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閑話三昧 #12 ~Ecstasy 2049
Ecstasy 1929
マックスフィールド・パリッシュ (1870 - 1966)はアメリカの画家、イラストレーターである。
大学生のころ、骨董市でホーロー引きのトレイを見つけた。
表面には、若い女性が岩山の上に立って朝日をあびて微笑んでいる姿が描かれている。長い金髪は風になびき、不思議な衣装は宙にただよっている。
そのトレイは、学生には少し高いと感じたので、手は出さなかった。
絵の作者は知らないが、いつまでも気になっていた。
社会人になってから、美術書専門の古書店で、その絵の女性に再会した。
そして絵の作者がパリッシュであることを知った。今度は即買いである。
画集の表紙にもなっているその絵の名は「Ecstasy」だそうだ。
パリッシュの作品の多くは商業ポスターであったため、美術館で大事に保管されることもなく、色あせていることが多いのが残念だ。
Ecstasy 2049
パリッシュの「Ecstasy」が描かれたのは、1929年。
「ブレードランナー2049」の時代なら、レプリカントではなくとも感情豊かなアンドロイドくらいは出現しているかもしれない。
彼女は、朝の光の中で歓喜するだけの感受性をもちあわせているに違いない。
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