閑話三昧 #10 ~Fallen Angel
しろうとの空想としてお聞きいただければ幸いである。
神話や聖典を事実として教える時代は過去のものとなり、また、現在でもあえてそうしている地域・環境は限定的であるはずだ。
しかし私は、物語の形成には何かその元となる歴史的事実があったのではないかと考える。
例えば、仏教の帝釈天と阿修羅の抗争にも、正統と異端というだけでなく、古代インドの地方豪族と抵抗勢力の対立が現実にあったのではないか。
そして異端は排除されるか、正統に吸収されて眷属となってゆく。
堕天使ルシファー
天使ルシファーは神に対する抵抗勢力だった。異端である。
クーデターに失敗し、地獄に落とされサタンとなる。いわゆる堕天使だ。
ダンテの「神曲・地獄編」には、裏切者の地獄 コキュートスがあり、ルシファーもそこに閉じ込められている、という。
閉じ込められている・・はずなのだが、現在でも悪魔の所業がしばしば問題にされるところをみると、そうでもないらしい。
私としては、「かつて光輝はなはだしく最も美しい天使であった」ルシファーが氷に閉じ込められた姿を想像する。
Fallen Angel
エーリッヒ・フォン・デニケンではないが、人類のいにしえの記憶に「落ちた天使」があったらどうだろう、と妄想はふくらむ。
かつて有翼の異星人が太古の地球に不時着し、事故で氷中に閉じ込められる。事故を目撃した古代人の記憶が、天使降臨として語りつがれる・・・
天使降臨
ファンタジーでは、ゴブリンやオークといった魔物は人間に害悪を及ぼす存在とされることが多い。
人間の擁護者である神は、そこで部下である天使に討伐を命じることもあるだろう。いわば攻撃型天使か。
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