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閑話三昧 #15 ~アンリ・ルソー
日曜画家
アンリ・ジュリアン・フェリックス・ルソー(Henri Julien Félix Rousseau、1844年5月21日 - 1910年9月2日)は、19世紀末から20世紀初頭にかけて活躍したフランスの素朴派の画家。下手な画家と評されることが多いが、色彩感覚や繊細な表現に優れていた。
20数年間、パリ市の税関の職員を務め、仕事の余暇に絵を描いていた「日曜画家」であったことから「ドゥアニエ(税関吏)・ルソー」の通称で知られる。ただし、ルソーの代表作の大部分はルソーが税関を退職した後の50歳代に描かれている。
画業に力を入れるため早期退職したが、やはり絵だけで食ってゆくのは困難だったらしい。また私生活でも家族の死に多くみまわれている。
晩年はピカソなどの次世代の画家にも評価されているが、世間に認められたのは死後にである。彼は「素朴派」のひとりに数えられているが、作品はまさに天衣無縫である。
作品からは実生活の困難さなど、みじんも感じられない。
批評家からは酷評されたが、どこ吹く風のマイペースである。
独学ゆえの自由さにあふれている。
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はじめて見たときの違和感は、遠近法の無視、大小関係のアンバランスだ。
逆にそれが、後世にいうシュールな雰囲気をかもし出している。
そして、どこか独特のユーモアと安らぎを感じさせるのである。
「私自身」での上空の雲は日本列島のかたちのように見える。
この時代はジャポニズムが流行していたという。
密林の画家
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アンリ・ルソーは、うっそうとした植物の描写に並々ならぬ情熱を傾けていた。緑色系の絵具は数十種使用したという。葉の一枚一枚を丁寧に描いている。
世間の嘲笑しかなかったところに、やがて人々の注目が高まってきた。
そして名画・・
晩年になると、もう嘲笑する人はいなくなったが、画家によくあることだが、その正当な評価を得たのは死後のことである。
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絵を描くことが本当に好きだったのだろう。
ルソーに敬意を表して。
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