閑話三昧 #8 ~サモトラケのニケ、シレーヌ
30万点以上といわれるルーブル美術館の所蔵品の中でも、(諸説あるが)「3大至宝」とよばれるものに、
①モナリザ、②ミロのビーナス、そして③サモトラケのニケ
が挙げられている。②と③は作者不詳である。
サモトラケのニケ
ナイキ(NIKE)の社名が勝利の女神ニケに由来していることは、今では有名であるが、ニケ自身については、すべてがわかっているわけではない。
またnoteでは、石膏像ドットコム(脇本)さんのくわしい解説がある。
右足は地につき左足はういていることは、勝利の知らせを告げに女神が戦艦に舞いおりた瞬間をとらえていると解釈されている。
胴体の動きから、右腕は前にかかげられ、左腕は下げられていると推測される。後に発見された右手からは、何も持っていないようすがわかる。
肌にまとわりつく薄衣の繊細な表現だけでも、技巧の高さが認識できる。
特に頭部が未発見であることも人々の想像をかきたてる。
妖鳥シレーヌ
実は私がニケの存在を知ったのは、若いころに読んだ永井豪の漫画「デビルマン」がきっかけである。ここにでてくるシレーヌという美しいデーモンのモデルがニケであった。
シレーヌは、彼女を慕うカイムというデーモンと合体してデビルマンに闘いをいどむが敗北し、文字どおり立ち往生する。
悠久の時間の中で、動的であるが静止するニケとシレーヌ。
どちらも美しい。
ニケ復元
オリンピック・メダルにも伝統的にニケの復元像が描かれてきた。
ここで、私も頭の中で想像してみた。