取り入れることにした。

GTDとは

GTDとはなにか。おそらく人によって色々なことを言う人がいるだろう。

ここでは以下のように定義する。

GTDとは、タスクを次の5段階のステップで実施していくフレームワークのことを言う。

  • 把握(capture) - 自分の内外にある気になっていることをすべて把握する

  • 見極め(clarify) - 把握したものについて次にどんな行動をするのかを見極める

  • 整理(organize) - 見極めが済んだものごとを整理し、可視化する

  • 更新(reflect) - 整理が済んだものも含めて継続的に更新する

  • 選択(engage) - タスクを実施するときに選択する

これだけのシンプルなフレームワークだ(見極めだけ少し特殊な工程なので後述する)。

GTDが強力な理由

当たり前のことを言っているように思われるだろうが、実践してみると非常に強力なことがわかる。

どんな人も始められる

まずこのフレームワークはどんな人でも始めることができる。

なぜなら、このフレームワークはツールに制約されない。ペンと手帳で始めることもできるし、僕のようにGTDのコンセプトを借りて実装されたアプリを使ってもいい。

例えば見極めのための典型的なプロセスはある。しかしそれらはアルゴリズムであり、その実装はどのような形でも構わない。

実際、原著の第1版は2000年代の前半に出版されており、今のようにはデジタルツールが溢れていなかった。原著には紙やファイル・フォルダの管理方法がていねいに解説されている。

カスタマイズ性の高さ

次に、このフレームワークはカスタマイズ性が非常に高い。

把握するための工夫、見極めのプロセス、整理方法など好みに合わせて方法を変えられる。

僕も自分用のWeekly Reviewフォーマットを作っていて、振り返りだけでなく事務作業を実施することもWeekly Reviewに含んでいる。

一部だけ取り入れても機能する

最後に、このフレームワークは一部だけを取り入れても機能する。

典型的には2分ルール(2分以内に終わると思ったらすぐやる)とか、inbox(後述)を作るとか、(少し前の僕のように)Weekly Reviewだけ実施するとか。

ライトに一部のテクニックだけを取り入れる層から、何ヶ月、何年もかけて自分の習慣を作り込む人まで、様々なレベル感でGTDは機能する。

間口がとても広いのに、時間をかけて作り込んだり改善していくことができるフレームワークだ。

それがGTDの凄みだと思っている。

概念の準備

この記事では、僕がどのようにGTDを実践しているのかを説明する。

そのために必要な概念をここで解説する。すでにGTDを知っている人は読み飛ばしてもらって構わない。

inbox

inboxは、頭の中にあることをすべて外に出し、記録しておくための場所だ。

これを活用することで、気になることをいったん外部に預け、頭の中をすっきりさせることができる。重要なのは、ここでは整理や判断をせず、すべてを「とりあえず入れる」ことに徹することだ。

メモ帳、ノート、アプリなど形式は自由だが、一元化しておくことが重要だ。それが信頼性を高める鍵となる。

見極め

見極め(Clarify)は、inboxに収集したすべての情報やタスクを整理し、それぞれに適切な次のアクションや保管先を決めるプロセスである。

このステップは、GTDにおける中核的な処理であり、タスクを「単なる書き出し」から「実行可能な状態」へと変換する重要な役割を果たす。

具体的なステップは以下(GTD(Getting Things Done): ステップ・バイ・ステップガイドより引用)

・2分以内に終わるものであれば、すぐに完了します。
・誰かに任せられる場合は、他の人にその仕事を任せます。
・もしそれが、後で参照する項目(例: ファイル、文書、記事、連絡先など)であり、実行不可能なものであれば、別の参照プロジェクトにファイルするか、関連するタスクやプロジェクトのコメントに添付します。
・特定の日付や時間に行う必要がある場合は、そのタスクに予定日を設定します。
・そのタスクが不要になったり、実行できなくなった場合は、削除します。
・1つのタスクが複数のステップを必要とする場合、そのタスクに関連するすべてのアイテムをまとめるプロジェクトを作成し、プロジェクトを前進させるための次のアクションを1つ特定します。

GTD(Getting Things Done): ステップ・バイ・ステップガイド

見極めは、GTDの核となるプロセスの1つだ。

収集した情報やタスクを整理し、行動に移す準備を整える仕組みである。

プロジェクト

プロジェクトとは、2つ以上の具体的な行動が必要なタスクを指す。

例えば、「新しいパソコンの購入」という目的があれば、それは「製品をリサーチする」「価格を比較する」「購入する」という複数の行動に分解できる。

GTDでは、この分解された行動を「次の行動(Next Action)」として管理し、一歩ずつ確実に進めていく。こうすることで、大きな目標も無理なく達成可能となる。

いつかやる

「いつかやる」は、今すぐ着手しないが将来的に実現したいことを保管する場所である。

たとえば、「フランス語を学びたい」「一人旅に出たい」といった願望やアイデアが該当する。

このリストを作ることで、やりたいことを忘れずに記録しつつ、現時点での優先事項に集中できる。また、定期的に見直して実行に移すことで、夢や目標を少しずつ現実に近づけることができる。

