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閑話三昧 #3 ~コラッツ予想

数論の未解決問題のひとつに「コラッツ予想」もしくは「コラッツの問題」がある。※

2021年7月、日本の企業が解決者に1億2千万円の懸賞金を出すというニュースで、ふたたび注目をあつめた。

大金をべつにしても、この問題に関心をもつことは、私のように脳力(耐力)の低下した人間にとっても脳への良い刺激になるのではなかろうか。

※ たまたま投稿日の夜に、NHK総合「笑わない数学」でこの予想がとりあげられていました。できれば再放送やNHKオンデマンドで見てくださいね。

コラッツの問題


問題の定義はとても簡単なので、随所で紹介されている。
Bing AIにも聞いてみた。


Bing AI:
「コラッツの問題」は、1937年にドイツの数学者ローター・コラッツによって提唱された未解決問題です。この問題は、任意の正の整数に対して、以下の操作を繰り返すと、必ず1に到達するかどうかを判定する問題です。

操作は、偶数なら2で割り、奇数なら3倍して1を足すことです。この問題は、小学生でも理解できるほど簡単な問題ですが、80年以上もの間、多くの数学者たちを悩ませてきました。


例えば、初期値nが偶数6の場合、
6 →3 →10 →5 →16 →8 →4 →2 →1 
となる。

コンピューターの発達した現代では、nの相当大きな数まで成り立つことが確認されているので命題は正しいと考えられているが、それだけでは肯定的な証明にはならない。

ピンとこないときは、問題の可視化が有効である。
上記Wikipediaの記事にも、グラフがいくつか掲載されているので引用させていただく。

初期値27のときの ai の値のグラフ(横軸:ステップ数、縦軸:そのときの値)
原典:オンライン整数列大辞典
1から9999までの数に対して、1にいたるまでのステップ数をグラフにしたもの。
(横軸:初期値、縦軸:1になるまでのステップ数)


なるほど。途中経過はよくわからないが、1に落ちつくまでのステップ数には、何かパターンがあるような、ないような。

この問題がくせ者である点は、命題自体は誰にでも理解できるところだ。
電卓さえあれば、すぐに検証できる。

少しがんばれば、自分にも解決の糸口が見いだせるのでは、という気になってしまう。(何しろ大金がかかっているしね!)


Bing AIに、さらにたずねる。


私: 「コラッツの問題」の証明に関する最近の成果は?

Bing AI:
最近の成果としては、2019年にカリフォルニア大学ロサンゼルス校のテレンス・タオ教授が「コラッツ予想はほぼ正しい」という論文を投稿しました。

この論文では、偏微分方程式を駆使して「ほぼすべての数が、最終的に1に非常に近づく」ということを示しました。ただし、すべての自然数について示したわけではなく、かならず1になるとも示せませんでした。

テレンス・タオ教授の論文では、偏微分方程式を用いて、コラッツ予想がほぼ正しいことを示しました。具体的には、コラッツ予想が成り立つための条件を満たすような関数を構成し、その関数が偏微分方程式の解であることを示しました。

この関数は、ある種の「波」のような振る舞いをすることが特徴であり、その振る舞いがコラッツ予想の成立につながっていると考えられています。



うーん、偏微分方程式がでてきたところで、サヨナラしたくなる。
でも、昔からこの問題にチャレンジしてきたひとは多いし、ネット上にもいろいろなアプローチの記事を見ることができる。

私自身に解ける気はしないが、人々の奮闘を観戦する楽しみはある。

あらたな可能性?

そんな中、

” カーネギーメロン大学の研究チームは、自動推論の手法を用いて、未だかつて誰も成し得ていない「コラッツの予想」の証明に取り組んだ。証明は成功しなかったものの、自動推論手法の可能性を実証するという点では「尊い失敗」だった。 ”

という記事にであった。

コンピューターは確かに計算が速い。可視化ツールとしても便利で、われわれに、あらたな洞察をもたらす助けにもなると思う。

しかし、ここからは妄想になるが、将来のAIが「人間にはない視点を提供する」ようになればどうか。「リーマン予想」すら解決されるのか?

私が生きているうちに、この問題の解決の日が訪れたとしても、できればそれは人の手によるものであってほしいと思う。

20ステップ未満のすべてのコラッツ・ツリー(出典:Wikipedia)   イラスト: TAK3

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