こじまの実践

では僕がどのようにGTDを実践しているかを書いてみる。

把握

僕は2つのinboxを持っている。ひとつはTodoistのinbox機能で、もうひとつは自室の部屋にあるトレイだ。

自分の仕事のタスク、やろうと思ったことなどはすべてTodoistに入っている。

レシートや記入すべき書類、期限付きの紙のクーポンなど整理すべき物理的なものは自室のトレイに入れている。

僕は把握するプロセスにおいては、タスクの種類を一切区別していない。

つまり、仕事のタスクとか、プライベートのタスクとか区別せず、まず思いついたことはTodoistのinboxに入れている。

実際、例えば医者に行くというプライベートのタスクに思えることも、予約日の勤怠をどうするか(有給をとるなど)の相談を上長とすることになることもある。

このように、プライベートか仕事かを分離することはできない。だから、プライベートと仕事を区別せずにタスク管理をしている。

見極め・整理・を日々でいつするか

僕は毎朝出社してから見極め処理をしている。時間としては45分、長いと90分かけている。

見極め処理は非常に頭を使う。だから、一番脳のエネルギーが溢れている朝の時間を見極め・整理に使っている。

この際に、純粋なる仕事の文脈の仕事である、仕事のタスク管理ツールのどれをやる・やらないをGTDシステム(僕の場合Todoist)の中で表現している。

また、昼にinboxの中身のみ見極め・整理を実施している。

Weekly Review

週末にはWeekly Reviewを実施する。最近は日曜の夕方から夜にかけて実施することが多い。

ここで、今週のKPTを実施したあとで、月曜から僕はなにをするのか?ということを考える。

Weekly Reviewに付随して、週次の習慣をいくつも実施している。例えば、家計簿を更新したり、契約しているサブスクリストを見て解約しようか考えたり。

そして最も重要なのが、すべてのタスクを一度眺めなおすという工程だ。案外「いつかやる」に分類したままのタスクが終わっていたり、完了になったタスクが放置されていたりする。

そのような細かい更新をするのはもちろん、プロジェクトに配置したにも関わらず、「これなんのために、どうしたいんだっけ?」と感じることもある。そういうのはinboxに戻したり、その場で再度見極め処理をしたりする。

GTDルール

上記が日々のアクションだが、そのアクションを支える自分用のGTDルールを作成している。

これはWeekly Reviewなどで、そもそもGTDの進め方が良くないと感じたときに追加されるものだ。

例えば、連絡待ちをしていることを忘れて放置してしまうことが多々あった。ので、リマインドすることを仕組み化しようとして、以下のようなルールを作った。

・連絡待ちプロジェクトの中のタスクは、待つ期限を必ず設定する
・タスクに設定した期日までに返答がなければ、相手にリマインドを実施する

このようなルールを明文化して、これもWeekly Reviewで毎週読み直し、守れている・いないルールや陳腐化したルールを適宜更新している。

GTDを導入して、生活がどう変わったか

GTDは、自分の習慣を変えることが肝だと僕は思っている。

良い習慣が身につけば、何もかもが変わっていく。僕自身、習慣づけのためにかなり意識的に実践している。

やり始める前は、タスク整理に45分も使うなんて考えられなかったが、いまでは45分では足りないくらいだと思っている。

つまり、自分がなにをすべきかを検討していく過程で、本当はやらなくていいこと、やらないほうがいいことなどに気づく。

そのようなものをきちんと無視する。あるいはステークホルダーがいる場合、このような事情でやらないと判断したと伝える動きをとるタスクに変える。

このような動きがGTDを実践していくことでできるようになった。

足元のタスクがきちんと整理されているからこそ、より抽象的な方針を考える脳のリソースができるのだ。

「とりあえずやってみる」ことが重要な局面もちゃんとあるのだが、その前にちゃんと考えてできることをやりきる。その上で「やってみる」ことに価値がある。

このような動きが取れるようになったのは、目の前のことに追われている感覚ではなく、自分の中で整理されていること・整理されていないことを適切に管理・区別できるようになったからだ。

今日やることは確かにたくさんあるし、全部は終わり切らないことの方が多い。だが、そもそも本当に今日やらないといけないことが大量にはない。明日に回すとか、未来のことも考えられるような状態であれば、今日のことにも冷静に対処できる。

逆に、今日のことに困っている人は未来のことなんて考えられないのだ。

まとめ

  • GTDはシンプルで、一部のテクニックやTipsを導入するだけでも有効であること

  • 習慣をGTDに合わせて変えることで真の価値を発揮すること

  • Weekly Reviewが特に習慣化の中で重要であること

筆者はまだまだGTD初心者で、本格的に初めてから2ヶ月しか経っていない。

これからも継続的な改善や、別のテクニックを取り入れたりすることで自分の生活をよりよくしていきたい。

自分のためにも、周りの人のためにも。

アイキャッチ画像は UnsplashGlenn Carstens-Petersが撮影した写真です。


この記事は、筆者自身のニュースレターの以下の記事のコピーです。

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こじま
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